久し振りのベタリアン
お久しぶりのベタリアン。
ここから2日ほどで首都につくけど、一旦休憩をとるのです。
SIDEベタリアンギルド
・・・・・学園がある都市ベタリアン。
そこには冒険者たちが集うギルドや酒場もあるのだが、ここ最近は覇気がなく、皆ぐったりしていた。
「はぁぁぁ・・・・やる気でねぇ・・・」
「戦争参戦して金は儲かれども、人を相手にすると心境的に悪くなるからなぁ」
「依頼も特に良いのがないし」
「中々ランクも上がらないし」
「そして極め付けと言えば・・・・」
「「「「あの美女軍団を見ることができないからなぁ」」」」
はぁぁぁぁっと、物凄く重いため息をギルド内にいた冒険者たち全員が吐いた。
レイが従えていた使い魔であるハクロたちは、ファンクラブが多く出来るほどこの都市では人気があった。
アラクネの中で稀に出ると言われる、思わず目を引くような美貌を持つハクロ。
妖艶の魅力を持ち、ゆったりとした安心感を持たせるカトレア。
清廉潔白・騎士道精神を持ち、凛とした雰囲気を持ちながらも鎧の中身に豊潤の果実をもつサクラ。
その歌声は響きわたり、聴く人の心を持つ歌姫のアイラ。
当時レイが滞在していた時の彼女たちの姿を思い出すのだが、レイたちは現在ルンべルドンの方に拠点を移してしまって、見ることができないことを思うと、物凄く深いため息をつく男性冒険者たち。
美貌やらスタイルやらで比較されなくなったのでほっとした女性冒険者たち。
それぞれ思うところがあるとはいえ、ギルドにいる冒険者たちは今日も活気がなかった。
しかし、彼らにある一報が飛び込んできた。
「ふぉぉぉぉぉぉい!!お前らビッグニュースだぁぁぁぁぁぁ!!」
ギルドに、息を切らせて突然叫んだ冒険者が来た。
「おいおい、なんだそんなに慌てて?」
「まさかなんかやばいことが起きたのか?」
その焦った様子から、一瞬その場にいた冒険者たちはただ事ではないと思ったが、同も悪い方向の話ではないらしい。
「そ、それが、帰ってきているんだよ!!」
「なにがだ?」
「あの美女軍団が!!なんか2名増えているけど!!」
「「「「・・・・・・な、なんだってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」」」」
その言葉を理解し、その場にいた男性冒険者たちは叫んだ。
「おい嘘じゃねぇよな!?」
「ああ、間違いない!!これでも俺はハクロちゃんファンクラブ会員ナンバー243番であり、またアイラちゃんのファンクラブナンバー12番も兼任しているから、この目が彼女たちを見間違えるはずがないんだ!!」
その言葉に、他のファンクラブメンバーでもある者たちは立ち上がる。
「おおう!!やっとこの場所に桃源郷が舞い戻ってくるのか!!」
「この地獄のような鬱憤も、その癒されるような姿を見れば消えうせるだろう!!」
「浄化される・・・・この目が、この都市が綺麗に浄化されるぅぅぅう!!」
「はぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁ」
各々元気百倍・活力百倍・生気千倍となりつつも、その姿を目に収めるために、迷惑をかけぬよういつも以上に慎重になって見に行くのであった。
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SIDEレイ
「おー、久し振りにこの都市に戻って来たな」
学園を卒業してからすぐに出ていったベタリアンの様子を見て、例は思わずそうつぶやいた。
「あんまり変わってませんね」
「人の変化もすぐではない」
「数年ほどの単位だったら変化もわかりやすくなるでありますけどね」
『久々だよー』
ベタリアンに在住経験したハクロ、カトレア、サクラ、アイラ達にとっては懐かしいところである。
そして、初めて訪れたユリとセラフィムにとっては・・・・
「うーん、ルンべルドンに比べると警備とかもそこまで厳しくないッシャね。迷宮の存在の有無によってこうも違うッシャかね?」
「人の多さは同じような感じなのん」
ルンべルドンとの違いを探しているようで、目新しく感じているようだ。
とりあえず、指名依頼での報告のために王都へ向かうには、ここを経由して行く必要があるので今日は一旦宿にでも泊まって、向かわないとね。
休憩というか、こういう経由地点があると楽に思える。
「とは言っても、まずは風呂の方に入りに行くか」
宿の方にも風呂があるところはあるのだが、このベタリアンには大衆浴場があるようだ。要は銭湯である。
なので、宿の部屋を取った後で、銭湯に入りに行くことに決めたのであった。
・・・にしても、なーんか視線を感じるよな。この都市のハクロたちのファンクラブの人達か?
次回、久し振りのサービス回予定。
ギリギリセーフなところまで書けるかな・・・・




