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グリムの精霊魔巧師  作者: 幾威空
FILE1_異世界転生編
11/62

Module_011

 セロの絶叫が鎮まり、再び静寂を取り戻した室内。彼の前には抜き放った剣を持つ大勢の兵士たちがいる。

 また、背後にはデコイズの手により異形の姿へと変貌したかつての友がいる。


 前後の敵に挟まれた今のセロは、正に絶体絶命の危機を迎えていると言えるだろう。このままではさして時間もかからずにセロは他の子どもたちと同じように物言わぬ骸と化す。


 前に進もうが後ろに進もうが、待っているのは同じ「死」という結末だ。兵士の剣に斬り殺されるか、化け物となったかつての友に喰い殺されるかの違いだけでしかない。


 しかし、そのような状況に晒されながらも、彼の表情からは恐怖の二字は無かった。


「そうか……俺を殺すか外道共。なら……こっちも遠慮はいらないな……」


 不意に口角を吊り上げたセロは、その力を解放する。


 「――身体強化(ブーステッド)


 唱えた言葉を合図に、彼の脳内にある演算領域がさながら点火されたエンジンよろしく猛烈なスピードで組み上げられた魔法術式を発動させた。同時にセロの身体を仄かな青白い光が覆う。


 そして――ゆらりと一歩を踏み出したセロの姿が、次の瞬間には兵士たちの前からその姿が一瞬で掻き消えた。


「――んなっ!? 奴は一体何処に……」


 突如として姿の消えたセロに、対峙していた兵士たちから戸惑いの声が上がる。標的を再び捕捉しようと声を掛け合いながら一刻も早く見つけ出そうと左右に首を振る兵士たち。しかしながら、戸惑いに満ちたその声もすぐに収まることとなる。


 何故なら――


「……オィ、どこを見ているんだ? 俺ならココだぞ?」


 問うた兵士の真後ろから、セロの声が聞こえてきたのだから。


「――っ!?」

 背後に回られた兵士は、驚きながらも咄嗟に手にした剣で薙ぎ払おうと試みる。だが、セロは素早くその右手で兵士の後頭部を力強く掴んだ。


「ぐああぁっ!?」


 後ろを取られたとは言え、相手はまだ年端もいかぬたかが子ども。しかも武器と呼べるものを持たない丸腰の少年である。剣で薙ぎ払えば、掴んだ手は離れるだろうとどこか高を括っていた兵士は、直後に我が身に襲いかかる痛みに叫び声を上げる。何故なら、彼の後頭部を片方の手のひらで抑えるセロの握力は、とても子どもの力とは思えないほどの力があったためだ。


 彼が発動した「身体強化」の魔法術式は、単に敏捷性を向上させるだけではない。その術式の名の通り、人間が持つ身体的な能力全般を増幅させる効果を持つ。それはたとえ握力であっても例外ではない。故に、体格で勝る大人を相手にしても、この術式があれば大抵の大人とは対等以上に渡り合える。


「あ゛ぁ? ほら、どうした? ただ叫んでねぇで、もっと何とか言ってみたらどうだよ。お前の頭を掴んでる相手は、さっきあれほど嘲笑ったヤツだぞ?」

「うっ……ぐうぅっ!? ぐあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ああああああああっ!? い、痛いっ! や、めろ……やめてくれぇぇぇえええええええええ! ああああああっ!」


 ギリギリと万力の如くゆっくりと加えられていく力に、頭を抑えられた兵士の口からは驚愕と苦悶の入り混じった呻き声が上がる。口から泡を出しつつ、必死になって掴まれた手を振りほどこうと試みるも、身を捩るほどに頭を締め付ける力が強くなっていった。セロはさらにその手に力を込めながら、苦しむ兵士に話かけた。


