305話
俺が行こうとしている大学の入試は実力を見て決める。という脳筋的な試験方法だ。魔法であれば打ち合うのではなく的あてという形を取られるのだが、近接戦闘であれば試験官と戦うことになる。その試験官は、現在もダンジョンに潜っている人が多いのだとか。
その人たちや学校の采配により入学者が決定する。試験官が本気を出しすぎて合格者が少ない年もあったらしい。調べていてそんなことが書かれていた。明日が試験なので、調べておくに越したことがない。会場に前日入りしてのんびりスマホを眺めているといつの間にか寝落ちしていた。
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試験の日になった。ここ最近ダンジョンに潜ることができていないが、大丈夫かな?順番は真ん中ぐらいかな?それが終わると魔法の的当てが行われる。魔法の的当ては、申し込む時にどちらともという欄があったのでそこに丸をつけていた。
戦闘の試験だが、今回は試験官と行う試験らしい。一時期多かった時は時間を前日に倒して、誰かと戦って1勝してから試験と言われたこともあったようだ。
時間まで、上から戦闘を眺めている。武器スキルも発動させない。
「76番の人。準備してください。」
そのアナウンスに従い準備を開始する。今戦っているのは、60ぐらいの人だ。念入りに準備時間を与えてくれるな・・・。ありがたいな。適当に入学できたらいいけど、主席にはなりたくないから適当に力を抜いて戦うか。
あんな目の前でスピーチとかしたくない。俺が来てから2人目が入った時だった。地面が揺れる。そして、回復魔法を使える人が大急ぎで会場の中に入っていった。慌ただしい空気が広がる。
「何かあったのか?」
中にいる誰かがこう呟く。だが、誰も返事をしない。誰も知らないのだから、口を開いて間違っているかもしれない答えを言うつもりはないようだ。
受験生かな?控室に戻ってきた。その受験生の体には血がついている。皆こいつがやったんだな。と察する。
「今回の試験官は弱かったから大丈夫だよ。」
何このなんかやっちゃいました?俺。みたいな感じ。弱いのであれば寸止めにしなさい。半殺しにしてまで、試験を妨害するなよ・・・。代わりの人がやってきたようだ。名前を呼ばれ出したので、準備運動と武器の確認を行う。
名前を呼ばれ、そこに向かうと最初とは違う人が立っていた。せっかく対策として作戦を練ってきたのに・・・。これじゃあ使い物にならないな・・・。そういえば確認しておかないと。
「召喚獣って使うのありですか?」
「ちょっと確認してくるね。」
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「アリだって。」
いつものメンバーを召喚して準備万端で臨む。
誤字脱字があれば報告していただけると幸いです。




