255話
勇者君はすでに呼ばれて、先に入場した。その次の俺の番だ。トランペットといった楽器を持ったゴブリンを10体召喚する。そう練習してきたのは楽器の練習だ。なんだ?技の練習をしてきたのではとでも思っていたのか?そんなことはするわけがない。
文化祭に必要なのはエンターテイメントと華やかさだ。それを補うのが俺の役目だ。ゴブリン部隊を先行させ、演奏をさせる。そして、そこに俺たちが入場だ。ゴブリンが予想以上に器用だった。そのおかげですぐに実践として使うことができたのだった。
来年はドラム結成かな?それぐらい早熟だった。そしてリングに上がると同時に、召喚したゴブリンたちがお辞儀をして、消えていく。そしてその煙のところから現れるのが我らが4天王だ。そんな通り名よりもいつものメンバーといえばわかりやすいな。そのまま、俺の横に並ぶ。
そして、準備ができているのかの確認が入り、スタートの合図がなる。戦闘開始だ。いつも通りの両手剣だ。何度も折られているはずなのに、綺麗に修繕されている。今回はどのようにして壊そうかな?今回も交代制で戦う。まずは、トップバッターの騎士からだ。殺すことがなくても倒すことはできるだろう。そんなレベルだが、能力を制限しての登場だ。
その手には鞭だ。といってもあのドS専用の装備のことではない。棘もついていない安全性能?の鞭だ。それを振り回している。後ろから振り回すときに俺たちに当たる心配があるので、下がり気味だ。くっそ手加減で戦っているようだ。今戦っているものではなく、その背後にいる俺たちが攻撃された場合。すぐに交代でそいつが戦うというルールだ。
交代メンバーは、騎士、俺、チーフとその他愉快な仲間たち、魔術師と白狼コンビだ。その愉快な鞭術を見せてもらおうか。5分いないで倒せるのかゲームの開始だ。
「鎧化」
そんなスキルを勇者君が発動させる。勇者君の体の周りに白い輝きを放つ半透明の鎧が現れた。鎧対鎧か・・・。その鎧は、顔も全て覆われている。普通の鎧であれば、目のところが開いている。そのため、そこが弱点になりそこへの攻撃に弱い。だが、このスキルだとそんな弱点を克服しているように思える。
「制限解z」
鞭が顔に当たりそうになりその反射でスキルを言うのをやめてしまった。今回は前と違い初めからスキルを使って戦いにくるようだ。後少しであのスキルが使えたのにどんまい。ジャンプをして勇者君が後に下がった。だが、それを読んでいたのか、そっちに鞭をすでに飛ばしている。そして、絡めたのは首だ。
ここで締め付けられると、すぐに逃げ出せなければいつかは必ず気絶する。相手は騎士だ。パワーで勝つことができるのかどうかも怪しいところだ。持ち手を両手で握ることで勇者君に引っ張られるという心配もない。その持っている剣で、鞭の縄の部分が切られてしまった。
「はあ、はあ、はあ」
首を絞められたことで酸素が脳にまで回っていなかったのか、その顔は真っ赤で全身で息をして身体中に酸素をめぐらせようとしている。武器を破壊されたことで交代だ。スタミナが切れたことで戦闘をするならば、こいつだな相手は弱っているやってしまえチーフ。
愉快な仲間たちは全員がコボルトだ。そして召喚をすると、勇者君を囲む。そして一斉に攻撃をしようとした。
「制限解除」
今度はスキルを発動したようだ。回転切りを放った。魔力をこめて放ったそれにより、コボルト部隊は全滅だ。その結果交代だ。勇者君も強くなっているようだ。
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