264話
とりあえず削っていくしか道はない。再生をつかわせながら地道に削っていくことでコアが露出する。そこを殴れば勝利だ。頭を破壊した時と同様にシールドで高いところまで上昇だ。その間にも攻撃は飛んでくるが全て、俺が通り過ぎた場所を攻撃している。
今度は右肩に乗り、腕ごと切断するのが目的だ。腕がなくなればバランスを崩す。時間がない、ゆっくりなものの、少しずつ、虫を払うかのように左手が近づいてきている。頭よりも硬い。発勁を3発使用することでやっとその腕を落とすことができた。
そして、俺は自由落下だ。命綱なしのバンジーが始まる。地面にウィンドボールを打ち込み威力を落とし、危なげなく着地する。落とされた腕を足で再び吸収している。だが、あの土ゴーレムのように瞬時に吸収することはなくその吸収はゆっくりだ。
上を見上げる。右肩の割れ目に何やら赤いものが見えたような気がする。あれがコアか?それはすぐに再生され、見えなくなってしまった。さらに、攻撃をされないように補強されている。あのテカった頭のような物質だ。そんなことよりも騎士が復活していることに喜ぼうではないか。だが、鎧が潰れている箇所がある。幸い騎士には何も影響はないらしい。それなら攻撃要因として使えるな。
コアの位置がわかったなら、本気で殴りに行ける。まだ膝をついている状態だ。足の再生よりも頭やコアの近くの右肩を再生させる方を選択したようだ。そっちに集中している間に他の部分を削るか・・・。ゴーレムの出ていた腹はへっこんでいた。そして足も細くなっており、再生や固める時にこの辺りの石を使ったのだろうということがわかる。
これで重さを支えることができず、移動はもうできない。次があるなら足を潰すことだ。それがなくなれば左腕を消す最終的にはコアだけになる。そんな予感がする。とりあえず、一番迷惑なのは右腕の再生だ。それを破壊するためには左腕を壊しておきたい。
それは騎士に任せるか。俺はもう一度頭を壊す。騎士は立てられている右足から登り、俺はその反対の左足から登る。魔力消費を抑えるためにシールドはもう出していない。足に気力を込め、ゴーレムの体に靴跡ができるほどの力で体を蹴って進む。
騎士と途中で合流し、騎士とは左肩でおさらばだ。俺は頭に到着した。魔法を使うのも癪だし、切るか。武器がよく、使用者が達人であれば鉄すらも容易に切ることができるらしい。俺は武芸の達人ではないが刀の鋭さは魔力依存だ。俺の魔力を込め、切り落とした。これで目的は一旦達成だ。騎士の方も落とすことができている。しかも足に当たっていないので、吸収するにも体を動かす必要がある。
今の状態で体を動かすとなると倒れるしか方法がない。それならば、足に使われている石を左腕や頭に回すだろう。そうすることで確実に動くことがなくなり地ならしの心配はなくなる。
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