表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔物使いでチート野郎!!  作者: 志位斗 茂家波
面倒ごとはやってくる
124/154

気がついても遅いだろう

愚王は嘆く

SIDE:ベスタリーニァ王国:王城内


「なんだとぉぉぅ!?」


 王城内、フゥーリッシュ国王はその部屋の状況を見て叫んでいた。


 ストラクト王国との戦争の切り札ともなり、この情勢をひっくり返る可能性のあった禁忌の研究をしてた部屋が・・・・縛られて転がされている研究員を除いてはきれいさっぱり何もかも無くなっていたのだ。



 フゥーリッシュ国王が部屋を離れてまだ数時間ほどであり、その間に何かがあったという事はわかる。


 だが、いったい誰の仕業なのかまでは不明であった。


 なぜなら研究員たちは、賊の事も、何を研究していたのかさえも忘れ切っていたのである。



 そのうえ、禁忌の研究用の材料としていた数々の品々も紛失しており、研究費用がさらにかさむことになるのは明白。


 そして・・・・


「大変です陛下!!」

「何事だ!!」


 慌ててフゥーリッシュ国王の元へ、取りまきでもある貴族の一人が慌てて駆けて来た。


 緊迫した顔であり、ただ事ではないのはすぐにわかる。



「お、王城内の、ほ、宝物庫が・・・・(から)になっています!!」

「・・・・・はぁぁぁぁぁぁっ!?」


 その言葉にフゥーリッシュ国王は驚き、城の宝物庫の方へ向かうと確かにすっからかんと何もかも無くなっていた。


 今後の戦争のための資金源でもあり、自身の豊かな生活の糧としていた財産が・・・・消え去ったのだ。



 

 資金がなければ戦争できぬ。重税を課してもすぐに金が届くわけではない。


「い、いったい誰がこんなことをしたんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」


 天に向かって神にその謎を明かしてほしいと請うように、フゥーリッシュ国王は叫ぶのであった・・・・・




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

SIDEレイ



「・・・お、なんか今頃気がついたみたいな叫び声が」

「すごいですね・・・結構な距離があるのに物凄く悲痛な叫び声でしたよ」

「堂々とやらかしたことを公表しているようなモノです」

「愚王ゆえに、バレたら混乱が起きることを分かっていないのでありますかな」

『すごい叫び声だねー。私の歌よりも広範囲に伝わりそうだよー』

「ま、どうでもいいッシャ」

「さらば!私を兵器に利用した国なのん!!生みの親様についていくので、せいぜいもがき苦しむなのん!!」


 ベスタリーニァ王国の王城から離れた平野で、レイたちはフゥーリッシュ国王のものと思わしき絶叫を聞き、それぞれの感想を述べていた。


 別に自分たちにとってどうという事もないし、辛辣な感想が多い。


 ついでに、新たに仲間に加わったセラフィムは、自分を戦争の道具として、兵器として利用されようとしたことが気に食わなかったようで、羽ばたきながら笑ってそう言葉に出していた。



「にしても・・・セラフィムのだけ表示が使い魔にならないんだよな・・・・」


 手の甲に浮かぶ文字を見て、そうレイはつぶやく。



 何度見ても「???」であり、使い魔というのか言わないのか不明である。


「モンスターじゃないからというのが原因ですかね?人工生命体ですし、どちらかと言えば獣人やドワーフと言った部類に近いのかと・・・」

「でも、魔物使いはモンスターを使い魔にできるけど、そう言った人たちはモンスターというわけでもないし、使い魔とその主という契約はできないはずだ」


 まだ不明なことが多いし、人工生命体であるセラフィムに関してはそのセラフィム自身もよくわかっていないことが多い様だ。


「でも創られるならば・・・・もう少しその、どこがとはいわないですが、大きくしてほしかったなのん・・・」

「あー・・・なんかごめん」


 自身の胸囲と、ハクロたちの胸囲を見てそうつぶやくセラフィムに、軽い罪悪感をレイは抱くのであった。


・・・・そりゃまぁ、気にするんだろうけどそこはどうにもならなかったからなぁ。







 暗くなってきたので一旦野宿をすることにして、今後の事を話し合う。


「翼で飛行可能・・・となれば、このメンバーではできなかった空からの強襲や偵察と言った役割をできるでありますな」


 サクラのその言葉に、全員うなずく。


 セラフィムは天使のような見た目をしており、その背には大きな白い翼が生えている。


 飾りでもなく、きちんと飛べるようだしこのメンバー唯一の弱点であった対空戦が対処しやすくなった。


「ハーピーとかにも似ているけど、それとは違って両手が器用に扱えるというのが大きな利点かな」


 あっちは手が翼、セラフィムは手と翼は別物なのでいろいろな工夫次第ではその可能性は大きく広がる。


・・・って、まさか飛ぶための軽量化でその部位が薄いってことはないよね?


 ふと、その疑問が頭に浮かんだが口に出すのをレイはとどめた。言っちゃダメな奴だろうからな・・・。





 とりあえず、あとは指名依頼に関しての報告をまとめることにした。


「指名依頼としても、国内情勢としては最悪、そのやろうとしていた禁忌の研究は・・・・人工生命体の創造及び兵器化というモノだったことを報告すればいいかな」

「その研究の成果もこうしてレイ様が得たというのも言った方が良いですかね」

「ついでに宝物庫のお宝も一緒に提出したほうがいいでありますな。『何か問題が起きたら、自己判断で存分に暴れても構わない』という項目もあったでありますし、暗殺者に狙われたという事で暴れるのを最小限にしてダメージを与えたという事になるでありますし」


 

 その宝物庫にあったお宝は全部収納済みだし、報告後は換金して良いかもね。

 

 その流通の流れで、ベスタリーニァ王国がそのお宝は自国のものだと気がつくかもしれないが・・・・そもそも警備とかも激アマだったし、使用を自身の為だけであって、国民のために使用していなかったことも一緒にまとめていってしまえばいいからね。



 なにはともあれ、ルンべルドンへの足取りは軽い。


 自宅へ早く帰って、ゆっくり休もうかね・・・・・


そろそろ人物まとめをおさらいとしてまたやろうかな

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