278話
11月も終わり、12月が始まる。魔王系の職業も50まで上がったのだが、これ以上進んでいない。というか進みそうになかった。職業を変更して、片方は侍、もう片方は、忍者の和風セットでダンジョンに潜ることにする。侍の獲得条件は、刀術のレベルを5まで上げること、または、剣士関係の職業を合計50まで上げることだ。
忍者の場合は素早さが高く、隠密系のスキルレベルが合計20以上になることだ。忍者と侍はセットだろ。侍のレベル1は、切れ味増加のスキル(刀)だ。大抵、武器についているものだが、スキルとしてつくと指定している武器の切れ味が上がる。
忍者のレベル1は影分身だ。ステータスの10分の1の分身体を作り出すことができる。その分身体は、賢さに基づくオート型か、自分で動かすマニュアル型のどちらかを選ぶことができるようだ。もちろんオートだ。他ごとを考えながら戦うことができるほど器用ではないからな。
12月までずっと、ゴーレムのところに潜っていたので、金属を多く集めることができた。ただ、大半を占めているのが銅なことから、少し心元ないな・・・。と考えてしまう。中には金もドロップしたのだが、米粒程度の大きさだった。なんだか、ダンジョンも金の価値が暴落するのを恐れているようだ。
12月始まって新しい階に潜ろうと思っている。次の17階は、ヴォーパルバニーだ。別名殺戮ウサギだ。かわいい見た目とは裏腹にその性格は残酷そのものだ。
その体は、返り血でいつも赤く染まっているとまで言われている。持ち武器は短剣だ。しかも全てのウサギがだ。いつも仲間内でトレーニングと名ばかりの殺し合いをしている。1グループ5頭で構成されている。中には、殺し合いではなく試合的なもので仲間を鍛えるといったレア個体もいたようだ。
海外でそれが見つかったようだが、数は多いものの、練度が低いようだ。何人か死ぬことにはなったが、氾濫の時よりかは死者は少なかったらしい。一番気をつけるべきポイントは、その脚力による攻撃だ。ステータスが足りず、見切ることができずに首を切り落とされると言ったケースが多発している階でもある。
死にたくないので、低い階層でレベル上げを満足するまで行っていた。それが満足したので、次の階を目指すことにしたのだ。初見殺しはごめんだ。あと、わかっていることといえば、ヘイトのコントロールが楽だ。ということだろう。ヘイトを増やすスキルは盾の職業を経験していれば持っている。
それを使うことで、すぐに攻撃対象を変更してくる。そうすることで、簡単に倒すことができるようだ。あと耳がいいのも弱点の1つだ。近くにある茂みを風魔法で揺らし、そこに一斉に攻撃をしたところを魔法で仕留める。そんな感じだ。音を立てずに移動をするのが一番だが、そんなスキルを持っていなければ不可能だしな・・・。
まあ、持ってはいるけど、上位互換が来た時に困るから、経験だな。
誤字脱字があれば報告していただけると幸いです。




