390話
大学生活に戻るまでにこの階だけは突破しておきたい。理由?そんなものはない。そこにダンジョンがあるからだ。カブトムシとクワガタは1週間にわたり行われた。だが、それでもヘラクレスが出ないので諦め次に進もう。そう判断したのだ。
さてやってきたダンジョン22階。真っ暗な洞窟だ。横には松明を置くところはある。だが、そこにかかっているはずの木の棒は無くなっており、代わりに蜘蛛の巣が張られている。ライトボールで照らし、先に飛ばしてみる。
だが、数分まっすぐ飛び俺から見ていて小さくなった時に壊されてしまった。あの辺りまでは安全なのかもしれない。生体反応はあるが微弱だ。いちいち反応していると戦闘に集中ができないぐらいだ。
ファイヤーボールで蜘蛛の巣を燃やすと、それが導火線のように火が移っていく。水も落ちてこないような場所だ。だが、その糸は湿っており、火をなるべく受け付けないようにしている。魔力を使ってもいいか・・・。
ファイヤーボールを4つだし、4隅を伝うようにまっすぐ飛ばす。通り過ぎたところの巣と蜘蛛が燃え出す。明かりができた。それぐらいしか蜘蛛が見つからなかった。そして分かれ道にたどり着く。
指を舐めて、空気の行き方を確認する?風も通っていないところだ。それなら右だな。左の方がトラップがあったりモンスターハウスがあるケースが多いらしい。その分美味しいが今だと右が正解だろう。
再び、ファイヤーボールを4つ飛ばす。消えた?そこに向かうと、1匹の1周り大きい蜘蛛がいた。だが、女王蜘蛛ではなさそうだ。卵を産んでいるのではなく、卵から孵ったばかりの子蜘蛛の世話をしているように見えた。
火魔法を賢者まで上げた俺には無理などない。ファイヤーランスで体を貫くのみだ。まずは、中央を起点にファイヤーストームを発動させる。これでHPの低い子蜘蛛は殲滅完了だ。
だが、あの大きかった蜘蛛は高くなった天井にいることで魔法を回避している。さらにある程度成長した蜘蛛が上から降ってきた。こっちが外れか・・・。
小さい方の蜘蛛は壁や天井に蜘蛛の巣を貼りなおしている。騎士が背中から取り出したものを天井に向かって投げつける。俺たちは目を瞑った。その光が収まるとぼたぼたと空から蜘蛛が落ちてくる。
放ったのは閃光弾だ。結構な値段をしたが、敵の多さと動きやすさを考慮してオークションで落とした。値段は約5万円だった。それをまとめてファイヤーストームで殺した。これが何体もいるのか・・・。作戦の練り直しがいるかもな・・・。
ドロップは魔石と蜘蛛の糸だ。蜘蛛の糸は粘着性の強いものだけで、捕縛用かな?そんな気がする。投げる時には魔力を込めることで粘着性を自身だけ防ぐと言う効果もついているようだ。投げるための工夫もされている。
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