290話
残り2体だが、騎士の方で決着はつけれるのかな?うん、つけれそうだな。2体ともオークの体の鎧はベッコベコに凹んでいる。足先なんかが一番ひどく、動きを封じるために踏み抜いたり、逃げられないように押さえつけていたと言うのがわかる。
さらに、2体とも片腕がない。切られたにしては断面が汚い。ところどころ筋肉繊維が飛び出ているので、千切ったか・・・。殺気が出てきた。ようやくボスの行動開始か。甲冑のオークが動き出す。狙いは俺だろうな。
太刀を右側に置き、いつでも振り回せるようにしている。もし突きをするならば、太刀を前に出して突撃するしかないのでまだ避けやすい。振り回しの攻撃が始まる。とりあえず、全部回避だ。バックステップで、後ろに飛び回避をする。
「シールド」
足元にシールドを作り、すぐに移動できるようにした。刀身の向きを変え、切り返してくる。再び後ろに飛ぶことで回避をし、地面に着地をする。
どうやって懐に潜り込もうか・・・。太刀の長さが長すぎて、攻撃が届かない。攻撃をしても、向こうのほうが範囲が広い。攻撃をするよりも先に攻撃をされてしまうだろう。甲冑の素材が分かればな・・・。でないと思って調べてなかった。
切り上げ、振り下ろしと連続攻撃がくるのだが、それも難なく避けていく。俺が大きく後ろに飛んだと同時に魔法が飛ばされる。アイスランスとウィンドランスだ。しかも魔力が続く限りの連射だ。その魔法を切り打ち消しているのだが、そんな時間も長くは持たない。何個かは体に当たっている。俺もウィンドランスを頭めがけて放っているのだが、それは完璧に防御されている。
防御をしてもその間、隙になる胴体に魔法が当たる。ガリッという音を立て鎧を削るだけで、本体への攻撃は入っていない。甲冑が硬すぎる。攻撃をするならば柔らかそうな部分、関節や筋肉の部分だ。そこなら、ガッチガチに防御がされていないだろう。背後から攻撃ができればな・・・。
騎士の戦闘が終わった。鎧の頭の部分が凹み、口の部分から血が溢れている。もう1体は、両足が切断されその影響による出血死だ。動くこともできないので、そのまま放置をしている。
これで逆転できそうだな・・・。騎士と交代し前衛を騎士に任せる。白刃取りだ。もし受けると防御は意味がないと判断したか・・・。その隙に背後に回り、ヴォーパルバニーとの戦い時にドロップした短剣を投げつける。
太刀を諦め、空中に回避をする。そこに飛んでくるのは、魔術師によるファイヤーランスだ。腕をクロスさせ顔を守る。
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