182話
次の方法は、一番小さくした魔法を放つとするならばどうだろう?当たればいいのだから、威力は全部捨て素早さだけを強化する。そんな魔法を作ってみた。見た目は、針のように細く指の第一関節ぐらいまでの大きさだ。そのため魔力消費が少ない。そんな魔法を木に試し撃ちをしてみた。その結果、刺さるまでは早かった。だが、木に含まれている水分のせいかもしれないが、燃え広がらなかった。
ウルフの場合だと試していないのでわからないが、燃えるのは確定だとしてもそんなに燃え広がらないだろう。さっきの戦闘でも、10分ぐらい燃えていた。そのためこの魔法の場合長くても3分程度だろう。
「もっと効果時間欲しいな・・・。」
燃やす時間を長くするためには、最初の火種になる部分を大きくする必要がある。それを解消するためには、魔法を大きくする必要があった。だが、大きくするとその素早さは下がってしまう。その調節が難しい。一旦試すか。
通常の狼に命令を出し、ここまで連れてきてもらう。そして、俺の姿を見ることができる範囲に入った瞬間にその召喚を消す。そうすることでヘイトが俺に集まり戦闘になった。その数8体。とりあえず、いつきてもいいように展開していた。針を飛ばした。もしこれで駄目だったなら、ダーツ程度の大きさに変えなければならない。
魔力を多く込めたこともあり、スピードも速い。そのため、避けることもできず顔面に当たり顔から燃え出す。これで目が潰れただろう。だが、更なる問題が出てきた。それは魔法使いだと余裕で防がれることだ。魔力がバレていたようで、その攻撃が魔法によって防がれている。耐久力も少ないので、貫通することなく当たれば即消える。
「そうなると、盾の相手もできないな・・・。」
そんなことを考えながら、魔法による攻撃を打ち消す。攻撃を打ち消しながら、少しずつ近づき、首を切り落とした。顔に当たったウルフたちはそのまま、息だえている。これなら大きさをダーツ程度にするといけそうだな。当てるだけなら針でよくて、ダメージを与えるための素早さなら、ダーツの方が効率がいい。
動かず魔法を使ってこないのなら、このまま針で当てることができる。一番不安なのは、属性相性だ。魔法のダメージ軽減の効果がどこまで作用されるのかがわからない。もし、針ではダメージを通すことができないかもしれない。そこがネックだ。
そしてドロップだが、牙とスキルブックだ。中身は風魔法だ。あの魔法を使ってきたウルフからのドロップだった。
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