面倒ごとは他国から
本日2話目!!
SIDEレイ
「明日はもうちょっと準備してみて、36階層挑んでみるか?」
「うーん、少々お試し的な感じのほうが良さそうですよ」
日も暮れて、拠点の屋敷で夕食を取りながらレイたちは明日の予定を話し合っていた。
「防寒具もいいでありましょうが、主君の魔法で何か良さそうなものはないでありますかね?」
「これと言ったものがないからね・・・寒さはある程度防ごうと思うなら炎の魔法を利用すればいいだろうけど、猛吹雪で視界が悪いそうだからなぁ」
『迷宮内で吹雪って、どうやって吹くのだろうねー?』
「それは確かに不思議ですね」
食事しながらも、こうやって談笑できるのは楽しい事である。
そんな時であった。
ドォォォォォン!!
「!?」
「何ですか今の爆撃音は!?」
突如として外部の方からの大きな爆発音に、レイたちは警戒した。
外に出て見ると、都市内にいた他の人達も驚いていたようで、続々と人が出てくる。
「なんだ今の音は!?」
「誰かが爆裂魔法を失敗したとかか?」
「いや、違う!!」
どうやらルンベルドンの外壁・・・・そこで何かが起きたらしい。
「大変だ!ベスタリーニァ王国軍が攻めてきやがったぞぉぉぉ!!」
「「「「な、なんだってぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」」」」
まさかの他国からの攻撃であり、皆の声がそろった。
どうやらいきなりの進撃のようだが、いち早く都市の衛兵たちが気がついて入り口を封鎖し、親友されるのを防いだらしい。
そして、中に入って侵攻できないのをイラついたベスタリーニァ王国軍が城壁を破壊するためにいろいろやらかしているそうであった。
「つまり戦争を仕掛けてきやがったのか!!」
「久々に戦争を吹っ掛けてくるとはなんというやつらだ!!」
・・・・普通パニックになりそうなものだが、ここは迷宮都市であり、そこで生活しているせいか皆すぐに冷静になって、そして素早く反撃の用意をし始めた。
大勢の冒険者がいるが、大半がこのストラクト王国の者たちであり、ベスタリーニァ王国出身の人もいるだろうが、巻き添えにして来ようとする国に加勢する気もないだろう。
すぐさま都市中の冒険者たちは戦闘態勢へと入る。
「戦争か・・・あまり参加はしたくないな」
「でも、今回はいきなりの攻撃ですね」
「相手が殴りかかってきたのなら、それは自分たちも殴られる覚悟があるという事」
「宣戦布告もおそらくしているでありましょうが、いきなりここに来るとは運が悪いのやら阿保でありますかな」
『やってしまうかなー?』
「まあ、城壁の事を考えるとまだ簡単には攻めてこれ無さそうッシャ」
突然の襲撃だが、まだ慌てるような事態ではない。
戦争関係に関わるのは嫌だが・・・・さすがに住む場所は守りたいからね。
冒険者たちが突撃して来ようとする軍を相手にするために集まっているようなので、レイたちも今回は加わることにしたのであった・・・・・
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SIDEベスタリーニァ王国軍:駐留地点
「ふむっへぇい、まだ城壁が破れぬのかよん」
「はっ!!計算以上に城壁が固く、現在魔道部隊で魔法での破壊を試みていますが、威力不足であります!!」
都市ルンベルドン近くの丘の上に、急ごしらえで作られた軍用の駐留地点が作られており、そこには今回の侵攻のために手柄を立てて、なおかつ蹂躙しようと目論むベッカンニ将軍が部下からの報告を受けていた。
当初は、ルンベルドンへの侵攻に関してリスクがいろいろあったために本来は遠回りをして、ストラクト王国を攻める予定であった。
しかし、ルンベルドンを手中に出来れば迷宮の利権も手に入れることができ、なおかつもし相手側からの反撃を受けることになっても、要塞のようにできれば問題ない。
それだけ価値のある場所だったがゆえに、彼らはルンベルドンを襲撃したのである。
・・・利益に目がくらんだが故の、今回のルンベルドンへの攻撃。
だがしかし、彼らは情報に関して甘かった。
そこにいる冒険者たちは屈強ぞろいであり、とんでもない強者ぞろいである。
貴族からの出身の者や、ここ最近戦闘にまじめに取り組んでいなかった数こそ正義と考えるようなものなど、たかがそこにいるのは冒険者風情がと見下しており、その強さを全く知ろうともしておらず・・・・・自ら、破滅への道を歩んでいたことに気がつくのは誰一人としていなかった・・・・
・・・何でこんな無能たちが前線に出ちゃったのかは、後の話の方で詳しくやります。
というか、情報戦をしっかりしないと確実にダメだろ・・・。
悪魔!サディスト!なんですと!!みたいな状況にもしてみたい。