「ははっ……無様だな。最期の言葉が『やめてくれ』って何なんだよ。ついさっきまで『たかが子どもだから』と大層なことをほざいていただろうに。その『たかが』子どもに頭掴まれて悶えるってどうなんだよ? それに、随分と愉しげに俺の仲間たちを殺し回ってたじゃないか。せっかくここまでキレさせてくれたんだ……俺も混ぜて(・・・)くれよ」

 セロはポツリとそう呟くと、そのまま掴んでいた手で相手の頭を握り潰した。


「――えっ?」


 一思いに勢いよく握り潰したことにより、セロは頭から真っ赤な血を浴びる。仄かに冷笑を浮かばせながら、雪のように白い髪に飛び散る大量の血液。彼の足元には握り潰した兵士の頭の残骸が転がり、血溜まりの中で悠然と兵士たちを眺めるセロの姿は、見ている者へさらなる恐怖を与える。


 わずか十歳前後の外見の子どもが、その手のひらよりも大きな大人の頭を握り潰す。まともな感性の持ち主ならば、耳にした途端「冗談だろう」と一笑に付すだろう。しかし、この時兵士たちが目にした光景は、疑いようのない事実であり現実である。


 そんな非常識な現実を目の当たりにした周囲の兵士たちからは、頭を失って崩れ落ちた仲間の死からやや遅れてどこか呆けた声が発せられる。


「ふぅ……いちいち握り潰すのも面倒だな。何かいい手は……おっ、あったあった。コレを使うか」

 周囲の驚愕に満ちた目を全く意に介さず、セロは倒れた兵士が握り締めていた剣をサッと奪う。


「――さて、と。これでどうにか戦う体裁は整った、ってトコかな? あぁそうだ……散々弄んでくれたんだ。テメェらは全員俺の『敵』だ。楽に死ねると思うなよ?」


 セロは奪った剣を担ぐようにして構えると、ゾッとするほどの冷たい笑みを見せながら大勢の兵士たちを前に言い放つ。


「「「うああああああぁぁぁ!!」」」


 そして再びその姿を掻き消したセロに、兵士たちの間から絶叫があちらこちらで上がった。

「怯むな! 相手はたかが子ども一人だぞ! 数で押し切れば造作もない!」

 足並みの乱れる兵士たちを見た、隊長格らしき人物の怒号が室内に響き渡る。だが、そんな発破はもはや焼け石に水であった。


「そう言うなら、やってみろ、よ!」


 身体強化の術式により、大幅に身体能力を向上させたセロはまさに鬼神の如き活躍を見せる。


 手にした剣、その一薙ぎで数名の兵士の頭がまるで大道芸のように宙を舞い、大勢の相手から繰り出される攻撃をまるで舞踏のように紙一重で回避する。同年代の子どもなら、襲い来る無数の刃を前に恐怖で動くことすらできないであろう。しかし、セロは一歩も退かず、むしろ襲いくる刃を、一瞬の判断ミスが死に直結するこの異常な状況を楽しんでいるかの如く、舞うように回避する。その様に、兵士たちは驚き、そして恐怖する。


 この時、室内にはおよそ三十名の兵士が集まっていた。一対三十という圧倒的な差、しかも武装した兵士を前に、通常ならば逃走の一手しか選択しないだろう。しかも、三十名の兵士は、皆が皆ある程度の鍛錬を重ねた者たちである。そんな相手にまだ未成熟な子どもであるセロが挑むのは、愚の骨頂だと笑われても、何ら不思議はない。


 しかし、蓋を開けてみれば、圧倒的不利なはずのセロが、戦況を優位に進めている。室内という狭いスペースで戦いを強いられる中、彼は身体強化の術式により底上げされた力でもって並み居る兵士たちを圧倒していく。地を蹴り、壁を蹴り、縦横無尽に駆けるセロは、壁を利用して宙に跳び上がり、背中を地面に向けて一回転すると、そのまま落下しつつ敵の首を刎ねた。


