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魔物使いでチート野郎!!  作者: 志位斗 茂家波
面倒ごとはやってくる
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愚王の末路

事後処理とも言う

・・・・化け物が地上に落下した後、冒険者たちは全力でその化け物に攻撃をしまくった。


 剣、斧、弓、ハンマー、かぎづめ、格闘術、フライパン、糸・・・・・ありとあらゆる攻撃手段を尽くし、ようやく化け物のすべての動きが停止し、その命が尽きたことを確認した。



 すると、その化け物が息絶えた途端に突如として全身の触手がまるで溶けるかのように消えうせて・・・



「「「「「・・・宝箱の山が!?」」」」」


 化け物の跡地には大量の宝箱が出現していた。


 あの化け物は迷宮核(ダンジョンコア)を取り込んでいた可能性がある。


 そして、迷宮(ダンジョン)といえば宝箱も出現する場所である。



 そのことからして、あの化け物が死んだ後は・・・・・迷宮(ダンジョン)に出るはずだった宝箱が山のように出現したとしてもおかしな話ではなかった。






 宝箱が山のように出現したことから、化け物対峙に参加していた冒険者たちは目の色を変えて争奪戦へと移った。


 迷宮(ダンジョン)はなくなった。


 ならば、この宝箱がこの都市での最後の大きな収入になると考えたのだろう。


 けれども、その目の色を変えていた冒険者たちは気がつかなかった。


 その宝箱争奪戦の最中に、下から這い出てこっそりその場を去ろうとした豚まんのような男がいたことを・・・・



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

SIDEギルド執務室



 一部が崩壊しているが、残っていた第1ギルドの執務室にてレイたちはここのギルドマスターであるバリドスゲーフに報告をしていた。


「・・・というわけで、生きていやがったベスタリーニァ王国の国王を捕縛しました」

「というわけと言うのかなぁ?まぁ、間違いなく愚王その者だろうさ」


 もちろん、レイたちがそのこっそりと逃げようとした者を逃すはずがなかった。


 すばやく宝箱のいくつかを空間収納の魔法で確保した後、逃げ出そうとしていたベスタリーニァ王国の国王フゥーリッシュを素早く簀巻きにしたのである。


 以前、城内に潜入する際にその姿を見ていたので覚えており、すばやく捕縛できたのであった。



 ちなみに、現在その愚王はほぼ廃人のような状態になっているけど・・・・なぜあのような化け物じみた姿になったのかカトレアの自白剤で試してみた結果・・



「正体不明の声に従って、激痛の果てにあの姿になっていたようです」


 そこが分からないところである。


 どうもほとんどの臣下たちは全て城から逃亡した後で、何もない状況に狂っていたら・・・その声にそそのかされて、受け入れたところ狂うほどの激痛が全身を襲い、気がついたらあのような化け物じみた姿になっていたようである。


 そして、その本能というべきか、迷宮核(ダンジョンコア)を目指すように命令されていたかのような感覚にとらわれて、一直線に城からここまで駆け抜けてきたのだとか。


 ただ、その意識が戻る前にあやふやなところが多いらしく、ベスタリーニァ王国の王城周辺を蹂躙したりしたとか言うのはぼんやりとはあるけど、はっきりとは覚えていないらしい。



「しかも、今はだんだん老化していて数時間ほどでおそらく死ぬのではないかと思われます」

「ふむ・・・生命力もごっそり削られていたのかもしれないだべさ」


 同情の余地もないけどね。自白剤によるとベスタリーニァ王国であの愚王が国王になれたのも相当あくどいことをやっていたようで、もうなんというか救いようの無いレベルである。



「前国王及び愚王自身を除く王位継承剣所持者の暗殺、過酷な重税・圧政・贅沢・色欲、その上禁忌の研究に化け物化の後の王城周辺住民の殺戮・・・・まだまだありそうですよね」

「まあ、これでもうベスタリーニァ王国も終わるだべさ。その国王自身がこうして・・・」


 ちらりとバリドスゲーフさんはその愚王を見た。


 そこにいるのは、もう何もかも廃人と化した元化け物現在愚王であり、ぐるぐる巻きの簀巻きにされているのである。


「ヴボゥ・・・・ォォ・・・・はな・・・せ。国王・・に、逆らう・・・つ・・・もりか」

「もう同じようなことを繰り返えして言い、思考すら彼方に飛ばしてしまったような感じですよ」

「あわれだなぁ、一時の栄光も自身の欲望のせいでつぶすとはなぁ」


 力なく、けれどもまだわかっていないかのように話し続ける愚王の姿を見て、レイとバリドスゲーフは憐憫の目を向けた。



・・・・それから2時間後、愚王は息を引き取った。


 その化け物になっていた反動故か、最期は壮絶な姿になっていた。


 表現どころかお見せできませんってテロップが張られるような最後になっていたよ。



 丁寧に聖属性の魔法などでアンデッド化しない様に処理をした後、後日に国から検察官とかのような人が来て、きちんとベスタリーニァ王国の国王かどうか調べるらしい。


 そして、その結果によってはベスタリーニァ王国の国王の死という事によって戦争をいったん停戦という扱いにするそうな。


 愚王が無くなったとはいえ、まだ国民や家臣と言った者たちが生き延びているためしばらくはその整理をして、新たな統率者を選定するのだとか。


 その後にきちんとこのストラクト王国との戦争に関しての事後処理や賠償金などを取り決めて属国のような形にするらしい。



・・・・一応、国そのものがつぶれたらそれはそれでその国の残党軍とかが統率もなく暴れたりして、被害が余計に出たりするのを防ぐためなのだとか。


 戦争って難しいな・・・・というか、最初からやらなければいい話なのに。



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SIDE???



・・・その者は愚王の最期を遠くから見ていた。


「なるほど・・・・完全に死に至ってから変化するかと思っていたのだが、ギリギリ残るのか。また改良が必要だな・・・」


 そうつぶやくと、その者は姿を消したのであった・・・・・・・・

次回は宝箱の開封作業。

今回でてきた宝箱の山はとったもん勝ちであるとギルドから通達されたため、確保できていた者たちは歓喜していたのだとか。

レイたちもいくつかこっそりよさげなものを確保している。

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