変わってゆくルンベルドン
化け物退治の数日後・・・・
迷宮都市ルンべルドン・・・・いや、迷宮が無くなったので、すぐにただの都市ルンべルドンへと名を改めることになった。
あれからもう3日経過したのである。
あの化け物襲撃によって迷宮は息絶え、本来であるならばゆっくりとした崩壊をするので、その間に資源を運び出したりできたそうなのだが・・・・・
「あの化け物、元は愚王が地上から最下層まで、最下層から地上へと無理やり往復したせいで、資源を掘り起こすまでに全部崩壊したんだな」
かつてあった迷宮跡地を見て、レイは思わずつぶやいた。
洞窟の入り口の様なものはなくなり、大穴がぽっかりとあいて、そこに土砂が流れ込んで不安定な状態で埋まっているようであった。
普通、迷宮が息絶えてもその中にいるモンスターとか消えはしないので、崩壊までの間にぶっ倒してその資源を得ることはできただろう。
だが、急な崩壊によって何もかも地の底へと埋もれたのであった。
そのせいか、現在ルンベルドンギルドの依頼には・・・
「『29階層までの採掘手伝い』、『10階層まで採掘してくれる人募集』、『いっその事最下層まで掘ってみないか?』、『背後から・・・・』っと、どれもこれも迷宮跡地の掘り起こしの依頼だらけだな」
「なんか一つ違っていませんでしたか?」
まあ、すべてが埋もれた・・・・つまりは、生きていたモンスターとかも地の底で息絶えている可能性があり、今迷宮跡地は発掘をしようとする人であふれていた。
大半の冒険者たちは、まだこの都市に残るようだけど・・・・・・掘りつくしたら皆ここから出ていくようである。
ギルドからの依頼をちまちまうけてはいたが、一度迷宮での稼ぎを体感するとそれなしでは生きていけないような人が多いらしい。
レイたちは別にそこまで飢えてはいないが・・・・・そこは節制ややりくりの仕方によって個人差が出るのだろう。
「おかえりなさいませマスター。今日も怠惰な侵入者たちが罠にかかってましたので、丁寧に処理いたしましタ」
依頼で特に良いのがなかったのでギルドから帰ると、出迎えてきたワゼが何やら物騒なことを言った。
・・・・処理って何?聞かないほうが良いのかな。
迷宮の消失により、そこで稼ぎを得ていた人たちの中には困る人も出ていたのだろう。
何しろ迷宮は宝の宝庫のような物であり、普通に依頼を受け手稼ぐよりも効率が良いというぐらいである。
そして、稼ぎを湯水のように使うような人たちも当然いるわけで、迷宮が消失したことによってあっという間に生活に困窮したのだろう。
一度体感した贅沢というのは、なかなかやめられないモノである。
レイたちはそう言った贅沢に興味がないので特に問題がなかったのだが、困窮した人たちにとっては死活ものだ。
そこで、強盗などをして金を狙ってくる人たちがいるようだけど・・・・全部罠にかかってくれるのは助かる。
それに、ハクロたちのファンクラブとかもいるようなので、その人たちが陰で活躍していて事前い数が減らされているそうだとワゼがすぐに情報を仕入れてそう言ってきた。
うん、まだ1週間も経っていないのに情報を仕入れるのが早いな。
「だけどなぁ・・・これはもう引っ越したほうがいいかな」
けれども、もうじき季節は冬である。
寒くなってくる中で新天地を求めて移動するのもつらい。
なので、引っ越すとしたら春かな。
「ワゼ、引っ越し先として最適そうな場所がわかるか?」
「3日もあれば他の大陸まで情報を得ることが可能ですネ。お任せくださいまセ」
いや、他の大陸って・・・・そこまでしなくてもいいんだけど。
というか、どれだけ情報御集められるのだろうかこのメイド。メイドの範疇を絶対超えているだろ。
ちなみに、もうメイドを超えているのではないかと思えたのは昨夜である。
深夜、皆が寝付いているときに庭に入ってきた侵入者たちを罠にかける前に、丁寧に素っ裸にして恥ずかしい格好を取らせてその状態で接着剤で板に張り付けて固めて放置したという鬼畜っぷりがあったからな。
怒らせたらダメな相手だとレイたちは認識するのであった。
そろそろ新たな展開へ
しかしまぁ、なぜこの作者の作品にこうも主人公以上のチートの様なメイドが出るのでしょうか?
あれか、製作者の意志の方が強いからか?