「ハハッ! ……アハハハハッ!」


 神速の域で駆け回り、次々とその首を刎ねていくセロは、飛び散る鮮血を目にしながら自分でも分からず高らかに笑っていた。

 さながら死の宣告だと暗に知らしめるかのように。


 そして長くはない時が過ぎ去った時、ひしめき合うように室内に詰め掛けていた兵士たちは――その全てが真っ赤な血の海に沈んでいた。

 床のほとんどが真っ赤に染まり、そこかしこに兵士たちの死体が折り重なるように倒れている。


 ある者は首を境にスッパリと分かたれ、

 またある者はその身体を縦に切り裂かれて。


「こんなもんか。って……あー、この剣はもうダメだな」

 床に兵士たちの血で染め上げられた真っ赤な絨毯の上に立つセロは、ふと手にしていた剣を見やると、軽く頭を掻きながらぼやいた。


 確かに彼の言う通り、それまで握り締めていた剣は何人もの兵士たちを相手にしたことで、その刃が欠け、刀身には小さなヒビが入っていた。また斬ったことによりこびり付いた血糊でその切れ味は今やなまくら以下にまで落ちている。

 セロは返り血のかかった顔を着ていた服で拭うと「使い物にならない」と判断した剣をあっさりと手放す。そして、今度はその目をかつての友であった化け物へと向ける。


「あぁ悪い……待たせたな、ロッソ」


 セロは言葉をかけながらデコイズの姿を探したものの、あいにくかの老人を見つけ出すことは叶わなかった。


(チィッ……やっぱりあの野郎は俺が戦っている隙を見て逃げ出したか……)


 心の中に盛大に舌打ちをしつつも、彼は化け物の正面に立ち、その真っ赤な両眼で真っ直ぐに相手の目を見つめる。


(まぁいい。次に会った時に必ずブチのめしてやる。取り敢えず、今は目の前の問題を片付けるのが優先だな)


 軽く息を吐いたセロは、怒りで昂っていた自分を落ち着かせて目の前の化け物に語りかけた。

「もうここには俺たちの『敵』は存在しない。だが、お前はもうこんな姿になっちまった以上、俺にはお前を元に戻すことはできない」

「う、うぅ……ぅあっ、うぅ……」

 セロの言葉に対し、変わり果てた姿になったロッソはもはや言葉すら発することがままならず、ただ呻き声にも似た言葉を紡ぐことしかできなかった。


「けど……姿形は変わっても、その心までは変わっていない。そうだろ? でなきゃ……この場に俺は立っているはずないからな」

「う…ぅあー、ぐぁ……」


 身体のあちこちが焼け爛れ、もはや辛うじて人としての形を保っていたに過ぎないロッソ。彼の足元にはドス黒い液体が広がり、腐臭が辺りを包む。


 また、黒い液体に触れた部分は空気の抜ける音にも似た小さな音が聞こえてくる。それはロッソの身体から漏れた黒い液体が周囲のものを溶かす音に他ならない。

 現にその液体に触れた兵士の死体が骨すら残さず瞬く間に消えたのだから。


 ――触れたもの全てを溶かす化け物。その化け物と同じ部屋に居ながら、なおもセロがこうして生きている。それこそが彼が「心まで変わってはいない」と断言する理由だ。


 ロッソからの返事を耳にしたセロは、静かに頷き話を続ける。

「分かっているかと思うが、そんなナリじゃあもう二度とこれまでのような生き方はできない。だから――俺はお前に別の生き方を提案したい」

 一度言葉を切ったセロは、確信に満ちた声音でかつての友に向けて新たな道を指し示す。


「お前の『魂』――俺に預けてくれ。そして、俺の力となって助けて欲しい」


 鎧を纏った大勢の兵士が血の海に沈む中、小さな子どもが化け物を前に頭を垂れる。

 そうしたおよそ正常とは思えない光景が広がる中、セロの目の前に立つかつての友はわずかに首を縦に振った。


◆◇◆


「――それじゃ、始めるぞ」

 同意の返答を得たセロは、早速行動に移る。化け物となったロッソに言葉をかけた彼は、深呼吸をして目を閉じ、自らの意識を内に向けた。


(これは賭けだ。化け物となった友達を救う? こんなこと……正気の沙汰じゃない。けど――)


