出てきたのは
お待たせいたしました。
この魔物使いシリーズでもはやおなじみのあの人がパワーアップして帰ってきました!!
・・・・宝箱、最期の一個を開封すると中からメイド服を着た女性が出てきました。
「人が入っているのかよ・・・」
「あー・・・これ人じゃないようですよ?魔道具・・・ですかね?」
宝箱の中で横たわって目をつぶったメイドを見て、レイがちょっと頭を抱えると、横からのぞき込んだハクロがそう判断した。
どうやらこのメイドが身に着けているのが魔道具ではなくて、メイドそのものが魔道具らしい。
・・・・いや意味わからねぇよ!!
《・・・開封確認》
「うおっ!?」
と、いきなりメイドの目がカッと見開いて全員びくっとした。
そのまま体を起こして・・・・・・
《とおッ!!》
勢いよく飛び出て、空中を4回転以上してスタッと決めポーズで着地した。
何この無駄に身体能力高そうなメイド。
黒髪ロングで顔立ちは整っているけど・・・・右が赤目、左が青目とオッドアイというかのような目の色をしている。
メイド服はよくあるような長めのスカートだが、その耳はこう・・・機械っぽいような、とがり気味の耳をしており、手は白い手袋をつけているようである。
ゆったりとしたメイド服の為スタイルとかいまいちわからん。・・・・って、何考えているんだ俺。
《起動確認。『人型家事戦闘万能型魔人形魔道具MKS-03:情報収集能力改良型』・・・・・システムオールグリーン、起動時に問題は置きませんでしタ》
カタカタカタっと音を出して、そのままそのメイドはこちらに向き直った。
「えっと・・・何者なんだ?」
うん、言い出せるのはこの一言ぐらいだろう。
この人型なんとやらとか言っているメイド・・・発音に一部機械音らしいところというか、無理やりなロボ感がある。
《これは失礼いたしましタ。私は『人型家事戦闘万能型魔人形魔道具MKS-03:情報収集能力改良型』と呼ばれる・・・・・わかりやすく言うなればメイドロボ、もしくはゴーレムの一種です》
すっごい分かりやすい。
《シリーズとして扱われており、その伝わる名称として『ワゼ』とお呼びくださいませ、新たなマスター》
「ん?マスター?」
《はい、あの宝箱を開封した者が私のお仕えする相手となりマス。普段はメイドとして働きますので、ふつつかものですがこれからよろしくお願いいたしマス》
そうぺこりとお辞儀するメイド・・・・ワゼ。
「あれ?03という事はほかに01や02などもいるのでありますか?」
ふと気がついた疑問にサクラが訪ねた。
《・・・・・該当情報は厳重に保護がかけられておりマス。また、製作者やその他にもしっかりと封がされており、お答えすることは申し訳ございませんが不可能デス。解除にはしばらく時間がかかりマス》
どうやらワゼにはさまざまな秘密があるらしい。
だが、今はまだ答えられる時期ではないそうだ。
とにもかくにも、軽くメイド能力をテストしてもらうことにした。
いやだってメイドとしても、家事がどのぐらいできるかなと・・・・
《お任せくださイ》
1時間後、その仕事の速さと完璧さにレイたちは驚愕した。
普段自分たちがするよりもきれいに掃除がされ、
皆で食事をする机の上には、余り物の食材なのに豪勢に作られた料理が並べられ、
洗濯ものもすべてきちんと整理整頓されて皆の衣服別に分けられ、
庭の方もご丁寧に綺麗な家庭菜園まで作られて、
そして極め付けに、大量の仕事をしたはずなのに、汗一つかかずに平然としているワゼに、この日女性陣はその能力の高さに皆落ち込んだのであった。
・・・・男のレイは良いとして、他の皆は女の子故にある程度の家事能力を持っていたけど、それが見事に粉砕玉砕された形である。
ん、?ラフィムだけ違う理由で?え?風呂掃除のときに・・・・・・あ、ごめんなんか察したわ。
すぐに皆気を取り直したけど、このメイドが有能過ぎて逆に怖くも思えたのであった。
とにもかくにも、優秀すぎるメイドがこの日レイたちの仲間に加わったのであった。
「あ、でもここ迷宮を無くなってますし、居つく理由ありますかね?」
「そういえばそうか。・・・数日ほどは適当な依頼でもうけて、その後は何処かに引っ越してみるか?」
後日の引っ越しの際にもこのメイドは有能性を発揮する・・・・・・・
今回のワゼは情報収集力が高められた。
01、02をしのぐほど情報収集能力を持つのだが、その代わりに戦闘面においては容量の問題で少々劣る結果に。(まぁ、それでもすごいけどね)
脱ぐとすごいようだけど、基本年中メイド服。時たま私服。




