195話
コボルトを見つけた。相手は6体だ。今回はバグっておらず、安定したメンバーだった。その内訳は、短剣が2体、武器なし2体、弓2体だ。ゴブリンの武器なしの場合、殴りや蹴りの攻撃のみになる。だが、コボルトの場合、これに爪での引っ掻きが追加されることになる。弓矢でも騎士の鎧には傷がつかなかった。
それなら心配はいらないが、万が一があるので不安だ。剣であれば、短剣のリーチに入られる前に倒すことをしなければならない。だが俺たちは、短剣よりもリーチが短い拳、受け止めるための盾、魔法がある。素早い動きに当てることができるのかが不安だが、なんとかなるだろう。
先制手必勝とばかりに短剣と武器なしが一斉に詰めてくる。そのスピードは、武器なしが一番早い。そいつらに向かって、魔術師がファイヤーランスを放ったのだが、横に飛びそれを回避する。コボルトのよってくるスピードは全く落ちていない。
弓による攻撃は、全て騎士に向かって放たれている。どれも貫くほどの威力の高さではないが、鬱陶しそうだ。騎士が雄叫びをあげた。それは自分を鼓舞しているのか、それとも威嚇なのかはわからないが、コボルトには何も効果がないようだ。
騎士は武器なしや短剣の対処の前に弓の方に足をすすめる。だが、1匹の短剣のコボルトが前に立ちはだかっている。そして撹乱をするために周りをうろちょろし、目で追うのがめんどくさくなったのか、追えなくなったのかはわからないが体を動かしてまで追いかけるのをやめた。
さらに目を閉じて集中しているようだ。おそらく、攻撃時に合わせてカウンターを仕掛けるつもりなのだろう。弓の攻撃は俺たちの方に向いている。だが、それを受けるタンクもいないので、オークリーダーを召喚した。目を閉じたことを好機とみたコボルトは背後から突き刺そうと短剣を突き立てた。
だが、その腕は騎士によって受け止められ、グシャッと潰されている。離れようと、騎士の鎧に噛み付いたのだが、歯が立っていないようだ。逆に噛み付いたはずのコボルトの歯が欠けている。そのまま、殴りかかり頭が消滅した。これで残り5体。
その光景を見ていた弓たちは呆然としており、弓による攻撃が止んでいる。騎士の足は弓に向かって走っている。恐怖状態になった弓たちは一心不乱に騎士に向かって矢を打つ。その攻撃が効かないということを忘れているようだ。その目の前に立った。騎士が両方のコボルトの頭を掴みぶつける。何度もしたことによって、元のパーツがわからないほどぐちゃぐちゃになってしまっている。さらにその威力が強かったことから、どちらも頭が凹んでいる。
これで少し怒りもおさまったのかな?また、雄叫びをあげている。正直、うるさい。
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