372話
ファンクラブは他にもある。美人な先輩のファンクラブもあれば、入ってきたモデルやアイドルの人なんかのファンクラブなんかもある。そんな勢力を差し置いて無名だったやつが一番大きい。裏がありそうだ。魅了とかそんな精神操作系のやつだ。
7月になり本格的な夏に入ってしまった。ジリジリと焼かれる肌。暑くなり靴の底からも熱を感じるアスファルト。そして、湿気とこもった熱により余計暑くなった体育館。夏の象徴だ。
そんな中俺がしていることは最終課題の準備だ。英語や座学の勉強の確認や課題の提出準備をしている。レポートはもう終わっていて、テスト前の確認をしているだけだ。さっさと終わらせて、ダンジョンに行きたい。
ダンジョンに最近行くことができておらず、13階のピラニアが消え、ただのビーチになっているようだ。そこで遊んでもよし海を眺めるためにきてもよしといった感じで賑わっている。そろそろ次の階に行きたいところだ。特に獣型のモンスターにはレア個体とかユニーク個体は少ない。
しかも魔法も使ってくるモンスターも少ない。そのため戦い方が単調になってしまう。やっとテストが全て終わり夏休みに入ろうとしていた。親からの連絡で今年は帰ってくるのかと聞かれ帰るつもりと返事を返した。
バス移動で帰るつもりだ。その前に持って帰るようで何か食べるもの・・・。そうコカトリスを取りに行こうと決めた。帰るのは8月になってからだ。今はまだ7月の半ばでテストも2週間にかけて行われるのだが、それが1週間で終わってしまった。
そのためダンジョンにやってきた。だが、何かがおかしい。ヤギがこちらに向かって走ってくる。しかも何体もだ。だが、俺を無視して通り過ぎていく。
魔法を使える個体も何体かおり、その色は赤、黄、青とその特徴ごとに色付けされている。そして、一番最後にいたもの。それは黒色だ。しかも、4速歩行ではなく、2速歩行だ。
悪魔か・・・?だが、尻尾は矢印の形をしていない。よくわからない存在だ。獣人に進化をするのか?それだと骨格が変化していない。
俺の方を見てニヤリと笑いかけてくる。魔力が集まり魔法を放とうとしている。その集められた魔力は黒色で小さな丸状になり浮いている。
それを俺の方に飛ばしてきた。
「シールド‼︎」
統合されたもので助かった。向きを間違えていれば死ぬ、そんなギャンブルは嫌だ。俺に当たらず後ろに飛んで行ったものは木に当たると爆発し、幹を抉り取る。
本気の戦いだ。気力と魔力を体に流し、身体能力を上げる。当たれば即終了のクソゲーが始まろうとしている。
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