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魔物使いでチート野郎!!  作者: 志位斗 茂家波
面倒ごとはやってくる
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よく考えて行動すべし

やらかすやつは、何処にでもいるんですよ

・・・・国王に謁見した翌日、レイたちは首都ヴァルガスにあるギルドにて手続きを行い、指名依頼の達成をそこで受けることにした。


 指名依頼を受けたルンベルドンのギルドの方で達成報告をすることも可能だが、せっかくここまで来たのでこのあたりの依頼がどんなのがあるのか気になったので、訪れるついでとしてである。




「・・・なのになーんでこんな面倒ごとに巻き込まれるのかね」

「おいごらぁっつ!!そこのモンスターを買いとってやるからよこせと言ってんだよ!!」


 ギルドからレイたちが出てすぐに、何やらめんどそうな貴族の人が押しかけてきて、突如としてそんなことを言い張ったのであった。



 目の前にいる貴族はウノウ・フォン・デーリゲルロスという公爵家にあたる人らしい。でぶでぶではないが、たぷんとした贅肉がある、中年太りしたおっさんってところか?


 なんでも珍しい品々の収集を趣味として、中にはモンスターを目当てにしていることもあるらしいが、結構強引な手段を使用してきたり、法ギリギリのラインでやらかしてきたりなどというまっくろくろすけなうわさが絶えないような人物でもあるようだ。



 そんなウノウ伯爵がなぜわざわざ一介の冒険者であるレイに絡んできたのかは、その言動ですぐに十分すぎるほど理解できた。


「つまり、俺の使い魔たちを言い値でいいからよこせと言っているんですか」

「その通りだ!!そこまで話が分かっているなら金はあるからさっさとよこせ!!冒険者風情のお前がそんな上質なモンスターを手元に持つよりも、このわたしが直々に飼ってやったほうが幸せではないだろうかね?」


・・・・テンプレ的というか、バカというか、あほというか、呆れて何も言えんわ。



 周囲で見ている人たちもそのウノウ伯爵に対してその話し方にムカッと来ているようだし、しかも今「冒険者風情」って、いかにも見下しているかのように言ったよね?


 ここ何処かわかりますか?その冒険者たちがたくさん集まるギルドですよ。



 ふと後ろを向くと、ギルドの方から騒ぎを聞いて見に来た他の冒険者たちが青筋立てている人などがいたな。



「何ですかねこのおっさんは」

「暴虐無人の猪突猛進の大馬鹿」

「主君、こやつを切り捨ててはだめでありますかね?」

『大音量の声で、鼓膜破ってあげられないかなー?』

「ある意味珍しい馬鹿ッシャね」

「空高くまで持ち上げて、そこから地上へ急降下して落としたほうが良さそうなのん」


 ハクロたちもムカついているようで、物騒なことを口走り始めたよ。



「えーっとなんでしたっけ無能公害?」

「ウノウ公爵だ!!」

「まあ、そんな名前とかはどうでもいいとして、俺はハクロたちを売るつもりはありませんよ。もちろん引き渡すつもりもないですし、ここでどうかお引き取り願いたいですね」

「ああん!?何を言っているんだこの野郎は!!美しいモンスターは全て我が手中に収めるべき物!!お前の様な低俗なやつよりも、この高貴で美しいこのわたしが飼った方がそいつらにとっても幸せだろうぅ!!」


・・・・なんだろう、すごい茶番劇を行っているようにしか見えないよ。



「言っておきますがね、冒険者風情とかって馬鹿にした言い方をしていますけどあなたは冒険者がどういう存在か知っているのですか?」

「はぁ!?知るわけないだろ!!」


 あ、ダメだこいつ。無能すぎるにもほどがあり過ぎるというか、もう相手にも据えるような価値もないというか。


 ここで一発交戦してもいいけど、こんなやつに刃を向けても腐った相手だから嫌だな。



「よし、面倒だし逃げるか!」


 速攻で指示を出し、カトレアの木の根元を車輪状態にして簡易馬車モードへ変形。


 ハクロ、サクラ、ユリはカトレアの木の椅子から伸びた木のつるを腰へ括りつけ、アイラは水球内に入ったまま横へ設置。


 セラフィムが翼を広げて飛んだところで・・・



「逃走開始!!」


 合図と共に、すばやくレイたちはその場を加速して逃げた。


 あまりにも素早い動きに周囲は唖然とし、誰も追いかけてこなかった。





 首都ヴァルガスを囲う壁の門から退出手続きを取って素早く離れていく。



「全速力で、さっさと逃亡したほうがいいからね。このままルンべルドン・・・いや、一旦ベタリアンにまで向かおうか」

「むかつきましたけど、ここまで素早い行動についていけていないようですし、大丈夫でしょうけどね」

「というか、あのキモイおっさんはやらかした」

「大衆の面前で見事な中をやらかしたというか・・・・ある意味スゴイでありますな」

『全冒険者を敵に回すような発言、強制的な使い魔略奪未遂、権力を振りかざそうとしたバカの極みー』

「放っておいていいッシャね。何か行動を起こそうにも、多分無理ッシャ」

「手を下すまでないなのん」


 あのウノウ公爵にはもう確定して明るい未来はないだろう。


 公爵家だからと言って、無能をあのガウン国王が見逃すはずもないだろうし、堂々と大衆の面前でひっどい有様を見せているからな。


「というかあのおっさん、よく思い返したらハクロの方に特に目を付けていなかった?」

「嫌すぎですよそれ!!」


 そう言えば、ハクロって使い魔になる以前は狙われていた時があったとかいうけど・・・・あの無能ウノウ公爵も狙っていた人だったとか?


 無能だけのその所在もつかめずに、今秋の首都に入った時にその情報をようやく手に入れたとか・・・・考え過ぎかな?



 あの無能とは関わりたくないし、さっさと自宅に帰ろうと満場一致で、、全員であのウノウ公爵とやらを忘れることにしたのであった。







後日、とある公爵家の当主が国王に処罰されて強制隠居させられたらしい。

その当主は無能だったようだが、その子供は有能で前当主の負の遺産の整理をしたりなどしてなんとかとりつぶしは逃れたそうな。

その無能元当主だが、なぜか物凄い怒りの視線を向けられたり、ファンクラブとかいう者たちに襲撃されたりして、そのうち精神的に追い詰められていったとか・・・・・・・・

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