5-7:ナイガラ攻防編7
自分の不得意とする分野に飛び込んでしまった気分です。
すっごく話が進まないですね・・・
あと少し、あと少しで脱出出来るはずです。
とりあえず次で色々な事が謎になったり謎が解けたり?
誰かに揺さぶられる感覚で、あたしは目を覚ましました。
そして、目を開けると目の前にはコヒナさんの顔があります。でも、その表情は何と言うかすっごい複雑な顔をされてます。
えっと、引き攣った笑い顔っていうのが一番近いのでしょうか?
「あ、コヒナさん、おはようございます」
「あはは、キュアリーさん、おはよう。ところで、何があったか覚えてるかな?」
「あ、はい。ユーナさん達とお酒を飲んでて、飲みすぎで寝ちゃった気がします」
あたしの返事を聞くとコヒナさんは、ちょっと困ったような顔をしました。
「う~~ん、ちょっと違うかな?とりあえず周りを見てみようね」
そう言われて、周りを見回すと、机の上には空の酒瓶が乱立して、床には何人もの男の人が倒れています。
そして、その人達をさっきから騎士団の人達がせっせと運び出しています。
「えっと、何があったんでしょう?」
「さぁ?ただ、ユーナさんのこの奇抜な衣装を考えると、普通じゃない事があったんじゃないですかねぇ。周りに倒れている人の数も数ですし」
そう言われてユーナさんを見ると、そこには典型的なRPGのシーフの衣装と言ったほうが良いのでしょうか?端的に言うと競泳水着に手足に布を巻きつけたような格好をしたユーナさんが、机に突っ伏していました。
そして、その横にはヒラヒラの魔女っ子?衣装を着けたエリーティアさんが同様に突っ伏しています。
二人に何が合ったのでしょう?コスプレをして楽しむような趣味があったのかな?
妙齢な女性がこういった衣装を着ると、ちょっと痛いイメージがあるんですけど、予想外に似合ってますね。やっぱり元がキャラクターだし、そもそも美人さんですしね。二人とも大幅イメージチェンジですね!
男性の視線釘付け?
あたしがそんな事を思っていると、居酒屋にアルルさん達がやってきました。
そして、あたし達を見つけると、こっちへとやって来ます。
「何かあったのか?急に呼び出されて驚いたのだが」
「ちょっと困ったというか、面白いこと?」
コヒナさんはそう言うと、ユーナさん達の方を指差します。そして、あたしを見てウインクしてくれました。
アルルさんが、机に突っ伏しているユーナさんを見つけると、しばらく無言でその姿を眺めた後、おもむろにトレードマークのマントを脱いでユーナさんへと掛けてあげました。そして、その横で突っ伏しているエリーティアさん、そしてあたしを順番に見ると溜息をつきます。
う、この状況では溜息も吐きたくなりますよね。
「さて、コヒナ。状況説明を御願いできるかな?」
「う~ん、簡単に言うと酔っ払った女三人が酔った挙句のコスプレショー?ついでに観客交えて乱闘騒ぎ?」
アルルさんは目頭を押さえています。
はい、酔っていて意識が無かったとはいえ、騒ぎを起こしたのはあたし達ですから。
何かと忙しいアルルさんをこんな事で呼びつけてしまって、あたしは、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
ユーナさんもこれを知ったら落ち込むだろうなぁ。
あたしが、そんな思いでいると
「コヒナ、なぜもっと早く呼ばんのだ」
「いや、ほらわたしは不参加だったし、騒ぎを聞いて駆けつけたのですから」
「言い訳は聞かん!」
あぅ、あまりの不甲斐なさに相当怒ってますよ。
せっかくエルフと人族が一緒にいるのに、騒ぎを起こすなんて問題外ですよね。10人近い人が倒れていましたし。そんな思いでいると、アルルさんが更にコヒナさんを叱りました。でも、その内容って・・・
「なぜこんな楽しい集まりにもっと早く呼ばん!」
「はぁ?」
あたしは思わず声に出していました。
「見ろコヒナ!麗しき乙女達が、まさに至上中の至上たる高貴なる衣装に身を包んで華麗に踊ったのだぞ!その場にわたしがいなくてどうするというのだ!」
「いや、女のわたしにそれを言われても・・・・」
コヒナさんは絶句しています。ついでに、あたしも絶句しています。
まぁ、アルルさんがこういう性格なのは判ってたんですけどね。
「とりあえず二人を起こしましょうか」
あたしは、その言葉に疑問を覚えました。なんですぐ起こさなかったんでしょう?
