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魔物使いでチート野郎!!  作者: 志位斗 茂家波
ルンベルドン生活
100/154

突撃気絶の15階層!!

突撃絶というふうに書こうと思ったけど、わかりにくいかなと。

15階層の激臭は、ここで書いてみるとすればシュールストレミング(世界一臭い缶詰)を超越しているほどかなと想像しないでください。考えたらちょっとうっときた。

・・・翌日、ユリを使い魔にした後レイたちは15階層の手前の14階層に訪れていた。


 迷宮(ダンジョン)の「安全昇降口」は「その人が到達した階層までなら自由に行き来できる」小部屋で、きちんと制限がかかっている。



 ハクロ、カトレア、サクラ、アイラ達ならここまで一緒だったけど、新たに加入したユリも来れるのかが疑問であった。


 使い魔ゆえに、人という定義には入らないだろうし、そんな制限に引っかからないのかもしれない。


 けれども、引っかかるばあい1階からまた14階層まで行く羽目になる可能性もあったんだよな・・・・・。



 まあ、他の魔物使いの冒険者とも情報をもらいまして、そんなのは杞憂だったと知りましたけど。


 こういう迷宮都市(ダンジョンシティー)には冒険者がよく訪れるので、それなりの交流しておいたら損はないかと思っていたけど、結構良い情報を手に入れやすかった。


 というか、ハクロたちファンクラブが増加しているせいなのだろうけど。



 ただ、ユリの加入は予想外だったようで、あんなでっかい蛇が使い魔になるのは意外すぎて、受付の人まで物凄く驚いていたな(でも、なんか安心したような感じもしていたが)。



 とにもかくにも、15階層手前だというのに、素手にうっすら激臭が漂ってきている。



「ここで気絶し、ユリに運んでもらうけど・・・・・臭い大丈夫だよね?」

「シャァッツ!!」


 大丈夫だとアピールするかのように、うなずくユリ。


 でかい白蛇だけど、慣れれば結構可愛い者よ。でかいから屋根にとぐろ巻いて寝ているけどな。




 ・・・・15階層は超激臭のする別名「死の階層」。


 単純な別名だけに、それだけその恐ろしさが伝わってくる。


 突破する方法はあるとはいえ、階層内でもしその臭いをかいでしまったら・・・・・それこそ死であろう。


 そのため、ここを突破するためにわざわざユリを使い魔にしたのもあるのだ。


 パールスネークは臭いよりも熱で周囲の判断をするらしく、そのため嗅覚がかなり鈍感で臭いが分からないという。


 なので、この階層を突破して進むにはユリが欠かせない。



「カトレアの木の椅子を拡張し、リアカーのようにした上に皆が乗って、そのあとは俺の魔法によって皆気絶し、ユリに運んでもらうという単純な作戦だ。皆用意は良いな?」

「万が一、気絶から目が覚めてその階層が15階層の途中でしたら死は確定ですよね」

「ところででありますが、その方法で一つ思ったことがあるのでありますよ」


 と、サクラが何やら思いついたらしい。


「どうしたんだ?」

「いや、ユリは一階層からではなく、使い魔は主君の所持品のように思われるためか安全昇降口でついてくることができたでありますよね」

「そうだけど・・・」

「だとしたら、主君とユリだけで一旦ここを突破し、そこから戻ってきて某たちと合流すればある程度の運ぶ負担は減らせたのではないでありますかなと・・・・・」

「「「「・・・・・・」」」」



・・・・今さらかよ。確かにユリと一緒なだけで、突破した後に地上へ戻って皆と一緒にまた来るという手段も使えたな。


 そして、ユリの負担も軽く出来るし、安全昇降口を利用するには順番待ちがあるとはいえ、その方法が得策だったかもしれない。


 まあ、過ぎたことは仕方がないし、今さら引き返せないのでちょっとサクラをチョップして予定通り進めることにした。


 もっと早く思いついてほしかった・・・・








「おおぅ・・・結構いたかったでありますよ・・・」

「流石に、レイ様の本気チョップは痛そうでしたね・・・・」

「でも、自業自得」

『もっと早めに言ってくれればよかったのにー』


 たんこぶを抑えるサクラに、皆結構辛らつな言葉を投げかける。


 まあ、それはそれとしてまずは気絶しないとね。


「気絶する魔法・・・・まあ、簡単にいえば軽い電気ショックを浴びる魔法を使用するかな」

「それって一度で気絶できますかね?」

「うーん、みんなの魔法耐性が高いといまいちになるかも・・・・」


 アイラは効果は抜群になりそうだけど、他の皆ってあまり効果無さそうな気もする。


 俺は皆との関係を持ったせいで耐性あがって居そうだし、サクラは・・・大丈夫かな?カトレアはプリンセスドリアードだけど、燃え上がりそうなことに関しての耐性は向上しているし、ハクロはもろに魔法全般に対して耐性が高い。



 なのでここは確実性を高めるために・・・・・電気をよく通すもので、効果を高めましょう。



「というわけで、全員びしょ濡れにしたけど後で乾かすぞ」

「水魔法で強引ですよね」

「一応、木が電撃で燃えないように湿ったし、ハクロの糸で念のためにコーティングしている」

「主君との決闘が蘇りそうでありますな・・・・」

『電気怖い、本当に怖い』


 水魔法で皆濡れて、電気の通りを良くしたけど・・・・やっべ、透けている。


 服が濡れて張り付いて、ちょっとこれ下手に見せられませんって感じになっている。


 うん、今ここに改装を突破しようとしている冒険者が居なくてよかったかもな。ちょっとこの光景は扇情的すぎるというか、鼻血が・・・・




 こらえて、とりあえず気絶するために効果も高まった魔法でレイたちは気絶したのであった。


 そして、ユリは皆をえっちらおっちらと15階層を超えて16階層へ向かうために運び始めるのであった・・・・・。






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

SIDEユリ


・・・コレ、結構楽だったかも。


 そうユリは思った。


 気絶している皆を、カトレアのリアカーみたいになった木の椅子に乗った状態でけん引しているが、想った以上に楽に運べているのである。


 車輪があるのでスムーズに進むし、引きずるよりもはるかに楽である。


 15階層はものすごい激臭の階層であり、内部はその臭いを表すかのように空気が怖ろしく濁っていた。


 だが、そんなものはユリには通用しない。



 臭いは別にきかないし、濁っている空気だろうと意にも返さないのである。


 舌を出して熱を感知し、過去に通った人たちの残っている熱を頼りに先に進め、迷わずに次の階層までの道を進めた。


・・・ふと、気絶している自身の主の姿を見て、ユリは思う。


 今はこのような大きな白蛇の姿なのだが、もし他の先輩方のように人に近い見た目があればもっと喜んでくれるのではなかろうかと。


 なんとなくある乙女心のようなモノだが、いつかは人のような姿になり、より主からの寵愛を受けたいなと思うユリであった・・・・・・。




 ちなみに、15階層を突破しようとしている人は他にいたようだけど、執念か根性が尽きたのか倒れている人たちも実はいた。


 倒れている人たちの中には、潰されそうになる人もいたがユリはきちんと避けている。


 だが、そこで無事であったとしても、その階層にいる限り臭い地獄からは逃れられない・・・・・・



 いっその事楽にしてくれと思うような人もいたかもしれないが、それはユリにとっては全く関係ない事である。


 


 


運ぶ方法として「丸のみ」という手段を考えてもいたけど、呼吸困難になりそうなのでちょっとやめました。

アナ○ンダの映画を見た後だと、なおさら丸のみを書く気力がなくなる。

なので、気絶して便利なカトレアで運ぶことにしました。

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