279話
移動時の草が擦れる音さえどうにかなればいいだけだ。戦闘音でもよって来る。それなら瞬時に殺して移動をする必要があるな。とりあえず、工夫をして戦えばどうにかなるな。戦ってみるか。
開けた場所が多く、そこでの戦闘がほとんどだ。中には、木が生い茂ったあたりで戦闘をする人もいるらしい。そんなことをしても、場所の有利は向こうの方が高い。善戦はできたとしても戦闘経験の高さによって倒されてしまうだろう。前に殺されている人の動画を見ていたのだが、木の幹を蹴って方向転換はやりすぎだろ・・・。しかも連続で行い、スピードも落ちない。
それなら、平地で戦う方が楽だなと判断した。一番端にあった木を魔法で倒す。その音で、出てきたヴォーパルバニーが俺たちの方に気がつき、攻撃を開始しようとしている。
敵のヴォーパルバニーの数は5体。わかりやすくA〜Eとしよう。持っているダガーは、何体かは血で濡れ、地面に垂れていることから先ほどまで、同じウサギ同士で戦闘をしていたのかもしれないな。
「シールド」
危ないなー。騎士も反応はできていたのだが、3体が同時に攻撃を仕掛けてきた影響で避けることができていなかった。すれ違いざまに攻撃をし、そのままのスピードで俺の方まで詰め寄ってくる。近寄ってきたのは、1体だったが、首への攻撃をシールドで防ぐ。
着地と同時に再び攻撃を仕掛けて来るのだが、それを半身で避け短剣をぶつけ合う。空中にいることから、動きが止まれば、これ以上攻撃をすることができない。空いている左手で、ウサギの右肩を掴み、短剣を滑らせ逆手持ちに切り替える。右肩に力を入れすぎたせいで、ミシッと骨が軋む音がなる。
左肩に突き刺す。これで得意の短剣を使えないだろう。肩はだらりと垂れており、もう腕からの攻撃は引っ掻きぐらいしか警戒しなくていいだろう。しかも其の引っ掻きの威力も低そうだし、問題ない。
ウサギの左肩に刺した短剣を引き抜き、地面に落ちる直前にその腹に蹴りを入れ、森の方まで吹き飛んでいく。騎士の方に向かっている4体は、鎧に傷はついているものの、本体の中身までダメージは行っていないようだ。攻撃された時のカウンターとして耳を握り潰したりしているようだが、逃げ方が変わった。首を狙ってジャンプをしてからの攻撃というのは変わらない。
だがその攻撃後に、鎧を蹴って元いた場所に戻るようになっていた。ダメージは少ないが、そのノックバックが大きい。あの鍛えられた足に蹴られ、耐えられると思わない。鎧の重さも加算されている騎士でさえ、少し後ろに下がっているのだ。
誤字脱字があれば報告していただけると幸いです。
森林で戦うなら、スキルか魔法で木を伐採しましょう。
ちなみに、騎士はヘイトコントロール系のスキルを持っています。




