260話
その後も文化祭は続いていく。プレゼントをした肉によって、2日目も問題なく食品を出すことができていた。無くなった肉をその日に補充していた。その後月日は経っていくものの、留学生君は、学校に来ることができていないようだ。中には元いた国に戻ったという噂まで飛び交っている。
真実は闇の中だ。知っているのは本人か、学校だけだ。そのせいもあり、優勝商品でもある勇者君との決闘というのが無くなってしまった。仕事はしなくていいのかな?温室育ちの留学生くんよ。あれ絶対にレベリングされただけだろうな。スキルが足りてなさすぎる。もっと必要なスキルを取っていてもらいたかったな・・・。魔力上昇系や遠距離系のスキルだ。
それがあれば、警戒する量が増えるため集中力が減り失敗が多くなるのに・・・。もったいないなー。レベルの高い大人がパーティーメンバーなのだろう。時間が経てば、そのスキルの少なさや、荷物扱いになることから追放されるだろうな。
次の階のモンスターはゴーレムだ。基本は木で、レア枠が土だ。木のドロップはなぜか木炭だ。そこは木がドロップしろよ・・・。ゴーレムのコアだ。ほぼ魔石と同じ効果を持っているのだが、他にも効果がある。それは職業がゴーレム生産者という職業の時に役だつ。必要な素材は多いがゴーレムを作り出し操ることができる。
生産職という括りになっているが実質戦闘職だ。ゴーレムの特徴はスピードが遅い。そして、一撃が重たい。それだけだ。大きさは、5mぐらいだ。核を破壊するか、抜き取ることで倒すことができるようになる。核の位置はランダムだ。そのため簡単そうに見えて、運ゲーなのがゴーレムだったりする。
土ゴーレムのドロップは、肥料だ。あの木ゴーレムのかけらも何個か入っているものもあるようだ。肥料としての効果も高く、一回使うだけで、雑草が生えず、収穫に1年かかるものが半年で終わるといった収穫速度が上がる効果を持っている。そのことから、農家の中では喉から手が出るほど欲しいという人が多い。取り合いになっており、値段が一番高いのはこの肥料だったりする。
もっともレアな素材?・・・いい間違えたゴーレムは金属だ。金属と言っても純度が低いものが大半で、中には混ざり物もあるそうだ。買い取ってもらえるものの、武器にはならず、食器やフライパンといったものが作られている。武器になればもっと高くなっていたが、武器にならないことから低めの値段だ。
俺の狙いは土のゴーレムだ。人型でないので、何も与えることができていない。それなら、この肥料をプレゼントしよう。
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