359話
21階に向かってみるか・・・。1日目の晩にそう決めた。モンスターはヤギだ。名前はエスケープゴートだ。能力は幻覚と霧を出してくるモンスターで、それのせいで同士討ちや奇襲(体当たり)によって怪我をしてしまう。
そんなモンスターだ。だが、幻覚耐性のスキルは値段が高いものの売られてはいる。それを買うことができれば余裕で行くことができる。しかも、耐久力とかも低い。
首元に攻撃をすることができれば、それで終わりだ。ヤギの肉って美味しくないんだな・・・。買取の金額表を見ていたのだが、コカトリスの雛の肉よりも低い。ダンジョンさ〜ん。階層設定間違えてますよー。
難易度的にはあっている?どちらかというとこっちも間違えており、もっと深いところにあるべきだろ!!数も少なく、クールタイムも長い。そのため、戦うなら幻覚を受けても動かないようにあらかじめ決めておく。
そして、タンクがタゲを集中させ、耐える。その幻覚の持続時間が終われば、その隙に気配を察知して殺すという作業が待っている。そんなことを俺は必要はない。体当たりだー?そんなものは魔法で仕留めればいい。幻覚?そんなものは効かん!!
ということで、やってきました21階層。踏み込んだ瞬間。魔法が飛んでくる。そしてそれに当たると同時に幻覚を見出すようだ、幻覚を見た時にはその精神力の高さで行動が変わっているようだ。
通常のゴブリンであれば、地面に転がり土を食べている。コボルトであれば体を掻いており皮膚が切れ、そこから血が出ているようだ。
ある程度レベルが高くなければ幻覚に耐えることができず、行動してしまうようだ。そんなヤギだが、はっきりとみることができる。まだ、霧を出していない。だが、口元が白くなっていることからもうすぐ霧を出してくるのだろう。
霧は、気配察知などの探知系のスキルを持っていればカウンターや回避をすることができる。気配を無くすというスキルを持っていないのがまだ嬉しいところだな。
霧を吐く前に魔法を放つ準備をしていたのだが、逃げ出した。幻覚が効いていないのがバレたのか?エスケープの由来は逃げることからだ。幻覚の効果が切れると逃げ出す。その時に霧を放ちながら逃げるのだ。
幻覚にかかっている途中に出してから万全な状態にして逃げる。だが、幻覚が終わっていないので、霧もまだ出すことはできていない。その間に後ろ足の踵を魔法で打ち抜き地面に転ばす。
そして、地面に倒れ込んだそれの腹にまた火魔術を打ち込んで殺した。
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