冬近いのに指名依頼
本日2話目
「指名依頼ですか?」
「はい、詳しい話はギルドマスターからあるそうです」
ルンべルドン第1ギルドにて、受付からレイたちは呼ばれて、指名依頼の話を聞いた。
特に断るようなこともないので、とりあえず話を聞くために執務室にレイたちは入る。
なお、この間の化け物騒動の影響で一部崩壊していたようだが、すでに修復されていた。
「おおう、きたかだべさ」
中に入ると、ギルドマスターであるバリドスゲーフさんが山のような書類の相手をしていた。
「すごい量ですね」
「ああ、迷宮が無くなったからのぅ、その冒険者の方の対応としてこちらにもこうやって仕事が押し寄せてきたのだべ」
ルンべルドンが発展していたのは、ここにあった迷宮をうまいこと利用していたのが大きな要因だっただろう。
迷宮という資源の宝庫から得た利益は莫大なモノであろうが、その資源があの化け物騒ぎで消失したので今後人口の流失によっての過疎化が心配されているらしい。
どこか現代日本の様なものを感じさせるが、そう言う問題は世界が違っても同様の事例があるのだろう。
まあそれは置いてと。
「指名依頼ですが、いったい誰からですか?バリドスゲーフさんを介してという事は・・・・」
「うむ、またもや国王様からの依頼だべ。その一言で片づけられ、後の詳しいことはぜひ王城にまた訪れに来てから離したいそうだべさ。なんでも機密というか、非常に重要な事らしいのだべさ」
ガウン国王からの依頼・・・・どう考えてもまた面倒ごとのような気しかしない。
ただ、今回のルンべルドンでの化け物騒ぎの関係性も示唆された。
なにしろ、あの化け物は元ベスタリーニァ王国の愚王フゥーリッシュであり、その変容ぶりとその被害がすさまじかった。
そしてつい最近知った情報によると、あの化け物はストラクト王国軍にも被害をもたらしていたようだった。
まあ、王国軍には目もくれずにこのルンべルドンを目指して一直線だったようで、物凄い被害が出たわけではなさそうだが・・・
ただ、ここでちょっと問題になってくるのが、ついこの間俺たちが受けた指名依頼「ベスタリーニァ王国の調査」である。
その報告で禁忌の研究をつぶしたことになっているのだが、そこで出てきたのが今回の化け物。
この化け物もまた禁忌の研究のようなものではないかという疑いをかけられている可能性があるのだ。
・・・・いやまぁ、あの愚王が何者かによって変化させられたということを自白したので特にモンd内はないけどね。
それでも念のための確認をするためのものかもしれないので、レイたちは再び王城まで向かうことに決定した。
「今回はワゼがいるから家の警備とかは大丈夫かな」
「お任せください、侵入者たちは全て社会的・肉体的・精神的に排除いたしマス」
きりっというワゼだけど、本当に大丈夫なのだろうか。
主にその哀れな侵入者たちが。悪いことをしているのだろうけど、逆に同情しそうな気がしてきた・・・・。
やり過ぎにならない様に注意しつつ、レイたちは翌日、王城へ向かって準備した後に向かうのであった・・・・。
本当に侵入者とか犯罪者は来るなよ?防犯的な意味ではなく、逆に心配しているんだからな。
・・・ワゼの性能は全作品においてすさまじいものである。
一家に一台居るだけで、犯罪者が大量検挙できそう。
あれ?そういえばワゼの数え方って「台」?「人」?「体」?




