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魔物使いでチート野郎!!  作者: 志位斗 茂家波
面倒ごとはやってくる
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シリアスなのん?

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《ヴボォォォォォォォッ!!》


「うわ気持ち悪っ!?」



 ・・・・・・ルンべルドンの迷宮(ダンジョン)の断末魔の後、地下から飛び出てきたのは真っ黒な、君の悪い触手を生やし、真っ黒な翼を生やした・・・進化したかのような化け物であった。


 というか、タ〇リ神とエ〇ァのなんかぶわっと翼モドキが出ていた物をたしたような感じである。


 明朝に出た姿のままならまだしも、あの変化した姿は気持ち悪すぎる。




 とにもかくにも、不気味な唸り声を化け物が叫ぶ。



《ヴボォァァァ・・・我、ココニ爆誕セリ。神トナッタ、我二スベテヲヨコセ!!》


「しゃべった?」

「あの声・・・もしかしてベスタリーニァ王国のあの愚王ではないですかね?」


 避難していた人たちを見ながら化け物が発した声に、レイたちは何処か聞き覚えがあった。


 ついこの間聞いたばかりの、あのベスタリーニァ王国の愚王の声である。


 質として不気味さが上がっているものの、その声はまさにあの愚王そのもの。



 というか、ついこの間まではあんな愚王でも人間だったのに、何処をどうしたらあのような化け物になり下がったのだろうか。



《我ガ命令ヲ、背クノナラ、ココニ消滅セヨ!!》



 と、叫んだ途端に旧愚王、現化け物がいきなりその前身の触手を伸ばし始めた。


 鋭く勢いよく伸ばしてきて、貫くかのような攻撃である。




 すばやさから言って相当なモノであり、おそらく迷宮核(ダンジョンコア)を取り込んだ可能性がある。


「ハクロ!」

「防御の『ネットガード』!!」


 レイの指示を瞬時に読み取り、すばやくハクロが網を作り、触手に向かって放つ。


 網がばっと広がり、触手を捕らえていくのだがどうしてもこぼれてしまう物も出る。


 だが、ほとんどの触手を抑えたことにより、この場にいる冒険者たちやサクラやカトレアと言った使い魔たちによって全部撃ち落とした。


《グヌワガァァァ!!我ガ手足ヲ、ハジクトハ!!》

「それが手と足なのかよ!?」

「レイ様、そこ突っ込んでいる場合じゃないですよ」



 触手がすべて不発に終わったことにより、化け物は衝撃を受け、激高と驚愕を繰り返しているようである。



《オノレェ!!オノレェ!!オノレェ!!神二逆ラウノカ!!》


 化け物が憤怒のあまり、黒い外見が赤みをおび、触手をぶんぶん撃ってくるが、ことごとく冒険者たちやハクロの手によって撃墜されていく。





・・・というか、攻撃手段ってもしかしてその触手だけか?火を吐くとかビームを撃ってくるとかならともかく、単純な物理攻撃な故に、皆に対処されやすい。


 斧で切り裂く者や、魔法で撃墜する者、剣で切り裂く者、糸で縛り上げてまとめて切断する者と言った具合に、どんどん触手が短くなり、物凄く情けない姿へと変化してく。


 元が愚王だけに、その攻撃すらもお粗末なものなのだろうか。


 むしろ、あのような化け物になったがゆえに、その思考までもがおかしくなってまともな攻撃手段が思いつかいのだろうか。


 

((((ぶっちゃけ、最初のの姿の時の方が強いと思えたかもしれん。あれまったく怖くないわ・・・・・))))


 その場にいた全員がそう心に思った。



 とはいえ、相手は空中に浮いている化け物。


 攻撃手段として届くのは魔法なのだが、その魔法・・・どうも効きにくい。


「魔法の通りが悪いな・・・」

「恐らくですが、表面のあの触手が魔力なんかを吸収して効きづらくなっているのでしょう。むしろ、魔法を糧に再生していますし逆効果です」



 となれば、撃墜するには物理攻撃の方が有効だという事だ。



《ヴボォォォォォヴ!!イイカゲンニヒレフセ!!コノゴミドモメガ!!》


 魔法が効きづらいことをいいことに、余裕があるかのような声を出す化け物。


 だが、これを喰らっても言えるかな?





 ハクロが糸を束ね、カトレアが成長させた木を軸に何重にも巻き付けて形を作り、糸で出来た巨大な拳が創り上げられる。


 サクラとユリによって支えられ、すばやく作られた巨大パチンコ台にセットして狙いをつける。


 アイラが水の膜を張って照準器にして、この拳を飛ばすのは・・・


「ターゲットロックオン!!いつでも撃てるなのん!」


 セラフィムが狙いをつけて、弓矢で撃つかのようにめいいっぱいその巨大な拳の弾を構えた。


「目標!!あの化け物!!誤差修正左へ2度上に3度!!」


 誤差を修正し、着実にぶつけることができるようにする。


 


 そして、糸で出来た巨大な拳を着火して、威力を少しでも上げる工夫を凝らす。


「撃てぇぇぇぇ!!」


 火がつくと同時に、その燃え盛る巨大な拳が発射された。


 

 勢いよく飛び、そのまま化け物へと一直線に物凄い速さで進む。


《グボオァァァァァァァア!?》


 さすがにこの攻撃に気がついたようだが、時すでに遅し。


 燃え盛る拳が直撃し、そのまま化け物の身体を貫いていった。



 拳の形にした意味?なんかロマンをついでに求めたんだよ。


 

《ブァカナァ!?コノ神トナッタ我ガ、コンナフザケタ様ナ攻撃デェ!?》


 体に大穴が空いた化け物はそう叫ぶと、飛ぶ力が無くなったのかそのまま地面に落下した。


 

 高いところから落ちていたが、化け物になっていたせいか生命力は高かったようでまだ生きていた。



・・・・・でもね、地上に落ちた時点でもう終わりなんだよ。


「いけ野郎どもぉぉ!!」

「稼ぎ場所を奪ったこいつを!!」

「フルボッコにしてしまえぇぇぇぇ!!」

「「「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」」」」


 迷宮(ダンジョン)が死んだのはこの化け物のせいであると、すでに明らかにされている。


 迷宮(ダンジョン)は冒険者たちにとって鍛錬する場でもあり、様々な資源を得ることができた稼ぎ場でもある。


 だが、この化け物がそれを無くしたことにより、稼ぐ手段が減ったことに皆怒っていた。


 そして、その化け物が空を飛ばれている間、魔法が仕えない者たちはやきもきしていたのだが・・・・落ちた今なら、全力でぼっこぼこに出来る。



 

 落ちた化け物は、翼をもがれ、触手を引き抜かれ、切り刻まれ、ねじ切られていく。


 こうして、ルンべルドンを襲った化け物の末路は悲惨なことになったのであった・・・・・・・・


結局、この化け物は目立ったこともできず、せいぜい皆のサンドバックと化してその命を散らしたのであった。

やっぱシリアスとかダークとかは作者には難しい。


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