237話
き、気まずい。このまま立ち去っても良いのだが、良心が欠けるし、本当に悪くなかった場合に問題だ。どうしよっかな?このまま一人にしていると自白してくれそうだし、時間が経ってから決めるか。
「何が役立たずだよ。バフとかデバフとかかけてやっているのに。なんで俺だけ、配分が少ないんだよ!!」
そう言いながら地面を殴りつける。
「その分の働きを返してもらおうと、金を取っただけなのに・・・。」
いや取ったんかい!!取ったのなら、それは悪人だ。放置で良いな。もう、問題は解決した。もしこれが使っていなくての追放なら、援護をして上まで上がらせようと思っていたのだが、普通に盗人なら放置でいいやー。
これだからパーティーは嫌いだな。こんな金での揉め事がある。勇者君みたいにパーティーが弱いからやハーレムを作りたいからと言って、人を追放することは理解できなかった。弱かったから追放したという理由にしておくか。追放された人がかわいそうだ。
戦術の確認と共有から始めることになる。それなら弱くても良いから、今のパーティーで進んでいく方が効率がいいと考えてしまう。というか、レベルがあるから追放ってもっと後に起きるべきだよね?追放されたあの盗人さんは、もう関わらないだろう。
反対方向にモンスターを倒すべく進んでいくと、目の前にはあの変態集団だ。(230話より)全員が近距離武器で、剣、短剣といった。すぐに動くことができる武器ばかりを装備している。全員があの装備のおかげで素早さが高い。
「これが終わったらいくか。」
この人たちがどう戦うのかが少し気になっていた。その素早さはコボルトも翻弄するほどだ。素早く移動することで、前衛のコボルトを置いて後衛を狙いにいく。避けようと、数歩下がるがそれだけでは避けることができず、攻撃を受けてしまう。その攻撃の威力も高い。素早い行動からの一撃により、その攻撃力は上がっている。
腕を切り落とし、二人がかりで殺す。すぐに、後ろに下がりスイッチだ。交代をし、少し削れたスタミナを回復させ、戦線に復帰するといった戦い方だ。攻撃を食らうことなく、安定した攻略だった。拍手を送りそうになるほどだ。見終わり、俺のコボルト狩りに行くか。そう思っていた時だった。
急に肩をつかまれた。
「君もビキニをつけるかい?」
肩に手を当てた主がそう問いかける。
「え!?」
ギギギと油を差していない金属の音が出ていそうなスピードで振り返る。その顔は、健康体のごとくちょうど良いほどぐらいに焼かれた肌。そして虹色のビキニだ。そう、リーダーさんだ。
「え、遠慮します。」
「そうか・・・。」
なんだか寂しそうな声を出し、仲間のもとに戻っていった。一体なんだったんだ・・・?
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