270話
マスゴミがまだ家の周りをウロウロしているのがわかる。ストレスが少し減ったことで隠密系のスキルも発動できた。これで見つからずに家に帰ることができる。父さんの会社にもきたそうだ。アポなしできたものだからすぐに追い返されてしまったらしい。
母さんは護衛として灰狼を連れて行っていた。一番力がないと思われていたため、囲まれてしまったが、灰狼がその人間をボコしたようだ。トレントの方を見ると木の上にカメラがあったり、地面に部品が落ちていたりする。どうせずっとカメラを回していたので、それにむかついたトレントがカメラを壊したのだろう。
今でも、テレビ局のお問合せがパンクしているようだ。苦情の電話が相次いで起こり、嫌がらせとも取れる無言電話もあるそうだ。そんなことをしないでくれとSNSで呼びかけているようだ。まあ、無理だろうな自分達で撒いた種だ。自分達で処理をしてくれ・・・。
会社として首になることもなさそうだし大丈夫だろう。
side勇者くんの父
「どうして退学なのですか?」
そんな疑問を先生に質問する。
「暴行を加えたからですね。」
「加えられて仕返しをしたのではなくて?」
光(勇者君)の顔は、青くなっている。そのことからこんな発想に至った。
「ええ。暴行を加えて仕返しをされて今の怪我になっていますね。」
想像をしていたことと真逆になっていることに頭を抱える。人に怪我をさせるわ。出しゃばるわで少しおとなしくしておけないのだろうか?
「停学にするということは・・・?」
「できませんね。」
しかも、他にも伝わっていないものがいくつかあった。試合後に奇襲をしただとか、いちゃもんをつけたとかだ。こいつどうしてくれようか・・・。あの時は金を払って納得してもらった。話を聞いていれば、こいつよりもダンジョンに潜っているようではないか。
それなら金を贈ってもそんなに意味はない。送るとすれば、ダンジョンでのスキルブックかジョブブックの方が喜ばれそうだな・・・それも取り繕っておかないとな・・・。それよりも逆恨みをしていそうなこいつを見張っておかないといけないな。それなら、しばらくダンジョンに潜れそうにもないな。
「はあ・・・」
親の心子知らずとはこのことだな。ことの重大さを理解していないようだ。これ以上、俺に迷惑をかけないでくれ・・・。
「退学でお願いします。」
とりあえず、こいつの精神を鍛えるとするか。
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