254話
まずは一年からの決勝だ。レイピアかな?それを腰に下げている。細長いから一瞬刀と見間違えた。持ち手の部分でそうかな?と判断しただけだ。もし違うかったら、すごいフェイクだな。お辞儀をして、リングに上がり相手に敬意を示している。そして開始の合図がなる。反対側の腕には円型の盾を装備している。
それと同時に、魔法を使うようだ。それも召喚魔法だ。出てきたのはオークだ。豚肉が召喚された。魔力の限界なのか知らないが、召喚されたのは3体だけだった。相性悪くないか?スピードで戦うのに対して鈍足なオークを出すとか、邪道すぎる。それなら6体ぐらいのコボルトを出した方が戦いでは効果的だろうに・・・。何が狙いなんだかわからない。
それに対しいつもは2刀流なのに今回は1本の刀で構えをとっている。ハンデ?それともそっちの方が戦いやすい?こっちの狙いもわからないな・・・。八百長だけは勘弁してほしいな。その後に戦う俺たちがまた八百長だと思われてしまう。とりあえず、オークを突撃させていることから、留学生君は遊撃をする感じかな?機動力で勝負するのか・・・。
オークの相手はしにくいようだ。2刀流だと素早さは上だが、攻撃力が足りず削ることができない。そのための1刀流か。と納得がいく。召喚獣は殺してもいいが、人間を殺すことは禁止だ。紙装甲ではなかったらいいな・・・。それだとオークの1撃で死んでしまいかねない。
受け止めるというよりかは受け流す武器のレイピア、刀と似たような特性を持っている。正直、突きだけを警戒すればいい。西洋剣なんて切ることができない鈍ばかりだ。受け流されない攻撃をすればいい。例えば魔法だな。魔法なら近づかれることなく倒すことができるし、オークにも攻撃を喰らわずに一方的に与えることができる。
突きができるように受け流すことをされると、もう負けだ。そして、盾という存在も厄介だ。振り下ろしに対して、盾でガードする。そして盾で隠れたところからレイピアを突き刺す。そんなことができてしまう。攻撃が通らなければ下がれと言われるような武器だ。
刀で、3体のオークの腕か足を切り落とし、動くことと力を封印した。これでそっちに近づかなければ攻撃をされるということもない。そしてレイピアと刀の戦いが始まった。と思いきや一瞬で決着がついてしまった。刀が振り下ろされると同時に、盾を左斜めに構え受け止め。それを弾くように半回転をする。その時に地面に刀が落ちる。そして、半身になったことで、右腕に持っていたレイピアが伸びたように錯覚してしまう。
その時にはすでに遅く、首元に剣先が添えられていた。これで決着か・・・。次の番だ。ワクワクしてきた。練習してきた成果を出す時だ。この練習をするために夏休みの後半を使っていた。そのため、ダンジョンにずっと潜っていたというわけではない。
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