341話
魔法も変わらずに降り注ぐ、魔法を返したところで吸収されると意味がない。魔法で壊すよりも避けることにした。騎士に2体ついており、魔術師には1体だ。そして俺はフリーだ。何もしていないのだからマークする方が馬鹿だよね。
横に回り込むことができた。騎士はすでに攻撃を開始しており、1体は背骨を折ることで殺している。そして、もう一体の相手をするときに、なぜか戦いにくそうにしていた。手のひらを警戒しているようだ。
騎士に離れるように命令を出し、通常のゴブリンをリッチに近づける。そのゴブリンの首を絞め、背中から生えてきた2本の黒い腕によりゴブリンの腕は抑えられ抵抗できないようにされている。締め付けが終わり手を離した時にはゴブリンは死んでおり、その死体は何日も水分を取らずに干からびた死体やミイラのようだ。
どうやら、こいつも吸収系のスキルを持っていたようだ。大きな違いとかないから、どっちが魔力でどっちがHPかわからないな・・・。相手にするのめんどくさい。
「ライトジャベリン」
近づけないのなら魔法で殺す。対抗するかのように氷魔法を放ってくる。今回は少しレベルが低く相手もジャベリン系だった。
魔力を込め、威力よりもスピードを上昇させる。同時に発射されたとしても俺の方が当たるのが早い。だが、氷には当たりたくない・・・。光魔法は、光が通り抜けるものには影響しない。その分、貫通して当てることができるのだが、氷の場合は屈折してしまう。
コントロールをすれば問題はないのだが、避けることにも気を使いながらするのは一苦労だ。2つの属性の魔法が同時に使えたら楽なのに・・・。氷のシールドを目の前に出し、魔法を屈折させることで光魔法を防ぎやがった。
本当にめんどくさい。分身体を前に進ませ、俺は横に走る。生者レーダーを誤魔化すことはできず、分身体を無視し、俺にばかり魔法を飛ばしてくる。
分身体を無視し、それが背後に行った時だ。ライトジャベリンをリッチに放ち、すぐに分身体と入れ替わる。そして背後からもライトジャベリンを放つ。前側にだけ、氷の壁を出し防いでおり背後はガラ空きだ。そこを狙い体に当てる。
騎士は魔術師の助けに入ったようだ。背後から奇襲を仕掛け、殺している。残りはこいつだけだ。魔法があたったと同時に詰め寄りその首を刎ねる。やはり魔法職専門ということだけはある。防御がゴミすぎて、すんなり刃が通り骨を断ち切ることができた。
ドロップしたのは、リッチの頭蓋骨、リッチの心臓、グローブだ。リッチの頭蓋骨は黒魔術の素材になり、心臓は食べることができるようだ。グローブは特に効果はなかった。一番の問題は、この心臓だ。食べることができるのだが、体がリッチに近づいていくようだ。
効果を知らなければ食べたくないものだ。
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