323話
射程はおよそ30mだ。それよりも遠ければ、魔力の都合上弾が消えたり、自由落下し地面に衝突したりする。夏休みも残り8日だ。火魔術のレベルも9まで上がりあとすこしで10まで上がりそうというところまでやってきた。
そして銃はレベル3になりショットガンが解放された。これで顔面にぶちこんだり、口の中に銃身を入れ風穴を開けたりできるな。その威力確認のためオークと戦う。
今回のオークは鎧も何もつけていないタイプのものだ。たまに全身鎧が出てくる。それに当たると、弾丸は貫通せず、当たれば即崩壊だ。職業のレベルが上がれば弾の耐久力アップのスキルを得ることができるらしい。
それも今はない。もしこのタイミングで鎧を纏ったオークがきた場合、魔法で戦うことが確定だ。分身をシールドに乗せ空中へと登らせ待機させている。その間に俺がオークに近接戦闘を繰り広げる。
2体相手の時は拳銃で足を狙い動きを鈍らせることで安全に回避だ。たまにこける時もあるので追撃も忘れないようにしている。こけた相手にはショットガンで足を完全に破壊する。やっと、オークの真上まで分身が移動したようだ。交代だ。
分身と俺の位置を入れ替える。そして、シールドを消し、真下に落下する。その手にはショットガンを構えており、改造もされている。よく見るショットガンの銃口は2つだ。それを4つに増やしている。これこそ本当の魔改造だ。
その分反動も凄まじく。ステータスが上がった俺でさえ、銃口が上に上がってしまうほどだ。落下とオークの頭を掴み、そこによじのぼる。俺を必死に剥がそうと手を伸ばしてくるが、ショットガンによって潰される。
反動は背中になっているオークに与えられており、俺に対する反動は軽減されている。そして頭上に到達し、頭の銃口を突きつけ、引き金を引く。威力は高かったようだ。頭が吹き飛び地面に倒れようとしている。そんなオークの死体の背中を蹴り、地面へと着地する。
背後から殴りかかってくるオークを避け、その無防備な腹に撃つ。ジャンプをしながら撃つことでショットガンの反動は後ろに飛ぶ距離が伸びるだけで済む。腹を削られたことで大量の血が出てきているが、それでも喝を入れるため叫ぶ。
そんな開いた口に入れるものは、ショットガンの銃身だ。シールドを張りながら高速でその上を移動し、オークの目の前に到達。叫ぶ時に目を瞑っていたようで俺に気がついていない。銃身を口に入ったことに気が付きそれを噛み砕こうと顎に力を入れた。
そんな銃身だが、魔力強化によって硬くなっている。そのため砕くこともできない。銃口を少し上に傾け、放つ。急にかかった圧力に耐え切ることができず、頭蓋骨ごと爆発し中身が飛び散りながら倒れていった。
残りのオークは、愉快な仲間たちによって倒された。今後の課題は、落下の時に敵に触れずに頭にショットガンを打つこと、その着地を安定させること。そして、分身が2体になったので、その活用方法を探すことだな。
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