284話
「蟹鍋ー蟹鍋ー」
蟹飯でもいいな・・・。誰だ!!音痴とかいいっている奴は!!そんなことよりも蟹を見つけた。というか結構でかい。3体だ。大きい代わりに数は減ったようだ。
「こんにちは、そしてさようなら。」
筋肉密度が上がったおかげでトップスピードまで上がり易い。しかも足に力を入れ、急ブレーキを入れても問題ないし、ジャンプ力も上がっている。最高だな。直角での方向転換何もかも全てが俺の思い通りに動く。けど、その分刀を振るう速度を速くしなければならない。今の切り方だと、切るというよりは叩き潰すという方が正しい。
それなら、刀よりも西洋剣や大剣の方がいいだろう。技量を取るか力を取るかだな。どちらかに絞っておかないと、似たような武器での二足の草鞋は良くないと思うからな・・・。まあいいや、魔力を込めて全て豆腐にしてしまえばいいんだし。
蟹の鋏による振り下ろしが地面に当たる前に鋏をすれ違いざまに切り落とす。蟹Aの鋏を切り落として、空中で体を捻り、反対方向に体の向きを変える。着地と同時に再び助走をつけてジャンプし、もう一方の鋏を切り落とす。これをB、Cどちらも行った。
騎士はというと、その攻撃手段がなくなった蟹を殴っている。そこから、緑色の蟹味噌が出てきている。蟹味噌か・・・。あまり好きじゃないんだよな・・・。けど親が好きだし持って帰るか・・・。最終的に割れ目に指を突っ込み引き裂くことで殺していた。
その後騎士が蟹味噌のついた手を嗅いでいた。そして、振り払っていたので臭いと判断したのか・・・。一応高級食材なのに・・・。
残りも殺して、手に入ったのは蟹の脚だ。脚じゃねー、鋏よこしやがれ。そう思ってしまう。大きさは相手にしていた蟹よりも小さめのものだ。まあ、人間サイズだから仕方がないか。脚が2セット、そして蟹味噌が1瓶だ。バッグに放り込み次に向かう。
一応物理が効いたのだから、魔法も効くだろう。蟹の見た目なら物理の方に強くて魔法の方が弱いだろう。余裕で殺せるな。
焼き蟹じゃー。奇襲と名ばかりにファイヤーランスを1体につき5本飛ばす。だが、刺さりはせずに弾かれ、どこかに飛んでいってしまった。蟹はひっくり返せばどうにかなる。あれ?亀だっけそれ?まあいい、どのみち切り刻めばいいのだから。
蟹の鋏を切り落とし、殺した。よく見ると、腕や鋏の甲羅の部分に棘が生えているので、別種だったのかもしれない。ドロップは同じ蟹だったような気がする。念願の鋏だ鋏!!
ふと思ってしまった。この蟹って包丁が通るのか?ということに。とりあえず、集めるだけ集めるか。
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午後になり、俺はそいつと出会ってしまった。鑑定の結果変異種と判別されたそれに・・・
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