178話
4月になり入学式が始まった。この学校には生徒会というものが存在していない。権力を得るためには、どの部活が一番人気かの人気投票によって行われている。そして、仕事できそうという先生のゴリ押しがあったことから、パソコン部になっていた。だが、あの事件後の人気投票によって決定した部活は、ダンジョン部だった。
そのため入学式の準備にきている。春休みも長くはなく、3週間程度だろう。その間も勉強ばかりしていたので時間が経つのがあっという間だった。勉強と言っても、時間が経つと飽きてくる。そして飽きたことにより暇な時間が生まれてくるのだが、その暇を潰せるものがなくなり、暇潰しもかねて手伝いに来ている。
準備が終わったので、2階に上がりその様子を見ている。校長や知らない人の話は置いておくとして、知り合いはいるかな・・・。何人かは見ることができる。と言っても知り合いというわけではなく、あんな人いたなー程度のことだ。おそらくすれ違った程度のことだろう。
「キラキラした雰囲気を纏っているなー」
そんな言葉が出てしまう。ここから何人がダンジョン部に入ってくるのか・・・。それは結果を聞くことにしようかな。戦闘職ばかりで生産職が来ていないので、来てほしいところだ。生産職ってどんなスキルを得られるのかが気になる。必要な職業を経験した後には、生産職をしてみてもいいなと思っている。
金さえあればといった感じだが、今の状態が維持できると大学卒業をすると一軒家ぐらいは建てれそうだな。その時に鍛治とかできればいいな。
生産職が入ってくるともうそれはクランみたいになってくる。生産職は最初の方は鍛冶場が少ないこともあり、レベルが低く、武器の精度が低い。だが、最近では魔物と素材を混ぜることによって、魔物の特性を持った装備が出てきている。それは、ダンジョン産の装備とも遜色ないレベルで強いと言われている。
そんな状態でもレベルが低い。この鍛冶のスキルのレベルが最大になった時に作られる武器、この強さに期待している。服系の生産職もある。だが、それは今のところ強いと言われていない。どちらかといえば弱いと言われている。中には糸使いという職業もある。一見戦闘職か?と思うのだが、これは生産職だった。というオチだ。戦闘職に化けると期待していた人も死んでしまったので、もうここから広がることがないだろう。
今の評価では、生産職が戦闘をするのは馬鹿らしいという風潮だ。それがどう変わっていくのかが気になっているところではある。
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