完了ですって!!
短め
サキュバスは星になったのだ・・・・・
「待った・・・そこは、こうしていいだべか?」
「もう何回目ですかね・・・・・・あ、ハクロたち戻って来たな」
ダンジョン21階層の安全昇降口付近でバリドスゲーフさんと持ってきた将棋をしながら待っていると、サキュバスを討伐しに行っていたハクロたちの姿が見えた。
「ハクロ、カトレア、サクラ、アイラ、ユリ・・・みんな揃っているね」
「はい!全員大丈夫ですよ!!」
「サキュバス程度楽勝」
「恐らくでありますが、今後一切この迷宮には出ないと思うでありますよ」
『根絶完了任務完了ー』
「あ、これ討伐証明の魔石ッシャよ」
と、ユリが渡してきたのはモンスターの体内にある魔石である。
討伐の証にもなるし、きちんと依頼が達成できた証拠になるからいいけど、よく無事にサキュバスを討伐できたなと思う。
まあ、皆の実力は知っているし、任せて間違いではなかっただろう。
・・・・でも、待っているときになんか恐怖の気配がしたのは何だったんだろうか。気のせいかこの迷宮そのものも恐怖におびえたような気がしたな。
「特に何問題なかったよね?」
「別にありませんでしたね」
「割とあっさり倒せた」
「言葉をしゃべったので、某たちと同様クラス・・・・だと思っていたでありますが、同情の余地なしの立派な悪人でもあったでありますよ」
『知能=性格とは限らないといういい例になったよー』
「完膚なきまで、魂の隅々までギッタギタにしたッシャ」
ちょっとサキュバスに対して悪感情を向けているようだけど・・・・価値観が完全に合わなかったのだろうか。
とにもかくにも、指名依頼はこれで完了である。
「ふむ、確かにサキュバスの魔石のようだべ。これで指名依頼を冒険者レイとその使い魔たちが達成したことを、このルンベルドンギルドのギルドマスター、バリドスゲーフの名の下、正式に認めるべ!!」
魔石を渡し、バリドスゲーフさんに達成を認めてもらった。
これで初の指名依頼は達成という事になる。
「依頼達成報酬は後日振り込むが、今後もよろしく頼むぞぅ!!」
「わかりました!!」
依頼を達成し、安全昇降口で帰還した後、一旦ギルドにて手続きを行っておく。
サキュバスに関しての情報は後日ギルドにて開示され、その存在が迷宮で湧いたことに対しても警告をしておくのだとか。
「でも・・・この迷宮でサキュバスが湧くって聞いたことがないな・・・」
ふと、依然調べたルンベルドンの情報との不一致に、レイは気がつく。
でもまあ、特に気にすることなく過ごすのであった。
・・ちなみに、なんか知らんけど帰宅後に皆がいつも以上にくっついてきたのは気のせいか?
・・・まあ、気がつくつかぬは時期次第。
レイの二つ名もそろそろ決定するかな。ついでに使い魔の方にも二つ名を付けようか。あったほうがなんか面白そうだしね。




