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魔物使いでチート野郎!!  作者: 志位斗 茂家波
面倒ごとはやってくる
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速攻の逃亡に限る

指名依頼中なのは忘れていないよ。

・・・・人工生命体を作り出したのだが、見た目はどうやら少女の様な感じであり、背中から立派な翼が生えているそうだ。


 見えているそうだというのはねぇ・・・



「カトレア、目つぶしは本当にもうやるなよ?」

「すいませんマイロード・・・つい手が」


 現在、レイは目が見えていない状態であった。


 出来上がった人工生命体が人の姿であり、女の子のような姿でもあり、そして素っ裸だったので慌ててつい他の使い魔たちが慌てて隠そうとして、一番近くにいたカトレアがうっかり目つぶしを食らわせてきたんだよな。




 数分後、なんとか回復薬(ポーション)で回復して見えるようになったけど・・・・あと少しずれていたら眼球が本当につぶされるところだった。


 罰としてカトレア今日の番飯抜き決定をレイは心の中で誓う。




 それはともかく、目の前の容器には直立して目を閉じたままの翼が生えた少女が立っていた。


 素っ裸だったけど、容器のふたを開けてハクロが素早く衣服を着せたのでまだまともな状態である。



「というか、なぜ翼が生えた少女に?」

「魔力とかが関係するそうですが・・・・不明ですね」


 見た感じ、天使と言った方が良いのかもしれないな。清楚な雰囲気があって、翼も白いのでそれっぽく見える。


 あと、なんというか一部がハクロたちよりも小さい・・・・・なんか新鮮だなぁ。


 金髪で、スタイルはスレンダーと言った方が良いのだろうか。


 ある意味目に優しい体形である。




「・・・・・・・てぇぇぇぇぃやぁぁぁなのん!!」

「うおっ!?」


 と、見ていたらいきなりその翼の生えた少女が叫び、翼を思いっきり広げて入っていた容器を内側から爆発四散させた。


 突然動いたので、皆びっくりして目を見開いちゃったよ。


「・・・ふぅ、やっと動けたなのん」


 爆誕とでもいうような形で、その少女はそうつぶやいた。


 あたりには容器の破片と広げた際に飛んだのか翼がちらほらとまっていたのであった。










「なるほどなのん・・・・では、貴方がこの私の生みの親みたいなもので良いなのんね?」

「そう言うことになるかな。魔力の供給はほとんど俺だし、研究していたのはここの人達だけど、生み出したのは俺のようなものだからな」

「わかったなの!!」


 しばし説明をしてみると、案外賢いようですぐに状況把握ができたようである。


「つまりは貴方が私の生みの親であり、この国自体とは関係なく、むしろ兵器として扱われそうになっていた私を引き取る気でやったなのね。うんうん、良い人なのが分かるなのん・・・・・もう少し胸欲しかったなのけどね」


 あ、うん、そこはどうにもならなかったという事で。


 見た目が女の子であり、やっぱそこを気にするのか。


 というか、この場にいる女性陣の平均が大きいというだけなのだろうか。ちょうど中和できて・・・いないかな。


「というわけで、名前が欲しいなの!!貴方に従いますなのん!!」


 びしぃっと敬礼して、目の前の翼の生えた少女が頼み込んできた。


「えっと・・・この場合使い魔とかの契約に入るのかな?」


 魔物使いであり、名前を与えて関係が構築されるけど・・・・・人工生命体であるこの子とは関係できるのかな?そもそもモンスターのカテゴリにあたるのだろうか。


「やってみないとわかりませんよ。まあ、レイ様が生み出したものですし、責任をきちんととったほうが良いですよね」

「翼が両腕にならハーピーとかに入るけど、この子は背中から生えているだけだし、種族は不明」

「天使とかでいいんでありますかな?」

『それってモンスターに入るのー?』

「さぁ?不明ッシャね」


 とにもかくにも、名前を付けないと話しにくくもあるし、さっさとこの場から退散しておきたいからな・・・・。



「そうだな・・・・『セラフィム』って名前でいいかな?」


 天使っぽい見た目だし、この際思いついたのがこれだしね。


「了解なのん!セラフィム、ここで生みの親である貴方に仕えるなのん!!」


 


 と、いつものように名前を了承されたことで、手の甲にまたあの文字が・・・・・


「『???:セラフィム』・・・あれ?『使い魔』って表示がされない」


 いつもの通りであれば「使い魔6体目」とか表示されるのに、「???」としてなんか表示があやふやである。


「人工生命体・・・モンスターとは違う存在だからか?」


 ついでにセラフィムの方は、主が俺と書かれている物がハクロたち同様に手の甲に浮かんでいた。



 こっちの主側の表示がおかしいだけという事は・・・・セラフィムはモンスターとは違う存在で良いのかな?



 そのあたりが不明だとは言え、今はまず・・・


「さっさとここら辺のもの全部回収して撤収!!」


 

 とりあえず、表示の謎は置いておいてこの部屋中の書類やた材料やら何もかも空間収納で確保していく。


 研究員の方々?カトレアが何か怪しい薬を飲ませて記憶を消したとか言ってましたよ?




 部屋がその研究員たちを残して、すっからかんになったところでレイたちはさっさと逃亡した。


 今回の指名依頼の目的である調査も終えているわけだし、一発逆転の材料にしようとした禁忌の研究とやらの成果はセラフィムとなって、俺の手元についたわけだから無くなったというわけだ。



 さてと、これでこのベスタリーニァ王国はどうなるかな?


 個人的にはぼっこぼこにしておきたいが・・・・これで十分すぎるほどの損失は与えられただろうしね。



「ついでに宝物庫でのお宝確保などもしてますから、実質的には強盗のような行為ですよねコレ・・」

「まあ細かいことは気にしなくていいかな。あの愚王が無くなったあとに復興費用として寄付すればいいしね」



 新たな仲間、セラフィムの事もきちんと調べたいからね・・・・・使い魔表記されないのはなぜだろうか?






・・・・使い魔表記ではないし、まだよくその能力とかもわかっていないセラフィム。

ついでに、レイの仲間としては初めてのまな板(わずかに膨らみはあれども、ハクロたちとは天と地ほどの差があり過ぎる)要員です。中和できているかな・・・・?

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