終焉を告げる断末魔
方向性が迷走している
「・・・・つまり、俺達に今すぐにでも迷宮に入ってもらって、あの化け物調査及び討伐できるならしてほしいという事ですか」
「んだ。そういう事でいいのだべさが・・・・・難しいかぁ?」
ルンべルドン第1ギルドの執務室にて、レイたちはここのギルドマスターであるバリドスゲーフからその説明を受けていた。
明朝、突如として迷宮都市ルンべルドンの防壁を突破し、都市内を荒らした後に迷宮へと潜り込んだ正体不明の不気味な怪物。
そのせいで現在迷宮は封鎖され、中にいた冒険者たちにも急いで安全昇降口からの帰還を呼び掛けているところであった。
あの怪物の目的や種族などは不明だが、明らかにやばいようなやつである事は確定しており、このまま迷宮に潜られていてもろくでもないことになるのは火を見るよりも明らかであろう。
「というか、なぜわざわざ迷宮に行ったのだろうか?」
「それは誰にもわかりませんよ」
「ろくでもないのは確定事項だけどね」
「ああいう輩に限って、絶対とんでもないことをやらか、」
サクラが言い切る前だった。
《グガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!》
「なんだ!?」
突如として、不気味な断末魔のような叫びが都市中に響き渡り、地面が一瞬だけ揺れた。
「こ、この音は・・・・もしや!?迷宮の断末魔か!?」
「迷宮の断末魔?」
バリドスゲーフさんが気がついたように叫び、そのことにレイたちは疑問を抱き尋ねた。
いわく、迷宮の断末魔とは・・・・・迷宮が死を迎えたことを知らせる最初にして最後の迷宮そのものの叫びだという。
そして、その迷宮の死後は、モンスターが発生しなくなり、緩やかに崩壊していくそうだが・・・・
「迷宮の死というのは確か・・・『迷宮核』が破壊されるときなのでは」
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『迷宮核』
迷宮の最重要構成部品とも言われており、迷宮内にモンスターを湧かせるための動力源ともされており、物凄い大量の魔力を蓄えているとされる不思議な鉱石の一種と言われている。
形は迷宮によって様々であり、迷宮の最深部に静かに鎮座している。
その迷宮核が破壊されると、迷宮は断末魔をあげて死に至る。
このことから、迷宮はモンスターの一種ではないかという説の裏付けにもされているのである。
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・・・・迷宮の断末魔が聞こえた。それはすなわち、この迷宮都市ルンべルドンの迷宮がたった今死を迎えたことを示す。
そして、その原因としてすぐさま思い当たるとすれば・・・・・・まだ半日も経過していないはずだが、先ほど迷宮に潜りこんだあの化け物が迷宮核を破壊したのだという可能性であろう。
「ここの迷宮は現在判明しているだけでも98階層以上なはず。それなのにたった半日で最深部まで辿り着いて迷宮核を破壊したというのか!?」
その事実に皆が驚愕する。
階層を進めるのにも時間がかかり、15階層の激臭階層などもあって一階層進むのに時間がかなりかかる。
それなのに、半日も経たぬうちにあの化け物は最下層まで進んだという事になるのだ。
「一直線に穴を掘っていたとしても時間がかかるだろ普通は!!」
「あの化け物が普通ではなかったという事になりますね」
「・・・そもそも化け物と言っている時点で普通じゃないと思う」
「「「『確かにその通り』」」」
カトレアのツッコミに、全員が納得した。
とはいえ、このままグダグダ話している暇もないようである。
なぜなら・・・・
「どう考えてもさっきからすごい揺れていませんかね?」
「ああ、揺れているな」
「これはやばいパターンッシャかな?」
・・・・先ほどの迷宮の断末魔から微弱に揺れていたようで、今ようやくはっきりしてきた地面の揺れがある。
「あれか?地面からドーン!!って出てくるのか?」
「その可能性が高いなのん」
「落ち着いて話している場合でありますか?」
いやな予感しかしないので、レイたち・・・ギルドにいた人たちも全員ルンべルドンの外へ向かって駆けだした。
都市全体が自身のように揺れ動き、少し離れて都市を見ることができる平野に皆が避難し終えた瞬間・・・
ズガァァァァァァン!!
案の定というか、都市の中心部から爆発があったかのように爆発音が響き渡り、そこから飛び散るドyさと共に、先ほどで見かけた化け物が、その気色悪いうねうねした黒い触手が増加し、さらに何やら翼まで生えた不気味な姿を日の下にさらし出したのであった・・・・・
何処かで修正入れたい・・・・方向性を正しく戻せるのはどこだろうか・・・・




