356話
何も問題がなければいいな・・・。俺の方は何も問題はなかった。特に探索者の人がきてアシスタントするわけでもなく。誰も監視がおらず、個人で行えというものだった。ドロップも個人のもので学校がどうこうするわけでもない。
そのまま、上で買取してもらってもいい、装備が出た場合は使うために取っておいてもいい。そんな環境だ。そこに放り込まれて起きること。それはさっき作ったチームでのドロップの取り合いだ。それがダンジョンから出た時に行われている。
毎年のようだ。対応が手慣れている。内容的には、ドロップで武器が出た。おそらくオークぐらいの階だろう。その武器をどうするかというものだった。配分したいから売りたい、前衛として働いたのだから対価としてもらうべきだ。
といった意見で分かれているようだ。前衛で働いていた2人とその他3人で対立している。そこに顔を挟むのもめんどくさいので、スルーするのが正解だ。ここで喧嘩するようでは、パーティーを解散したのちに組んでもらうパーティーがいなくなるだろうに・・・。
ここでも地雷発見の役割にもなっているのか・・・。ドロップの横取りとかはしておらず、喧嘩になっていないようだ。安心安心。日本人の良さが出ているなー。今は日本人だけで学校は運営されており、留学生も何も受け入れられていない。
換金も済ませ、今日の晩御飯も確保することができた。これでしばらくは食糧に困らない。消費されずにどんどんマジックバッグに溜まっていく食料を少しずつではあるが売っている。かさばりすぎて邪魔に感じてしまう。
料理が保存されるものがあればいいけどなー。そうすれば料理をしてバッグに放り込むのだけど。なんというか、わかりやすいな・・・。ボロボロになるまで戦っているグループと楽しんだ様子で帰ってきたグループがあり、リーダーをした人の考え方の結果だろう。
これが続くのか・・・。解散も多く起きてやばいパーティーだと死者も出そうだな・・・。入学時に契約書でダンジョン内で死んでも責任は持ちませんという旨のものにサインしなければならない。読まずにサインした親が、訴えるために電話をするらしい。
生徒だけではなく、親からのサインもいるのがこの書類だ。そのほかは別に生徒だけのサインで済むものが大半だ。
慣れるために過ごしていたのだが、90分の授業になかなか慣れない。やっとのこと、慣れてきた。そして、5月になった。
ゴールデンウィークは学校が休みで何をしてもいい。だが、ほとんどの人はダンジョンに潜るようだ。仲のいい人と話していてもそんな会話だけだ。中には遠征として少し離れたところに金属を取るために行く人もいるようだ。
俺はというと、大学あたりのダンジョンに行くつもりだ。夏も近づいており、暑くなってきて扇風機が必須になってくる時期だ。アイスの確保だ。多く確保したい。肉と同様、アイスも溶けない。冷たいアイスをどこでも食べることができる。
マジックバッグに入れておけば、大学でも普通に食べることができるのだ。そんな考えがあり、1日は確実にリッチのいる階を周回するつもりだ。
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