16階層にて
迷宮のもっと詳しい設定を出したほうがいいかな。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
・・・・迷宮16階層にて、可愛らしい悲鳴が上がった。
そして、その悲鳴の主は現在、いつもは見ないほど物凄く顔を隠して、褐色の肌がうっすら前進赤くなるほど赤面していた。
「普段は冷静沈着なカトレアが、ああも可愛らしい悲鳴を上げるとは思わなかったけど・・・・・」
「残念ですよ!!私がまだ起きていなかったので聞き逃しました!!」
「いや、それとどめになりそうでありますよ。その悲鳴ってハクロの方があげそうなものでありますし」
『人には意外な一面があるというけど、モンスターにもあるのはちょっと予想外だったですねー』
「シャァ・・・・」
16階層をレイたちは歩いていたが、いつもとは少し様子は異なっていた。
15階層を突破する際に気絶し、ユリに16階層へ輸送してもらい、気絶から目が覚めるまで守ってもらってすぐに気絶から続々と目が覚めたのはよかった。
ただ、レイ、アイラ、サクラの順で起きた後、カトレアが目覚めた際に悲鳴を上げたのである。
理由としては、目の前に行き成りでっかい蛇が現れたことで、つい驚いてしまったのだ。
仲間だとは理解していても、不意打ちに巨大な白蛇の顔があれば驚くのは無理もない。
ただ、そこで意外にもかなりかわいらしい悲鳴を上げたので、現在カトレアは全身からさらに湯気を吹き出しつつ、羞恥心で悶えているようであった。
意外な一面性が見れたのはいいが、今日はこれ以上階層を進めようにも無理な気がする。
というか、カトレアがよっぽど恥ずかしかったのか涙目で不憫に思えてきたんだよね・・・・さっさとかえって慰めよう。
そのため、16階層までは来たので皆で地上に戻るために、この階層にある安全昇降口の小部屋まで移動しているのであった。
その驚かれた肝心のユリは、少し落ち込んでいるようである。まあ、目の前にまともにだからなぁ・・・
なお、ハクロはそのすぐ後に起床した際にコケてたんこぶができたのはまたいい思い出。
そんなこんなで小部屋近くまで来た時であった。
「お、宝箱?」
「珍しい・・・・ものですかね?」
偶然というか、ぽつりと3つ並んだ宝箱がその場に怪しく設置されていた。
迷宮にはたまにこういう宝箱が出る時があるそうで、中からは珍しい魔道具や製法が失われた薬品などが入っているそうで、買い取りとかで高く売れたり、自分で使用したりできる。
・・・でも、こういうのってトラップが仕込まれていることもあり、最悪の場合人の命を奪うやつがあるそうな。
ちなみに、「人食い箱」もしくは「ミミック」とかいうモンスターという場合もある。違いは木製か鉄製かの微妙なところらしいが・・・・開けた瞬間丸かじりというのは同じだとか。
「こういうやつにあるトラップで定番は矢を発射とか落とし穴かな」
「過去に体が解ける薬品が噴き出したというのもあるそうですよ」
「何そのグロテスクなトラップ!?」
そんなグロイ事にはなりたくねぇ!!衣服が解けるタイプとかもあるようだけど、それはそれでやばそうな気が!!
そのため、離れた位置から開封を試みる。
ハクロの糸を飛ばし、引っぱって開けるのだ。
できれば某緑の勇者のような・・・ごまだれだっけ?ああいう感じで開けてみたいけど、ここはゲームではない。
とりあえずまずはひとつ目を。
「ぱかっとな」
ぐいっと糸を引っ張り、まず一個目の箱を開けてみた。
・・・特にトラップの作動気配なし。セーフ。
中に入っていた物を手繰り寄せて見ると・・・・・宝箱の中にさらに宝箱が。
開けて見ると、中にはぎっしりと色とりどりの薬品が詰められた瓶が多くあった。
「薬品入れのようですね・・・・この薬品もさまざまな効能があるでしょうが、買い取り時に確かめてもらった方が良いですね」
「あたりと言えばあたりかな。中の薬品よりもこっちの小さな宝箱の方が売れそうだけどね」
次に2箱目。
チュドォォォォォン!!
「・・・あー、開けた足場が爆発するトラップか」
地雷のような物だろう。殺傷というよりも確実に足をもぐような感じであるので、製作者がいるかは知らないけど本来の地雷の扱い方の悪意が見える。
箱その物は無事なので、中身を手繰り寄せて見ると・・・・小さな袋が。
「巾着袋?」
「爆発だけに、どうやら魔道具の『爆弾袋』とかいうやつのようでありますな」
小さな小型爆弾を投げつけることができて、ほぼ無限に取り出すことができる魔道具のようである。欠点としてはものすごく威力が低く、ある程度の量がないとあまり威力がないそうだが・・・・・。
まあ、これで最後の箱が残ったわけだ。
「オープンボックス!!」
「わざわざ言わなくてもいいような・・・」
・・・最後の箱、トラップがやはり仕掛けられていた。
でも、コレ精神的に攻めるやつのようで・・・・開けた瞬間に、空中にもうお見せできないというか、R18以上の人でも閲覧アウトな物凄くグロイ画像が投影された。
「「「「ぎゃぁぁぁぁぁっ!!」」」」
いくらなんでも、このグロさは日常というか、モンスターがいるこの世界でもそうそうお目にかかれるようなものではない。
というか、そうそうお目にかかってたまるか!!っていう位のやばさだ。何をどうしたらここまで極めることができるのだろうか・・・・。
「精神的にすごかった・・・・」
「私の糸とかで切断もできますけど、トラウマになるレベルですよ・・・」
「幻術関係の魔法かも・・・・でも、嫌すぎる」
「あれは冒険者に対する戒めの物でありますかな・・・。調子乗るとああいうことになる可能性が・・・」
『ああはなりたくない。そして夢に出そうで怖い』
「シャゲェ、シャァ、シャ」
トラウマになる精神画像攻撃・・・・迷宮のトラップあなどりがたし。
全員腰を抜かし・・・・いや、腰?ユリの場合腰あるのかな・・・・地面と持ち上げる部分の設置面あたりか?ハクロは上半身と蜘蛛の部分の両方。カトレアは木の椅子に座っている状態で問題なし。サクラは馬の部分の腰辺り?アイラは水球内でブクブク沈んでいるけど別にこちらも問題なし。
数分経って回復し、とりあえず中身を拝見。
「肉?」
なんかよくクリスマスとかの七面鳥の丸焼きのような肉が宝箱の中にあった。
出来立てのように湯気が出ており、香ばしそうな香りだ。
「毒とかないよね?」
「それは無さそうですが・・・なぜ出来立て状態なのでしょう?」
まあギルドで調べてもらった方がいいかな。
とにもかくにも、最期の方でグロ恐怖体験はしたが無事に地上に帰還できたのであった。
今回結構いい収入が入るかな?
薬品は・・・・まあお楽しみという事で




