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魔物使いでチート野郎!!  作者: 志位斗 茂家波
ルンベルドン生活
106/154

指名依頼?

フラグとはどこかに立ち、回収されるものである。

「え?指名依頼ですか」

「はい、Aランク冒険者魔物使いであるレイさんに来ています」


 第2ギルドにて、適当な依頼を探していたレイたちは受付に呼ばれ、そこで指名依頼が来ていることを聞いた。



『指名依頼』とはその指名する冒険者宛に直接依頼する依頼であり、指名依頼が来るのはそこそこ名が知れてきたという証拠にもなるのだけれども、高確率で面倒なものが多いと聞く。


 決闘代理から迷宮(ダンジョン)での護衛、討伐の完全殲滅などと、いくつもあるのだ。



「依頼人は・・・・この迷宮都市(ダンジョンシティー)ルンベルドンのギルドマスターであるバリドスゲーフさんです」

「あの元Sランク『禍鬼氷(かきごおり)のバリドスゲーフ』さんですか!?」


 

 以前、ギルド内で買い取りの方でいざこざを起こしていた奴を粛正したのを見たことがある。


 けれども、面識そのものはないのだが・・・・・なぜ?


「ギルドマスターからの依頼ですか?」

「こういうのが来るのは、大抵何かあるかも」

「面倒ごとの予感しかしないでありますな」

『同意だねー』

「うーん、奴隷商にいたときに名前は聞いたことがあるッシャね」


 ハクロたちもわからないようで、情報は不明だ。



「その指名依頼内容というのは?」

「それがですね、なんでも詳しいことは迷宮(ダンジョン)の20階層にあるえっと・・・この地図のこの辺で話すと言っていました」


 まさかの迷宮(ダンジョン)内で聞けという事の様だ。


 そして、俺達が来るまでそこに待っているようだけど・・・・良いのかギルドマスターがそこに居続けて。



「というか、なんで迷宮(ダンジョン)?」

「何か聞かれたくない話とかがあるんじゃないでしょうか?」


 ギルドとて密室というわけでも、防音というわけでもない。


 『聞かれたくない話があるのなら迷宮(ダンジョン)で話し合え』と言う言葉がこの都市にあるぐらいだし、厄介な事なのは間違いないだろう。



「まあ、内容によるけど行ってみようか」

「こういう時に安全昇降口があるのが便利ですよね」


 一気に行ったことがある階層まで行けるわけだし、あれからいろいろとやって16階層を突破して23階層まで行っていたからね。


 ボスモンスターを突破しようかとも考えていた時期だし、ちょうどいいか。









 とにもかくにも、迷宮(ダンジョン)の20階層にある指定場所までレイたちは向かった。



 安全昇降口を利用して20階層まで降り、そこから地図を頼りに指定の場所まで向かう。


 念のために、警戒体制だけは全員取っておく。何か仕掛けてこないとも限らないし、周囲のモンスターの襲撃もあるからな。




「あそこが指定の場所だけど・・・・」

「めっちゃわかりやすいでありますな」

「・・・・寒いシャァァ」


 何か戦闘でもあったのか、その指定の場所付近まで行くと気温が一気に下がった。


 床の方には氷柱ができていたり、氷塊、削れた氷などと明らかに、『禍鬼氷(かきごおり)のバリドスゲーフ』の通った場所だと丸わかりである。


 聞いた話だと、バリドスゲーフさんはあの背中に背負っている魔道具(マジックアイテム)で敵を凍らせて砕いたり、床を凍らせて素早く滑って移動したりするような人らしい。


 その戦いぶりは鬼のようで、敵を凍らせ砕く様から、『禍鬼氷(かきごおり)』の二つ名がついたそうだけど・・・・・何かが間違っているような気がする。砕くって・・・・かき氷なら削るでは?




 指定の場所につくと、そこにはハンマーを地面に置き、瞑想しているかのように立っているバリドスゲーフさんがいた。


 以前ギルドで見かけたし、すぐにわかる。


 でも、そのハンマー周辺に凍って砕けたモンスターの死骸があるのがちょっと怖いな。



「・・・ほう、わしゃぁの想像以上に早く来たのぅ、Aランク冒険者魔物使いのレイと、その愉快な仲間たちよぉ」


 接近に気がついたのか、バリドスゲーフさんは目をゆっくりと見開いてこちらを見てそう言った。


 使い魔をまとめて愉快な仲間たちって・・・・ちょっと笑いそうになった。






「さてと、何でわしゃぁが面識のないお主たちをここに呼んだのかぁ、その予想はつくかいぃ?」


 互いに面として向かい合いながら、バリドスゲーフさんは尋ねる。


 ここで話すんじゃないのかよと突っ込みながらも、まあ予想としては・・・・


「聞かれては困るような話ですかね。場所をこの迷宮(ダンジョン)に指定したことも考えると、そうなるでしょうし、わざわざ階層を指定したという事は、ここ以降に何か問題ごとが起きたとか・・・」


 だいたいこの程度の予想はできるかな。


「そのとぅり。最近ここに居ついたとはいえ、その使い魔の状態や強さから言って、伊達ではないのぅ」


 にやりと、その言葉を待っていたかのように、わらうバリドスゲーフさん。


 どうも今の質問はこちらの品定めをしていたかのようだけど・・・・。


 うーん、油断できないこの緊迫感って結構苦しいな。



「さてと、なぜお主たちをわしゃぁが指名したのか、その理由も交えて指名依頼の内容を話すべ」


 コホンと咳払いをした後、バリドスゲーフさんは説明をし始めた・・・・・・

・・・果たして、何を語るのだろうか?

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