249話

　魔法も壊されるとなると、特攻しかないな・・・。そんな考えに直ぐに至った騎士と俺が歩みを進める。ダメージを受けても少ない騎士を先頭に走る。何も攻撃はしてこないわけがない。絶対何かしらの攻撃はしてくるはずだ。そんなことを思ってすぐに、女王から鞭の攻撃が飛んでくる。それは先頭にいた騎士に当たる。

　風を切る音がなる。その瞬間にバチンッと鎧に当たる。目に見えない速さだ。鞭の紐のところは見ることができた。だが、先端の部分は全く見ることができない。これではもう運ゲーで避けていくか、ダメージを受けない騎士で攻略をするしかない。

　これでコントロールがもっとよかったら厄介だったな・・・。鎧には目の隙間が空いている。そこに攻撃を当てられると騎士がノックアウトだ。それ以外なら攻撃は通らないからセーフだ。騎士の腕に鞭を絡め、引っ張っている。そんな、軽い攻撃をしていいのかな？左腕を拘束されたが、右手で、鞭を掴み引っ張り返す。

　もしかすると、棘がついていて、掴んでくるやつがいなかったのかもな。抵抗しているが、力では圧倒的に騎士の方が上だ。諦めも悪く、鞭を手放そうとしない。予備の武器を持っていないのか？そう判断し、俺も攻撃を仕掛ける。鞭はもうないものとして考えて、刀でその首を狙う。

　抜刀胴体を切り上げ、血が噴き出す。そして、地に当たらないように瞬時に背後にまわり、横に首を切る。首が落ちた。その顔は、汗と涙と血で汚くなっている。最初からオーク顔だったので可愛くはなかったな。ドロップは、あの女王が使っていた鞭と、肩ロース、鞭術のスキルブックだ。

「鑑定」

　鞭に効果があるのかを確認したい。ドS御用達の鞭という名前だ。あの筋肉が増加したものがスキルなのか武器による効果なのかが１番の疑問だ。オークの女バージョンだったので、通常個体だと思いたいのだが、あんな筋トレをさせるような個体はレアだろうな・・・。

　鞭の効果がわかった。ドMの称号を持つ者に鞭を打つと、一定時間知能と魔力以外のステータスが1.5倍になる。というものだ。じゃあ、あのオークは全員ドMだったということか・・・。しかも装備条件つきだ。それはドSの称号を持っているかどうかだ。売却は確定だな・・・。鞭術は俺に使った。役に立ちそうだし、枝に引っ掛けて上に登るとかできそう。あとは首に巻き付けて締め殺すとか。

　距離が長いし、汚れたくない人向けだな。肩ロースは。角煮にしてもらおう！！今回もそうだが、見た目がイカれているやつほど強いのか・・・。嫌な世の中だな。

　＿＿＿＿＿＿

　その後も15階のオークを狩って豚バラを大量確保し、頑丈のスキルブックを手に入れた。スキルブックとか鎧につけれたらいいのにな・・・。リビングアーマーとしての運用は・・・考えられないな。死んだら防御が消えるし、いらないな。

　その後家に帰り、美味しいトンカツを食べた。