 ――この世界でできた初めての友達なんだ。


(あぁ、そうさ……これはきっと俺のエゴだ。俺は知っていたんだ……この場所で行われていたことを。だけど、俺はそれを言えなかった。言ってしまえば自らの身が危うくなると分かっていたから。そのせいでロッソがこんな目に会った。それを「救う」なんて……俺が言えたセリフじゃない。でも――)


 ――せめて懺悔ぐらいはさせてくれよ。


 セロは一縷の望みと過去への後悔を綯い交ぜにしつつ、意識を自らの心の奥底へと集約させていく。

 そして、彼の意識はやがて一つの扉へと辿り着いた。その扉の先には、あの不可思議な声が聞こえた時に垣間見たものがある。


(今なら……なんとなく分かる。あれは、言うなれば――)


 ――「真理の格納庫(レコード・バンク)


 それはセロに襲い掛かった膨大な情報の濁流そのものであった。その濁流に、あの時は脳の負荷が耐え切れず、垣間見ることができたのはほんの小さな断片のみであった。

 しかし、その小さな断片からセロは唐突にそれが何なのかを理解する。


 ――真理。それこそがかつてこの世界にいた魔法使いたちが追い求め、そして手にすることができなかったものである。


 それが一体何故、セロに垣間見ることができたのか。その理由は自分でもよく分からない。けれども、目の前の扉の向こうには、化け物と成り果てた友を救うことが出来る手段がきっとある……とセロは直感的に理解できた。


(この扉の先に――ロッソを救う術が必ずある。だが……果たして俺の身が持つのか……?)


 自分の求めるものがすぐ側に、手の届くところにある。しかし、あの時ほんの一瞬の出来事だったとはいえ、自身に流れ込んでくる膨大な量の情報に、セロの頭は悲鳴を上げた。それでさえ垣間見ることのできたものは小さな断片でしかない。

 今度はどのぐらいの時間がかかるか読めないため、自分の身がその間耐えられるのか皆目見当もつかない。


(ここまで来たら、今さら後には引けない……行くしか、ない!)

 覚悟を決めたセロは、眼前に立つ扉を開け放ち、その奥へと進んでいく。


「――っ!? ぐっ……ぐああああああああああああああっ!?」


 直後、脳が焼き切れると思うほどの痛みと膨大な情報の濁流がセロを再び襲った。


◆◇◆


 …

 ……

 ………


 あれから一体どのぐらいの時間が経っただろうか。


 一秒? 一分? それとも一時間だろうか?


 客観的な経過時間はセロ自身分からない。

 けれども、それこそ一生に等しいのではないかとも思えるほどの長い時間が彼の中では過ぎ去っていた。


 悲鳴のように身体を駆け抜けていた頭痛にも慣れてしまったのか、もはやセロは自身を苛む痛みを痛みとして認識すらできない状態だ。


 まるで温かいお湯に自分が溶け込んでしまうような、自己を自己として認識する力が希薄化していく。

 真理という大海に飛び込んだセロの意識は、その圧倒的な力に今まさに呑み込まれようとする。


 その直前――彼の前に小さな光が灯った。

 その光に手を伸ばし、セロが掴み取った瞬間――彼の意識は現実へと復帰を果たす。


「――――――――――――――っ!」


 現実へと意識を舞い戻らせたセロは、その真っ赤な両眼を大きく見開くと、自身の演算領域に怒涛の勢いでコードを書き込んでいく。


 ――変数定義……完了。

 ――初期値設定……完了。

 ――構文及び関数設定……完了。

 ――処理工程の記述………………完了。

 ――エラー処理、及び記述構文チェック……完了。


 駆け抜けるように領域内に記述を終えたセロは、その両手を地に付けて呟く。


「術式名――『魂魄(スメルティング・)製錬(ソウル)』、処理開始」


 セロが唱えると同時に、異形となったロッソの足元を中心に、半径一メトルほどの円陣が形成される。そして、形成された円陣には複雑かつ精緻な幾何学模様が刻まれており、その線一本一本が青白い光を帯びた。

