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ガルディシア帝国の興亡  作者: 酒精四十度
【第一章 ガルディシアと日本の接触編】
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1_27.魔導士消滅の理由

稚内 温泉ホテル 2025年4月16日 午前7時


朝から二階堂はガルディシアの軍人達を、朝食の食事処に案内した。彼らは昨晩の大騒ぎの結果、余り元気は無く大人しく朝食を食べていた。彼らが全員案内された事を確認した後に、昨晩の盗聴部屋に入った。部屋には食事が用意されており、既に内調の高田が食事中だった。二階堂も朝食をこの部屋で取る事にした。


「おはようございます、高田さん。」


「おはようございます、二階堂さん。よく眠れましたか?」


「あ、はい。眠れましたが、流石に浅かったですね。」


「でしょうねぇ。あ、そうそう。本部から連絡入ってますよ。昨晩に行われた魔導士の島への攻撃作戦の結果が。いや、流石に異世界ですね。びっくりです。」


「え、結果は?どうなったんですか?」


「目標は完全破壊、副次的な効果として死者蘇生。」


「…え? そ、蘇生??? どういう意味ですか?」


「ですよねぇ。僕も初めて聞いた時、似たような反応でしたよ。攻撃を受けた魔導士が死んだら、魔導士が原因で死んだ人達が生き返ったそうです。ドッチボールの世界なんですかね、ははは。」


「いや、ふざけないで下さいよ。」


「真面目に。生き返った事は事実なんですよねぇ。」


「どうなってんだ…。」


「ははは、いや全く。真面目に考えると胃に穴が空きますよ。ささ、食べましょう。流石稚内だ、タコが美味いですよ。朝の食事にバフンウニ付いてるとか贅沢ですよねぇ。」


「確かに、ここは魚介が美味しいですからね。あ、そうそう。私からも報告があるんですが。移動手段が天候が回復した件を受けて変更となりました。稚内-旭川、旭川-札幌、札幌-函館間をそれぞれ特別列車で移動、函館から新幹線で東京まで、との陸路の予定でしたが、変更です。稚内空港から直行のチャーター便で東京迄飛びます。」


「あ、それ僕も朝方に聞いていました。飛行機の方が楽ですものねぇ。天候回復して良かったですね。」


「そ、そうですね。」


一体、この高田という人物は何時寝ているんだろう。ともあれ今後のスケジュールについて高田と摺合せる二階堂だった。


--

危機管理センター 午前8時


「佐渡分屯基地大和田司令より報告入りました。魔導士の島で確認された2名の生存者は佐渡島住人2名と確認。1名は前回の生存者である神野ミヨ。他の1名は神野ミヨのひ孫である斎藤アイナ、の計二名であることが判明した。

 双方ともに検査の結果、健康上、精神状態共に問題無し。彼女等2名は、魔導士に島まで拉致された模様。拉致を行った原因は、何等かの修復作業を行わせる為、との事。

 

 尚、今回の魔導士消滅の直接的要因は、神野ミヨによる魔導士への攻撃が有効だった模様。魔導士が守る結晶状の物体を破壊した結果、魔導士そのものが消滅した、との事。」


報告を受けた飯島総理は狼狽えた。…えっ?アレは魔導士の欺瞞工作じゃないのか??そもそも爆撃の結果、あの魔導士の塔が破壊されたんじゃないの?とすると、俺は思いっ切り民間人に対して攻撃開始だー、なんて力強く叫んだ、って事に?不味過ぎる…


「追加で報告。佐渡島で発生した住民の大量虐殺事件ですが、確認する限りにおいて、魔導士由来で死亡された方は全員生き返っています。ただ、渋滞中に魔導士と接触した人達については、稼働中の車がそのままバッテリーが上がるまで放置されていた為に身動き取れず、更に渋滞状況もあいまって確認作業が遅れています。」


「了解しました。ご苦労様でした。」


そして官房長官が近づいてきた。


「総理、そろそろ国民に現状を知らしめないと。」


「どこまで話すかね。話す内容としては…まず、緊急事態宣言の発動。起きた事象として、ここが地球では無い事。それに伴い不足するであろう原料・資材の統制。食料の政府買い上げと配給制の告知、って所かな、まずは。いずれ法律を整えて強制力を伴う形にせんとな。」


「法整備に関しては、あまり国民に刺激にならない様にしませんと。強制力という言葉に条件反射的に拒否反応を示す団体もおります故、なるべくは穏便な形で表現致しましょう。」


「実際の所、何をするにも"お願い"になってしまうからな。今の世の中"お願い"しても、"それはお願いだろ?"で拒否した挙句、自ら生き辛い世の中にしている勝手な連中のなんと多い事か。」


「はは、まぁ今回ばかりは、直接生き死にに関わる案件ですからな。異世界とやらの情報を、我々は情報を全く掴んでいない。僅かに、大魔導士という存在とガルディシア帝国という国家の存在が分かっただけなのです。この星にはどういう生き物が居て、どういう国家があり、どういう法則やルールが存在し、どういう資源があるのか、我々は一から構築しなくては成らぬ訳です。そう、この国難とも言える事態に国民は一丸となって当たらなければならない。嫌でも、です。それが故に強制力を伴う法律は、逆に国民を守る物でもある訳で。」


「そうだ。まずは前述の内容を元にした時限立法での草案を作れ。その草案は内閣法制局の方で揉んでくれ。早急に。」


「了解しました。国民への発表は?」


「官邸で9時から会見を行う。会見内容は、移転、配給制告知、佐渡島の件、稚内の件、でな。あと、質問は受け付けない。」


「承知しました。」


飯島総理は記者会見に備えてシャワーを浴びに行った。

昨晩から完徹状態だったのだ。

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