172話
そんな視線を無視しながら、平日を過ごし土日となった。今日もまたトレント狩りに行きたいところだが、気分転換にウルフでも行くか?トレントのいる階層は、ほぼ全てが木に覆われている。そのため、視界の変化が少なくすぐに飽きてしまう。それに倒し方が何も変哲もない、魔法合戦で終わらすことができてしまい。脳死で戦ってしまいそうだ。ウルフなら頭もいいし、リーダー個体もいる。
満足のいく戦闘ができそうだな・・・。よし!!今日は、ウルフにするか。そんなことを昨日の金曜日に決めた。狼といえば、この2体だ。愛犬の魔法を放つ白狼と下っ端の灰狼だ。灰狼は、平日は家にいる母に可愛がられており、そのおかげで、下っ腹は少しずつではあるものの成長してきている。だが、白狼の場合太ることがないので、スラリとした美しい肉体を維持している。
と、この状況を理解している人にはこの先が読めたかもしれない。今日の目的は、なんと灰狼のダイエットだ。普通のダイエットでは、そんな痩せるような気がしなかった。そのため、金儲けにもなるしダンジョンにやってきている。今日はスパルタ担当の騎士も連れてきているので問題はないだろう。
どんな戦いが繰り広げられるのか楽しみだ。魔法を使うのは禁止だそうだ。仕方がないか、運動になる前に殺してしまうもんね。学校に行く日でも母さんはずっと家にいる。そのため餌やお菓子をもらっていたのだろう。それが積み重なって今のデブか・・・。俺も気をつけないとな。デブにだけはなりたくない。
トレントの場合は、攻撃が単調でそう動くことなく避けることができる攻撃がたまにやってくる。そのため、ダイエットに向いていない。一番動きそうな13階のウルフのところにやってきた。レベルが追いついていないので、レベリングをする時以外は基本家に置いている。その弊害が出てきてしまったのだろう。というか、初めに持っていた野生はどこに捨ててきたのか気になる。拾い直して欲しいな。
いつものメンバー集合だ。今回のウルフは、一筋縄ではいかないと思っている。この階のウルフは最低ラインは8体だ。と言ってもスキル持ちもいないただの狼だ。だが、その集団戦もばかにできない。乱れない連携は時に人を破滅へと近づける。理由としてはほとんどがフレンドリーファイヤーだ。
撹乱されたところに魔法を放ち、味方ごと倒す。そんな人が時折現れる階だ。その階層にきているのだが、そんな些細なことでイライラはしないだろう。
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