防衛戦後の処理
いまいち今回はパッとしないな・・・・
・・・・ルンべルドン防衛戦の翌日、都市内に設立されている牢獄の中は満員であった。
何せ、昨夜の襲いかかってきたベスタリーニァ王国軍たちをほとんど捕虜にしたので、その置く場所に牢屋が使われたのである。
一応ベスタリーニァ王国軍なので捕虜としての身代金の取引の使用や、戦争は勝てば官軍という事もあって、もし応じられなければ戦争奴隷として売買されるのは決定事項であった。
あと、ストラクト王国の方へ魔道具によって問い合わせたところ、宣戦布告も一応来ていたので、完全にストラクト王国とベスタリーニァ王国は戦争状態であると発表された。
その影響もあり、戦争に参戦することが可能な国からの戦時特別依頼というモノがギルドに張り出された。
「金額は結構あるけど、参戦はしたくないな・・・」
「生活が脅かされそうなときにだけ戦えばいいですからね」
「こういう国同士の争いって、モンスターから見ると滑稽だと思う」
「あー、確かにそうでありますな」
・・・・ハクロたち、モンスター側から見ればこんな国同士の争いなんて興味がわかない上に、滑稽だとさえ思えるらしい。
そもそもモンスター自体が国を超えて存在するので、無差別的なところがあるというのも関係するらしい。
『海の中だとイカたこ戦争ってぐらいはあったけどねー』
え?マジでそんな戦争あったの?なにそれちょっと気になる。
アイラいわく、なんでもクラーケンとオクトパスキングとかいうまさにイカとたこのモンスターの中でのトップクラスの者同士の争いだったのだとか。
どちらも30メートルほどのどでかいサイズだったようで、大迫力だったそうだ。
『でも、私が潜れる限界以上の深度にまで沈んでいって、決着は見れなかったんだよー』
「結末が気になるな・・」
どうでもいいようにも思えるけど、大迫力だったら見たかったかもしれない。
話は戻しまして。
「こういう戦争事とかは関わると確実に面倒事しかないからな。うかつに出ていて巻き込まれるのも嫌だし、この際しばらく迷宮に挑み続けていこうか?」
地下の奥深くまで挑戦し続ければそう面倒ごとを頼みに来る人も少ないだろう。
戦争関係の指名依頼が来ようとも、断ればいいし、自分たちが危なくなったときに逃げるか戦えばいい。
「そうですよね。そんなめんどくさそうなことは国に丸投げしたほうがいいですよ」
「どうせ、じっとしてればいつかは終わる」
「主君の指示に従うのでありますよ」
『士気高揚の歌を歌ってあげられるけど、戦争についていくわけじゃないしねー』
「主の行く先に、向かうだけッシャね」
とりあえず、しばらくの間は迷宮に潜りっぱなしにすることへ予定を固めた。
奥深くへ隠れていれば、嵐のようにいつかは終わるだろうしね。
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SIDEガウン国王
「ふーむ・・・戦力差的にも負けはしないようだが・・」
報告を読み、ガウン国王は考える。
ルンべルドンでの顛末を聞いたのだが、冒険者たちが生け捕りにしてベスタリーニァ王国軍の者たちを捕縛したらしい。
だが、目立ってレイの行為が見受けられなかったのである。
過去にもあったことがあるし、息子であるザフォンの話からも相当な実力を持っているのは明白。
それでも、戦争に関して積極的ではないのは・・・やはり忌避感とかがあるのだろうと思えた。
まあ、指名依頼を出して直接願うわけでもないし、ルンべルドンにまあ攻められてきてもそこにいる冒険者たちだけで相当対処が可能なのはもうすでにわかっている。
けれども、ここでふと思うのはベスタリーニァ王国側がレイの存在に気がつく可能性である。
目立ちはしていないが、それでもその使い魔の働きはきちんと確認されている。
そのため、もしかしたらやばいことになると思われる万が一の可能性のようなものが、ガウン国王にとっては心配事であった・・・・・
・・・よし、ここはもう少し押してみるか。




