375話

　背丈は変わっていないが筋肉が膨れ上がっている。防御力と再生能力が減っているのか？騎士の攻撃が皮膚を切り裂き、出血させるダメージを与えていた。その分力は上昇しており攻撃に対して、騎士が両手でやっと受け止めることができるレベルだ。

　その目は騎士だけを捉えており、俺らは眼中にないようだ。魔法も使ってこなくなった。完全にゴリラとなってしまった。騎士が両手での攻撃を腕に当てることで受け止め耐えている。その隙に分身体を進ませる。ショットガンを持たせ、特攻だ。

　右に立ち、腕を持っていく。騎士に当たったが大したダメージになっていないのでセーフだ。分身体と入れ替わるように間に立ち、左手からの攻撃を刀で受け止める。

　力が強すぎて受け流すことはできず、この体勢を維持するしかない。騎士が復活したようで、発勁で飛ばし距離をあける。騎士は攻撃にでずカウンターを仕掛けるようだ。それなら魔法を使うことができる。

「ファイヤーピラー」

　てから極太の魔法を放つ。威力は使える魔法の中で一番上だ。だが、ダメージはないようだ。それよりもこいつに魔法が効くのかを試していなかった。やってしまったな・・・。確実に効くであろう光魔法を使っていればよかった。

　いつでも避けることができるように分身体を外に出しておく。

「シールド」

　木を投げてきやがった。飛ばされたところにあった木だ。それを引っこ抜き投げてきたのだ。シールドを斜めに出すことでそれを外にずらす。このせいで分身体が殺されてしまった。おそらくシールドはもう効かないか・・・。シールドを4枚使うほどの威力だ。

　シールドを使って動きを止めることが出来ても一瞬だ。力を入れるだけでシールドが破壊されるのが目に見えている。どんどんやりにくさが浮き彫りになってくるな・・・。魔法は多分光以外はダメ。回復魔法も回復されると困るから攻撃として使えない。

　魔法の縛りは光で、残りは物理か・・・。喝を入れないとな。シールドで空中に上がり、小石の雨を降らせる。これに対処している間に騎士につめさせる作戦だ。

　だが、吠えるだけでその小石は全て潰されてしまった。その代わりに光の雨に変更した。騎士にもダメージは入りそうだが仕方がない。鬱陶しそうにしているが、ダメージはしっかりと入っている。騎士が左腕に絡みつき、その腕を折る。ベキッと聞きたくない音をたて完全に折れた。

「ライトチェーン」

　腕という名の攻撃手段がなくなったので拘束をする。足に力を入れ、俺の方に詰め寄ろうとしているが、ビタッと動きが止まる。地面に杭を打たせてもらった。チェーンと言っても大部分はそれだが、少し形を変えることができる。それを杭として活用させてもらう。

　ライトチェーンをもう一度発動し足を拘束する。そして動きが完全に出来なくなったそいつに近づき。首に刀を何度も突き立てる。

　穴が空き、貫通し地面が見える箇所が何個も見えてくる。だが、まだ死んだという確証はない。やっと光りだし死んだことが確信へと変わった。

　ドロップはバフォメットジュニアの心臓、幻惑の角笛だ。悪魔召喚の媒介にすることができると書かれている。そして魔力を込めることで無限に血を手に入れることができるそうだ。

　幻惑の角笛は聞いたものを幻覚状態にする効果がある仲間には効かないようだ。いいものを手に入れた。やばくなれば悪魔も召喚するつもりでいたのだが、召喚する必要はなかったな。これはチーフに渡しておこう。アシストをして使ってもらいたい。