コヒナさんにそのまま聞いてみると、ニヤリと笑います。
「だって、アルルさんいた時に起こしたほうが面白そうじゃん」
うわぁ、コヒナさんってこんな性格だったんだ。
あたしが、唖然として見ていると、更には、
「別に、飲み会の場所教えてくれなかった恨みってわけじゃないよ?」
そう言って今度はニッコリ笑います。
でも、ぜったいこれは恨みに思ってますよ~~~!
あたしは、視線を逸らしてユーナさんとエリーティアさんへと視線を向けます。
すると、治癒士の女性が二人に浄化の魔法を掛けていました。
あ、酔っ払ったのって浄化の魔法で治るんだ。しらなかったなぁ
魔法を掛けられた二人が、揺り起こされています。
「うん~~もうちょっと寝かせて・・・」
「うん?」
ユーナさんは寝ぼけているみたいですね。でもエリーティアさんはあっという間に目を覚ましました。そして、開口一番あたしに問い掛けます。
「キュアリーさん、なんでそんなに奇抜な格好をしてるの?」
「は?」
あたしは、それは貴方じゃないの?って思いながらも自分の姿を見下ろします。
「フギャ~~~」
なぜかあたしはゴスロリ天使の羽付き仕様の衣装を着ていました。
「な、な、なんで~~」
どうりで先ほどから周りの視線が二人だけじゃなくあたしにも注がれるわけです。
「う~~ん、エリーティア?自分を見てみようね」
あたしが一人ワタワタしている間に、コヒナさんがエリーティアさんに現実を突きつけます。
「ん?・・・・・あら、かわいいわね、こういうのも悪くないわ。可愛いでしょ?」
そう言ってチョコンと首を傾げる様子は、まさに魔女っこさんです!可愛すぎます!
でも、む、無敵ですよエリーティアさん、まったく動揺していませんよ。
そんな事を思っていたら、突然、あたし以上の叫び声が聞こえました。
「キャ~~~~!!!何よ、これって!」
あ、ユーナさんの意識がはっきりしたみたいです。
「う、うそ!こんな格好嫌~~~~」
なんかパニックになっています。そして、突然静かになりました。
あたしは、耳を塞いだ手をそのままにユーナさんを見ると、アルルさんを見たまま固まってしまってました。
「あ、アルルさんに気がついてなかったんですね」
妙に冷静にコヒナさんがコメントします。
そして、ユーナさんの顔が、青くなって、次に真っ赤になって、そして、目に涙が溢れ出し始めました。
「あ、あ、あ~~~~ん、なんで、なんで、うわ~~~ん」
マントで体をしっかりと包んで、そのまま座り込んで泣き出しちゃいました。
あたしは、あまりの騒ぎに自分の格好も忘れてユーナさんの傍らに駆け寄って慰めました。
「ユーナさん、大丈夫だよ?カッコいいしすっごいセクシーだよ!アルルさんだってそう思ってるよ!」
そう言いながら、あたしは急いでアルルさんに視線でフォローをお願いしました。
アルルさんも、吃驚した顔をしながら、
「う、うむ。ユーナは何を着ても美しいな」
そう言ってユーナさんの頭を優しく撫でます。ちなみに、ユーナさんがしゃがんでいなかったら頭に手は届かないですね。
「ほ、ほんと?綺麗?」
「うむ、スラリとした姿に、その格好は実に生えるな!」
その言葉を聞いたとたん。ユーナさんは泣き顔からいっきに無表情になりました。
そして、アルルさんをグーで殴りました。
「どうせあたしは胸がないですよ~~!」
あ、アルルさん綺麗に吹っ飛んだ!
あたしは、その光景に何か感動的な思いがしました。
うん、別にあたしも胸を気にしてて殴りたいって思ったわけじゃないですよ?
リアルがちょっと忙しいのもあるのですが、中々お話の進展に苦労をしてます。
着地点は決まってるんですけど・・・
※日本では飲酒は20歳以上です。未成年の方は興味があっても飲んでは駄目です。ご注意ください。
少しでも早く書けるように頑張ります。




