293話
1月の折り返し地点までやってきた。それまではダンジョンに潜らず、大学のことに調べていたり、めんどくさいと考えたりしてダンジョンに行く気分ではなかった。ふと思いついたことが1つあった。餅を喉に詰まらせて窒息死させるのはどうだろうかと。
食べられず腐りそうな餅が家に何個か置かれているのを知っている。正月の死因のほとんどが餅だ。(多分)魔物も窒息死があるということはもうわかっている。それを魔法ではなく餅にしてみようではないかと思ったのだ。ゴブリン程度であれば、口を開かせてそこに餅を放り込むことですることができる。オークなんかは吠える時に放り込めばいい。少し煮たものを使おう。
あのシュールストレミングのように攻撃に使うわけではない。攻撃力が上がった時の効果もわからない。それなら、ものは言いようだ。言い方を変えればいい。プレゼントとして強制的に口の中に放り込む。あら不思議、その魔物はいつの間にか死んでいるのではありませんか、という作戦だ。
ダンジョンにやってきた。煮詰めた餅を持っている。助手は騎士だ。とりあえず、余裕があって他に見られない・・・。それなら5階のオークになるな・・・。そんなに多くの人も並んでいないし、ちょうどいいな。
順番が回ってきて、騎士が腕や足の骨を折る。そして頭を掴み顎を下に引っ張る。その空いた口に餅を入れ押し込む。口の中に入れた餅を取り出そうと必死にもがいている。だが、その餅を取り出すことはできない。
少しは出てくるのだが、それはもう切れた一部だ。顔色は青紫になってきた。バタッと倒れ動かなくなってしまった。このまま苦しめるのも時間の無駄だ。ということで首を切り落とした。
窒息死にすることができるということを学んだ。それなら、落ちている時に食った場合どうなるのかだ。それは、4階のゴブリンで試してみる。ゴブリンは雑食で、落ちているものであれば何でも食べてしまう。
毒が入っているものを食べさせて毒殺というのも流行ったぐらいだ。低い階ではそれぐらい簡単に倒せてしまう。経験値集めでは最適だが、収入としてはマイナスになるためあまり使われない。
餅を地面に置いて離れる。そして食べた。食べたはいいのだが、喉に詰まらせることなくしっかりと味わって食べているようだ。ここで驚かせば窒息に持っていくことができるな・・・。実験の協力者として置いていくか・・・。
結論、口の中に放り込めば窒息させることができる。攻撃手d。おっと、プレゼントとしてはなしだな。決して攻撃として考えたわけではないのだから。ここを間違えられては困る。いつも狩らせてくれるオークへのプレゼントはなしだな!!
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