312話
サハギン相手に火魔術の強化週間だ。火魔術がレベルマックスになると賢者に昇格する。昇格することができればその属性の賢者と言う職業に就くことができるようになる。さらに賢者のスキルで並列魔法というのもが存在している。
並列魔法とは、簡単にいうと他の属性の魔法と一緒に使うことができるよだ。トレント戦で行った熱波を一人で行うことができるようになる。そして賢者の効果は、威力上昇だ。魔法は無免許の講習場で魔術が仮免許、最後の賢者が免許獲得といった感じかな?
けど無詠唱がないのが残念だな・・・。スキルとして存在しているのなら、この賢者あたりに入っていると思っていたのだけどなー。
なかったものは仕方がない。魔法関係なのは確かなんだから、魔法を鍛えていればいつかは出会うだろう・・・。魔術のレベルが10になると魔法の名前を呼ぶのを省略することができる。
属性+〇〇と言っていたのが〇〇だけで良くなる。それが今日一番の狙いだ。今、火魔術のレベルは8だ。そのほかの属性は使ってなさすぎて、魔術に届いていないものも何個かある。一番育っているのがこの魔術だ。それなら賢者まで持っていくぞー。てな感じでやっている。
昨日と同様にサハギンは俺を見つけると襲いかかってくる。シールドの上にいてもだ。気配察知系のスキルを持っているのだろうということはわかる。射程範囲に入ってから、数秒後にファイヤーウォールを2つ発動させた。
場所は俺とサハギンどちらもを囲むようにして作ったもの。そしてもう1つは、サハギンだけを囲ったものだ。魚って乾燥に弱いよね・・・。初めから水中にいたとなると呼吸方法は鰓呼吸だ。それなら乾燥にすれば勝ち目はあるだろう。
けど魔法をキープしているのが辛い。泥水が魔法の部分を濡らしてくる。そのせいで、魔力が削られていく。もういいや。魔法を解除した時には、泥に足をつけ立っているサハギンばかりだ。いつも湿っているような皮膚は乾燥をしており、所々皮膚が裂けたような傷ができている。
地上でも呼吸はできたか・・・。攻撃のため、俺の方に近づいてきているのだが、泳いでこない。走って俺の方に近づいてきている。やはりテリトリーってことだけはある。足が速い。地面に足を取られていない。
速いと言っても、この状況でだ。大人の早歩き程度の速さだな。シールドの上に乗っているので問題はない。少し試してみたいことがあった。
シールドを縦向きにして、サハギンと俺の間に発動させる。相手側が物理になるようにだ。先にシールドに近づく。透明で気がついていないようだ。そのシールドにぶつかり、体を止める。
そのシールドごと刀で突き刺す。少し、シールドの硬さを感じたが、別に問題はない程度の硬さだった。刺した刀を下に振り切る。振り切った後にまた刃の向きを反対に変え、切り返す。シールドがあった分あまり深くまで攻撃をすることができなかった。だが、奇襲や撹乱には使えそうな技になりそうだな。
一回これをしてしまえば、ずっとシールドがあるかもしれないと考えることになってしまう。その結果、攻撃をすることを躊躇ってしまう。いいねー最高にいい技だよ。
あとは刺す瞬間にシールドを消すことができるかという話だ。シールドを消してから攻撃をするのでは遅い。武器が軽かったり、持っていない敵なら尚更だ。しばらくはシールドを残して練習をする。
いつかは刺す瞬間にシールドをのけることができたらいいな・・・。
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