398話
ファイヤーランスを当てたことにより立っていた砂埃が収まる。何箇所かヒビが入っている。それを壊すことに集中するか。もってくれよ騎士よ。魔法使いコンビがマザーの顔を狙うことで攻撃を逸らそうとしている。
数個ずれることがあっても、連射されるのは変わりない。避ける余裕が生まれたのか。ボクシングのようにスウェイなどを入れることができるようになっている。底上げされた身体能力でそこに発勁を殴りにこめて入れる。
まずは、地面に叩きつけるように外に流す。マザーの体が地面とぶつかる。圧力に耐えられなかったようだ。細い足だ耐えれるはずもない。そして、ヒビが入りそこから液体が出てくる。今度は内部破壊の方の発勁だ。
少し動くが、余裕で落とされず耐えることができる。いくつかの甲羅を剥がれながら液体を噴出する。甲羅が捲れ上がる。その中にいたのは・・・。
蜘蛛の卵だ。体内に入れておくことで予備弾薬として使用するほか、背中に登られ攻撃された時のクッション代わりに使われていた。液体も出ていたから殺すことができていたと思ったのに・・・。
卵が出たな・・・。爆発するのであれば、火魔法を当てても爆発するよね。せめて燃え上がってくれ、そんな思いをこめて、シールドに移りファイヤーランスを叩き込む。
正解だ。燃え出した。おそらく普通の卵とは違う改造された卵だったのだろう。産んだ時に通常の卵であれば、兵士に。爆弾属性があれば弾にする作戦だったのだろう。これで、爆弾は消えた。さらに内部が爆発されたり、燃えたりしたせいでその内部が現れた。
その内部にも外骨格はあったようだが、その面影があるだけで今はない。見えるのはその内臓だ。ウィンドランスを回転させながら抉らせる。液体や皮を飛び散らせながらその内部まで進んでその魔法が消える。
外骨格が強くても内臓までは強くないよね?発勁をした時に魔法は止まっている。騎士も動き出せるだろう。そう思っていたのだが、気が狂ったのか?自身の左腕の鎧を外し、右腕で引きちぎった。
それを外に投げ捨てる。ボト・・・。音をたて地面に落ちた。だが、その音を置き去りにするように猛スピードで騎士が攻撃に出る。自傷での覚醒か。かっこいいね。
顔面を殴りまくる。その振動が内部にいる俺にまで伝わっているぐらいだ。魔法を設置することができた。あと3秒で爆発させる。3、2、1。蜘蛛の内部を外に撒き散らしながらそれは地面に倒れる。一度は行ってみたかった。
「汚ねえ花火だ。」
騎士は無事のようだ。だが、その右手で心臓を自ら貫き自殺した。あっ、うん。回復できたんだけどな・・・。腕がかけた状態で生きるぐらいなら、死んで生き返って完全状態でいたいですか・・・。
よし、2日間は休憩だな。ドロップは、女王蜘蛛の手袋だ。効果は糸を飛ばし、引っ付くと言う効果だ。スパイダーマンにでもなれとでも言うのか・・・。しかも魔力消費で出てくるから、実質無限ときた。
そのドロップにロマンを感じながら、外に出ているとインタビューをされていた。
「あなたが、22階を突破したのですか?」
そんな質問をあっちこっちに行っている。そしてあたりを引いたようだ。本当のことを言っているのか、嘘のことを言っているのかはわからない。ただ意外だったのは、ビキニ戦隊ではなかったことだ。
ビキニ戦隊の姿は見えない。前までは入る前からビキニだった。だが、そんなビキニを見ることができない。さらにその人の会話は続く。
「どんなモンスターがいましたか?」
そんな質問だ。どうせ、そんなモンスターがいたのだからドロップがどんなものがあるのかわかるよね?と言いたげな目だ。
「マザースパイダーと大きい蜘蛛1体ですね。」
その言葉を聞き、ついついそっちを向いてしまった。俺が戦ったのは、合計4体だ。まさかのイレギュラー。最悪だ。普通に逃げればよかった・・・。まだ話は続くそうだ。
「ですがドロップが魔石だけだったのであまり美味しいとは言えませんね。」
ざまー。楽をするからだよ。バカたれー。こうなってしまうのも仕方がないだろ。
誤字脱字があれば報告していただけると幸いです。
ファイヤーランスの時はひびしか入っていないから燃えていないよー。




