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魔物使いでチート野郎!!  作者: 志位斗 茂家波
面倒ごとはやってくる
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運が良いのは誰だろうか

本日2話目!!

・・・・化け物騒ぎが収束したその日の夜、レイたちは家の中で宝箱を開封しようとしていた。


 あの化け物・・・・元愚王が迷宮核(ダンジョンコア)を取り込んだ影響か、絶命した後に宝箱が山のようにあふれ出て、冒険者たちが我先にと争って手に入れていたのである。


 その時レイたちは、逃げようとしていた死にかけの愚王を捕縛していたのだが、すばやく手近な宝箱をハクロの糸で手繰り寄せたりなどして、ちゃっかりいくつかとっていたのであった。



「確保できた宝箱は全部で7つか・・」

「レイ様、私ハクロ、カトレア、サクラ、アイラ、ユリ、セラフィムの私たちそれぞれ一人当たり一つで丁度いい計算ですね」

「だったら、それぞれ選んで開封してみる?」

「その方が面白そうでありますな。誰が一番良い中身を当てたのかで勝負できそうであります」

『宝箱の中身って罠とかないのー?』

「仕掛けられていることがあるのは外側の方ッシャね。中身その物は問題ないッシャよ」

「レッツ開封なのん!!」



 というわけで、とりあえず中身勝負をしてみることにレイたちはした。


 こういう時ぐらい、互いにちょっと勝負を仕掛けてみたいところである。


 それぞれひとつづつ宝箱を選び、中身によって順位が決まる。


「開封順はどうする?くじ引きにしようか?」

「そうですね」


 くじを引いて、開封するのは・・・・・セラフィム、サクラ、カトレア、アイラ、ユリ、ハクロ、レイの順番となった。


「それでは一番!!セラフィムが開封するなのん!!」


 セラフィムが選んだのは、細長い小箱の様な宝箱。


 開けると・・・


「・・・なんかネックレスが入っていたなのん」

「ふむ、魔道具(マジックアイテム)ですね。おそらくですが・・・・解毒のネックレスですかね?」


 魔道具(マジックアイテム)関係ならわかるハクロがそう判断したので、そう言う名前の魔道具(マジックアイテム)で間違いないだろう。


「毒を無効化するのは良いな」

「最初からあたりなのん!!」


 喜び羽を羽ばたかせるセラフィム。


 毒の無効化はうれしいところだけど・・・・まあ、そんな日常的に毒を喰らうようなことないけどね。




「次に某が開封するであります」


 サクラが選んだのは、彼女のサイズぐらいの大きな宝箱であった。


 中身は・・・・



「・・・・おお!鎧でありますよ!」


 出てきたのは真っ白な鎧である。


 磨くと輝き、これはなかなかいいものであるとわかる。


魔道具(マジックアイテム)ではないようですね。ですが、おそらく相当質のいい鎧ですよ」

「やったであります!!」


 ぐっとこぶしを握り締めて喜ぶサクラ。


 こういった鎧を着るのが好みらしいけど・・・・サイズが残念ながら彼女には合わなかった。いや、オーだメイド性の鎧だったらいいけど、流石に融通がなかったようである。でも飾るだけでもいいそうな。


 幸せならそれでいいだろう。というか、単純にさらしでしめつけている胸囲でも合わないのが原因かと・・・・




「次は私ね」


 カトレアが選んだのは、合った宝箱の中で一番シンプルな木製の様な宝箱である。


 開封して見ると・・・・・


「スゴイぎっしり草花で詰まっている!?」

「・・・・当たりね。これ全部珍しい薬草の類よ」


 どうやらそんじょそこいらではめったに手に入らないような薬草類らしい。


「効能とかはわかるのか?」

「ええ、どれもこれも薬の材料にすると高い効能を発揮するわね」


 種とかもあったので、栽培して増やしてみるつもりのようだ。




『オープン宝箱ー!!』


 アイラが選んだのは貝殻やヒトデの装飾品がつけたされている宝箱。


 中身は・・・・


『真珠だー!!』

「って、でかすぎだろそれ!?」


 まさかのボウリング玉サイズの真珠である。いや真珠かそれ?


 しかも10個ほど入ってました。


『ミニジャイアントパールだよー。確か海の中でも極稀にしか見かけないほどレアな奴だー』

「え?小さいの?大きいの?」


 わけわからんけど、とにもかくにも希少性で言えばかなり価値があるそうな。




「ではこのユリの宝箱を開けるッシャ!!」


 ユリが選んだのは、真っ白な彼女の体のような宝箱。


 中身は・・・・・



「・・・・なんか白い液体で満たされているッシャ」

「これは・・・・美容薬よ。それも、肌の保湿に使うやつね」

「・・・・微妙ッシャ」


 ここで微妙なものを引くあたり残念だろう。


 とはいえ、皆にとってはいらない物でもないのではずれでもないかな。





「それでは私が選んだ奴ですよ!!」


 ハクロが選んだのは、金庫のような頑丈そうな見た目の宝箱である。


 中身は・・・・


魔道具(マジックアイテム)・・・・いやこれレイ様見なかったことにしてください!!」


 どうやら魔道具(マジックアイテム)の一種のようだけど・・・・ハクロが顔真っ赤にしているんですけど。


 え?なんかやばいやつだったのか?


「何があったんだ?」

「いえ、その、えーっと・・・まだ早いですね多分!!ええ!!まだですとも!!」

「ちょっと見てみる」

「何が入っていたでありますか?」


 どうやら俺に見せるのが嫌な様で、他の面々が覗いてみたら・・・・よくわかってないらしいセラフィムを除く全員がものすごい気まずそうな顔になった。


「・・・いいことありますね」

「使うときがくるでありましょうか・・・・」

『確かにこれはやばそうだよー』

「ある意味すごいものを引き当てたからいいと思うッシャ」

「なにをあてたのー?」


 とにもかくにも、厳重に保管するらしい。


「やばいモノなら捨てればいいような」

「そういう事ではないんですよ・・・使う機会があるかもしれませんけど、今はまだ心の準備ができていませんので」



 正体不明だが、とりあえず今の話という事でいい様だ。



「となると、最期はこの宝箱だな」


 残すは目の前にある人一人はいりそうな大きさの宝箱である。


「オープン!!」


 開けて見ると中身は・・・・・・



「・・・・メイド?」


 中にいたのは、メイド服のような物を着た女性であった。


 最後の方でメイドを当てるとは・・・・これはどうなのだろうか。


 とういうか、何で宝箱の中にメイドがいるんだよ!?

・・・ハクロが開けた宝箱の中身って一体何だったのだろうか?

ノクターン入りを避けるために慌てていたのだろうか。

少なくとも、その中身を知る機会はまた今度である。

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