263話
騎士の回し蹴りの後地面に両足で降り、ゴーレムからの攻撃をギリギリで回避をする。土煙が立って、姿が見えていないはずだが、騎士の場所は捉えているようだ。それは騎士も同じだ。ゆっくりと振り下ろされる攻撃を回避し、足に発勁を決める。足の関節がコッパ微塵に飛ばされる。
周りの被害も考えて欲しいものだ。俺の方に飛ばされてきた石を全て逸らす。大きいものは流石に回避だ。重い石を逸らせる自信はなかった。逸らすのを失敗して攻撃を受けるよりも、避けるのが正解だ。
ゴーレムが地面に倒れる。その重さのせいで地面に当たりながら、風や砂埃を飛ばしている。それも地面に沿って過ぎ去っていく。だが、俺は空中にいるので関係がない。風が止み、砂埃も落ち着いてきた。その間に俺が着地した。誰も死んでいないようだ。そのことに安心すると同時に魔力察知でゴーレムが生きていることを確認する。
足も治っており、右膝を立てて立ちあがろうとしていた。だが、その足元にいる騎士が、左膝を殴る。今度は気力も込めてだ。あの回し蹴りで、通常攻撃が効かないことがわかったのだろう。亀裂が入ると同時に拳の跡が残る。そしてその拳は止むことを知らない。だが、ゴーレムは片足は地面についており安定はしている。そのゴーレムは、攻撃をしてこようとしていた。
それに騎士は気がついておらず、殴られてしまった。鎧があることでダメージは軽減されているはずだが、しばらくは戦闘は無理だろうな。俺の番だ。とりあえず、邪魔な頭を飛ばすか。シールドに乗りながら上に飛び、頭の高さまで上がる。ゴーレムの頭に飛び移った。
その頭に発勁を叩き込む。体の関節よりも頭は小さい。そのせいで攻撃に弱く、1発で粉々だ。すぐに再生が始まる。だが、そのスピードは他のよりも遅く、まるでここに複雑なものがあるとでもいっているものだ。よくラノベである、複雑な部位ほど再生するのが遅くなるというものだ。
それが頭だった。というよりは目か?戦っている最中も光っていた。見た目だけのオブジェかと思っていたのだが、役割があったようだ。まだ頭の上に乗っていたのだが、手で払い除けてきた。それを避けながら、ゴーレムの体を滑り降りる。払い除けた時にも出てきた大きめの石が何個か降ってきていた。それが地面に刺さっており、行動を阻害してくる。
再生が終わったのか頭が光っている。禿たのか?そんなわけはない。おそらく密度が上がっただけだろう。そのせいで防御力も上がっただろうし・・・。
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