388話
全身に蜂蜜を塗っている人はいなかったのが残念だな・・・。金色のカブトムシを探して欲しかったのだけど。いないのなら仕方がないな・・・。でかいし怖いもんな。そこまでして絞め殺そうと考える馬鹿はいなかったようだ。
カブトムシ対クワガタの蜜を狙って戦うのもなかった。あればど迫力で見ものだっただろうに・・・。商売として売れそうだな。虫相撲を見せ物で。
背中の外骨格が思った以上に硬かった。魔法の防御も少しはあり、弱いボール系統は弾かれてしまう。投げナイフ(短剣)も切り傷はつくが内部まで切ることや刺さることはなかった。上位の存在には効かないけど、このあたりの階なら通用する頑丈さだ。
カブトムシも普通のが大きくなっただけではない。中にはツノがドリルになっているカブトムシ?もいた。ドリルを回転させながら突っ込んでくるその様は、まさに機械に改造をされたようだ。
大きさはまだ小さかったがロマンを感じる。このドリルを操って敵に攻撃させ貫通させる見てみたい光景だ。そのために虫をテイムすることになるのか・・・。遠慮だな。
1mのカブトムシを見つけた。しかも見た目が赤でかっこいい。だが、凶暴だった。俺を見つけた瞬間、火をまとった突撃をしてきた。纏っているのはツノの部分だ。それ以外は纏っておらず、赤色の外骨格が目立っている。
この辺りのボス的な存在なのかな?近くに他の昆虫はいない。透明な翅を高速で動かし、飛んでくる。その時にも足が見えてしまい。気持ち悪いな・・・。その気持ち悪さにやられ動くことができない。
騎士がその上に飛び乗り、翅を引きちぎった。そして、そのツノをへし折る。翅を失ったことで空を飛ぶことができず、落下を始め、ひっくり返って地面に落ちた。そこにファイヤーランスが飛んでき、腹を貫き焼きはじめる。
氷をその中に入れ、ファイヤーウォールを発動させ、周りを囲む。そして完成したのが、カブトムシの蒸し焼きだ。誰がうまいこと作れと言った。
普通に殺してくれてよかったのに・・・。それよりも虫を食うわけがないのに。殺してくれたことには感謝だな。ドロップは、カブトムシの育成キットだ。しかもモンスター扱いなのでテイムも可能だ。あのデカいカブトムシを手に入れることができる。そんなロマンよりも手入れと時間のかかり具合。
そしてその大きさが仇となる。家で買うにしても親は虫が嫌いだ。そして、賃貸で買うにしても大きすぎる。ゴミだな・・・。召喚獣としてならまだよかった。だが、召喚獣でもないでかい虫は邪魔だな。
外で買ったとしても邪魔とかモンスターとかだと思われて殺虫剤で殺される未来が見える。俺には君を幸せにすることができないよ・・・。(恋人風)と言うことで売却だ。我の金に代わるがいい。(魔王風)
この変わり身の速さ。誰もが驚くに違いない。
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