 やがて――円陣の光は次第にその光量を増し、やがて青白い光の柱となってロッソを閉じ込めた。


「……ゴメンな」


 まるで天へと続く階段とも思えるその光の柱へ向け、セロはかつての友へ最期の言葉を贈った。


 時間が経つにつれ、セロの目の前に現れた光の柱は徐々に細くなり――やがて術式の全工程を終えると、彼の眼前には一枚の銀のカードが浮かんでいた。


「これって……タロットカードか? Strengthってことは……『力』のカード、ってことか」


 その銀のカードの上部には、「Ⅷ」の数字が刻まれ、中央には巨大な翼を広げ、見る者を圧倒する竜の絵柄が描かれている。カードの下部に記されたその名は、先ほどセロが口にした通り、「(Strength)」を意味する。


 彼の手にした銀色のカードは、強固な意志、不撓不屈、勇気、などの意味を持つものである。


◆◇◆


「……うまくいってホント良かったぁ~。まぁ、その結果がまさかタロットカードになるとは思いもよらなかったケド」

 力のカードを握り締めたセロは、大きな安堵の息を吐きながら、ドカッとその場に腰を降ろす。


 ――術式名:魂魄製錬。この魔法は対象者の肉体から魂を引き剥がし、昇華させた上で、術者の力あるいは糧とする効果を持つ。また、死者に対しても施すことが可能だが、術式そのものが「魂魄」そのものを対象とするため、対象者の死後1時間以内に術式を発動さなければないらいという制約が存在する。


 なお、この「魂魄製錬」の術式は人間に限らず、討伐した魔物に対しても施すことができる。しかしながら、その場合にはある程度ランクの高い魔物でなければ術式そのものが失敗する。

 

 このような制約はあるにせよ、対象の魂へと働きかけるこの魔法は、真理の格納庫へとアクセスが可能となったセロにのみ行使できる魔法だ。


「うわっ……よくよく見ると凄いなコレ。カードの裏にビッシリとコードが書き込まれているぞ……」


 セロは手にしたカードをしげしげと観察しつつ、ポロリと言葉を漏らした。


 魂魄製錬によって生み出されるものは、術者の指定による。今回、セロは「カード」という形でロッソに新たな道を示した。


 なお、セロは知る由も無かったが、過去にこの術式を行った者は、相手の魂を昇華させ己の力として取り込んだ。魂を己の糧として取り込む場合、自らの力――例えば筋力や敏捷性が全体的に底上げされる。しかしながら、セロのように製錬した魂を別の形として顕現させた場合には、自らの力が向上することは無い。


 ただ、術式によって生成されたもの(今回のケースではカードとなる)には、対象者の心情や性格、特性などが反映された「固有魔法」ないしは「固有技能」とでも呼ぶべき術式が備わり、術者はそれを行使することが可能となる。


 いわば、術式の生成物をどのように扱うかにより、汎用的に自らの力を向上させるか、もしくはある特定の魔法や技能に特化させるかを選択できる。

 無論、この術式を使用した際には対象者の肉体は「消滅」する。


 今回、セロは真理の格納庫にアクセスしてために使用することが可能となったが、この術式が露見すれば、まず間違いなく「禁術」の指定を免れることは出来ないだろう。


 しかし、この時のセロは自分がどれほど非常識なことをやり遂げたのか、それを知る術は無かった。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] い、いや、手帳(呪符)魔法すら知られてない世界で何を……。 ……逆に言えば園長は本当に真理の手前まで来てたのかな? ロッソ柱立てたら園長に天使?が取り憑いてた(多分死ぬ)かも知れなか…
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