379話
17階のヴォーパルバニーは、騎士の前には無力だった。ステータスが上がったことにより、前はノックバックされていた蹴りでも耐える。そして、耳を掴み振り回し殺していた。
サハギンは前と同様に魔法ではめ殺しだ。ステータスで殴るのは簡単でいいのだが、トレーニングにならないからな・・・。戦闘をしたのはオークぐらいだ。
そしてやってきた。20階のオークナイトとの戦闘だ。待ち人もおらず、すんなりと入ることができた。相手のオークは、片手剣2体、槍、魔法2体だ。槍の相手は俺だ。片手剣の相手はチーフと騎士。魔法使いは白狼と魔術師で行う。
魔法の属性は、水と風だ。相性はどちらかと追えば悪いかな?今水の相手が火を主体として戦う魔術師で、風の相手は白狼だ。氷魔法を放っても、風の斬撃によって壊されている。相手を入れ替えることで相性の悪さは逆転する。だが、それができるのかというのが問題だ。
この階に出ているということはある程度頭がいいだろう。弱点をつかれるようなことをされたくないのは相手も同じだ。交代されないように動くのか、それとも交代しても大丈夫なように動くのかだ。おそらく交代させないように動いてくるのが基本だろうな。
槍との戦いに集中するか。突きの攻撃を半身で避け、攻撃に移る。腕が少し切られたがかすり傷だ。だが、それを察知してか横に槍を振り回してくるのでそれを伏せて避ける。そして、腰を低くした状態のまま突撃だ。上からの叩きつけもあるが、それは予想をしていれば避けることができる。
一番避けにくいのは突きだが、オークはそれに気が付いていないようだ。他の武器と戦っていない証拠だな。攻撃範囲内に入ったのでそのオークに向かって刀を振り下ろす。そして、発勁で壁まで吹き飛ばし、分身体を出す。
その全てがオークに向かって、ファイヤーランスを出す。これこそ本当の集団リンチだ。魔力が切れるまで打ち続け、魔力が切れた頃にはその分身体も消え出す。
完全勝利ー。少し切り傷が出来たが、それぐらいは許容範囲だ。高速再生の効果で、さっき再生されて終わった。魔術師と白狼のコンビは苦戦はしているが負けるということはない。今、負けそうなのは・・・。特にいないな。
チーフも善戦しており、スピードで攻めている。騎士のように全身甲冑ではなく、部分的に装備をしているという感じだ。そのため、コボルトの爪での攻撃も当たればダメージになる。その隙を作るためにオークを出して囮に使ったり、コボルトで撹乱をしたりしている。
チーフ自身も前に立てその持っている盾で攻撃を受け流したり、パリィをし剣を上に打ち上げたりしている。チーフ自身にもダメージはほぼなく、負ける可能性があるなら魔力切れかな?
騎士は、負ける予感はしないが、たまに危ない場面もあった。相手の片手剣は、ただの片手剣ではなく魔法剣士だった。その魔法をめんどくさがっているのだ。
攻め立てて、相手が息切れ状態になった。これでもっと攻めることができれば勝てる。そんな場面で離れて、息を整えるために魔法を放たれて、呼吸が落ち着く。そんな戦い方だ。イラつくのは仕方がないな。
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