280話
流石に酷か。一応魔法の援護も行ってはいるが、全て回避されている。それを除いて余ったウサギが攻撃を仕掛けるので大きな影響もない。再び1体をこっちに流してもらった。あの蹴り飛ばしたウサギは、一応生きてはいる。だが、気配が小さくなってきているので、死にかけには間違いない。
そいつは、チーフを派遣して殺してもらうか。そんなわけでよろしくー。と命令をしておいた。俺の方に流された1体だが、そいつは魔法をずっと喰らっていた個体だ。攻撃には参加しておらず、ずっと魔法の雨から回避をして、ヘイトが映る瞬間に、騎士によるヘイト集中によって動きが封じられる。と言ったある意味ハメ状態だったやつだ。
回避だけをしていて、攻撃に参加していないことから、腕や足の疲労も少ないだろう。こいつも猪突猛進タイプだ。真っ先に俺の首を狙ってくる。それをしゃがんで回避し、水魔法で周りの地面を濡らしておく。現代日本のような、アスファルトのような地面ではなく、土が地面だ。
水のせいでぬかるんでいる。また首を狙って攻撃をして来るところに、シールドを合わせて、顔面プレスだ。俺の方は、魔法防御なので、俺からの攻撃は簡単に通る。そんな攻撃も簡単に通用するわけもなく、空中で、体の体勢を整え、短剣を奮ってきた。
幸い、ガントレットをしていたことで、その攻撃は効かなかった。もししていなければ、腕が切り落とされるか、この戦いの時は片手で戦うことになっただろう。ガントレットを蹴り、後ろに飛んだ。地面に足を摺りながら、後ろに下がる力を弱めている。また、詰めようと地面を蹴った瞬間。
盛大に転んだ。しかも泥を巻き上げてだ。モンスターは基本、動物がモデルになっているものの場合、その特徴が多く反映されている。今回、利用したのは、ウサギには肉球がないことだ。動物の肉球には滑り止めの効果があるのだが、ウサギには肉球がない。
そのため、蹴る力が強くても踏ん張りは効かず転んでしまった。そこに魔術師によるファイヤーランスが飛ばされる。なんとか回避をしたのだが、掠ってしまいその毛皮が燃え出す。それを必死に消そうと地面に転がるが、そこにどんどんとファイヤーランスが放りこまれる。
ついには焼死体が完成した。ストレスでも溜まっていたのかな?魔法が飛ばされていたのに全て回避されていて怒っていたのか・・・。わからなかった・・・。
騎士が何か呟いたような気がしたのだが気のせいだなきっと。後ろからものすごい殺気が湧いているけど・・・。あ、魔法が、騎士に当たった。
「やっっべ」
タゲから外れたのか、3体が俺の方に向かってくる。その辺りも水を巻いていた。そこを飛び越えようと飛んだ。次の瞬間には1体が串刺しによって殺される。
危ない危ない。地面に魔法を設置しておいてよかった・・・。残り2体だ。ヘイト管理をしている騎士により、1体持って行かれた。その1体は、耳を握っていたやつだ。楽しやがって・・・。
そう思っていたのだが、魔法が当てられた背中を摩っていたのでダメージはあったようだ。
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